【仏検だより】共立女子大学文芸学部のフランス語教育

岡見 さえ(共立女子大学)

“共立・仏文”について

偶然にも、共立女子大学文芸学部創設70周年の年に寄稿の機会をいただき、心から嬉しく思っています。共立女子大学は1886年に創立され、現在は家政、文芸、国際、看護、ビジネス、建築・デザインの6学部の学生が神田一ツ橋キャンパスで学んでいます。

私は、文芸学部文芸学科言語文学領域フランス語・フランス文学専修に所属しています。私たちの文芸学部の特徴は、一学部が複数の専修を擁していることです。1953年に日本初の文芸学部として誕生した際、女性が進出しやすい分野だった出版、放送、図書館、演劇、美術、教育に関する幅広い授業が選択可能になるよう、敢えて大きな枠組が設定されました。この伝統は続き、現在も学生は1年次に幅広く学び、2年次から「言語・文化領域(日本語・日本文学専修、英語・英語圏文学専修、フランス語・フランス文学専修を含む)」「芸術領域(劇芸術専修、美術専修を含む)」「メディア領域(メディア専修を含む)」「文化領域(文化専修を含む)」のいずれかの領域に進み、3年次に専修に進みます。段階的に学びを専門化するカリキュラムですが、領域、専修に進んだ後も、広く学部の授業を履修することが可能です。仏文専修で図書館司書資格、学芸員資格、中高英語教員免許を取得する学生も毎年います。

文芸学部のフランス語教育

文芸学部は英語、フランス語、中国語、ドイツ語から2言語を必修としています。フランス語選択者は、1年次は教科書『エスカパード!』を使用した週2回の授業で、文法とコミュニケーションを学びます。この授業は全学の教養教育科目で、他学部の学生も一緒です。2年次は文芸学部専門基礎科目のフランス語クラスが複数開講され、1年次の学習を深め、応用力を養います。この中級クラスでは会話や講読のテーマに担当教員の専門が活かされ、多彩です。さらに「フランス語学演習」、「フランス語コミュニケーション演習」等の領域・専修の専門科目を履修し、フランス語力を総合的に伸ばしていきます。希望者は、国際学部開講のフランス語の授業を履修単位とすることも可能です。また毎年夏にはアンジェ西部カトリック大学での約30日間の研修が実施され、修了者は単位認定されます。教養教育科目と文芸学部専門科目のフランス語の授業は、仏検の級ごとに単位認定されます。

フランス語・フランス文学専修の取り組み

フランス語・フランス文学専修にやってくるのは、ほぼ全員が大学入学後にフランス語の学習を始め、フランス語圏の文化を発見した学生たちです。フランスの歴史や文学に発想した舞台(ミュージカルや宝塚)、映画、漫画や、ファッション、ダンス(バレエ)、世界遺産、ガストロノミーといった潜在的な文化への興味を、いかにして専門研究へ結び付けていくかが悩ましいところですが、田口亜紀先生のイニシアチブの下、専修では授業外でもフランス語圏の文化を体験できるイベントを企画しています。まず、専門家を招いての講演会。2022年には諏訪敦彦監督がご自身とフランス映画界の結びつきを熱く語り、学生たちを大いに刺激して下さいました。7月のミニ・フェット「パリ祭」、10月の留学生歓迎会も、交流を通してささやかながら文化を体験し、理解を深めることを目指しています。大学には提携校のパリのイナルコ大学とスイスのジュネーブ大学の交換留学生、西アフリカのベナンから特別留学生がやってきます。日本語を学び、日本文化に興味を持つ彼女たちとの交流から、学生たちはフランコフォニーの豊かさと多様性を実感するようです。

大学の枠を越え、フランス語で世界を広げる機会も活用しています。例えば「フランコフォニーを発見しよう!」には2020年からプレゼンテーション部門に参加しています。2020年はフランコフォンの集うカフェバーのオーナー、21年はセネガル出身のプロバスケットボール選手、22年はKバレエ カンパニーのダンサーという取材対象の顔ぶれから、共立仏文の学生たちの興味のありかが伝わるでしょうか。フランス語で日本に暮らすフランコフォンにインタビューし、発表にまとめ、会場で発表するプロセスは学生たちを大いに鍛えてくれます。語学力の向上に加え、自分たちで広報担当者に交渉し、インタビューを実現する教員も驚く行動力も学生たちは発揮します。近年、全学で力を入れているリーダーシップ教育の成果を感じる機会でもあります。

*仏検の活用

仏検は授業におけるフランス語学習の指針であるばかりでなく、こうした異文化コミュニケーションの実践の基盤となり、学生たちの自信の根拠となっています。文芸学部では1年次のフランス語の授業から仏検受験を奨励し、学生は検定受験料補助金を受けられます。仏文専修の学生は専修の補助金も受けることが可能です。受験料補助に加え、専修では級別の仏検対策講座、ネイティヴ教員による2次試験対策講座を実施しています。仏文専修の学生はほとんどが1年次から受験を続け、4年の春に2級に合格する者も複数います。努力型の学生が多いため、継続学習が合格に結実する達成感を楽しんでいるようです。

仏文を卒業する学生の進路はさまざまですが、フランス語やフランス語圏文化との関わりを持ち続ける者が一定数います。修士課程への進学、フランスの高級食材を扱う商社やラグジュアリーブランド、旅行関係の仕事、留学経験と学芸員資格を活かし複合文化施設に勤める者など、卒業後もフランス語を使う機会があることを喜々として報告してくれます。教える仕事に就いた卒業生は、大きな声が出るよう習い始めた声楽の先生がフランス歌曲の専門家だった偶然を楽しそうに話してくれました。卒業後もさまざまな形でフランス語の学びは続いているようです。

1963年に仏文コースとして誕生した専修は、今年60周年を迎えます。仕事であれプライベートであれフランス語の学びが人生を豊かにすることを信じ、私もバトンを繋いでいきたいと思っています。そして仏検は客観的な指標を提供し、大学を離れた後もフランス語学習を続ける意欲を応援してくれる心強い味方なのです。

▶仏検だより 2023年4月までの記事はこちらからご覧いただけます

【仏検だより】仏検とフランス語書籍とおどけた猫たち

榎本 恵美(レシャピートル書店主)

仏検2級を受験したのは20代のころ、今から20年以上前の話だと記憶します。無事に合格し、あまり煌びやかではない私の履歴書に華々しく書き添えたことを覚えています。その後フランス語専門書店「欧明社」本店で働き始め、結婚、育児とライフステージが変化し、多忙な日々を送る中で2級以上を目指すことはありませんでした。2022年2月に欧明社が閉店、選書や輸入業務をしていた経験を生かし、フランス語専門オンライン書店「Les Chats Pitres – レシャピートル」で独立しました。ウクライナ戦争によるフライトの激減、燃料費高、歯止めない円安、順風満帆な出航ではなかったレシャピートルでしたが、一年が過ぎようやくこれからの展望が見え始めてきたところです。「実店舗を開店してほしい」という声が当初からあり、いずれ作家や翻訳者、読者が交流できるサロンのようなリアル店舗を持ちたいと思っています。

プロフィールはここまでにして、ここからは経験をベースとした、学習者に有益な参考書や選書のアドバイスをジャンルごとにお伝えしようと思います。

■試験対策参考書

「旅行に行く」「映画が好き」「料理を勉強したい」などフランス文化は多角的で、フランス語へのアプローチは人それぞれです。目的に合った参考書を使って学習するのが一番効率的ですが、学習手段を見つけるのはなかなか難しいものです。その場合、仏検やDELFといった試験対策の参考書がおすすめです。参考書は初級から上級レベルまで刊行されており、設問を解きながら、レベルに応じた文法事項、語彙、表現などが習得できます。仏検の参考書は全国各地の大型書店の棚に並んでいて、なかでも前年度の過去問題を詳細な解説付きで掲載したAPEFの『仏検公式ガイドブック』(駿河台出版社刊)は毎年4月に刊行されます。新しい年度の幕開けを感じてやる気が湧いてくるものです。日本では圧倒的に仏検受験者数が多いのですが、世界基準であるDELFも近年受験者が増えているようです。DELFのB2を保持していれば、フランスの大学入学免除にもなります。当店は洋書をメインに取り扱っていますが、仏検参考書も販売しています。ディクテや文書作成など苦手科目克服のための教材やアプリ版教材なども取り揃えています。

■リーダー/多読教材

書く・聞く・読む・話すをまんべんなく学習できる「試験対策参 考書」と並行して、学びの手段として、内容のある何かを「読む」ことにも挑戦してほしいと書店員として願っています。フランス語で書かれた文学作品を読むことは、初学者には少しハードルが高いと思われますが、レベルに応じた文法や語彙でリライトされた文学作品をラインナップした「グレーデッド・リーダー」があります。FLE (Français Langue Etrangère – 外国語としてのフランス語教育)大手出版社CLEやDidier、Hachette FLEでは、ユゴーの Les Misérables、モーパッサンの短編集、Arsène Lupinシリーズなど、古典をはじめジャンルに富んだストーリーが実に多くあり、楽しく読めるような工夫がされていて多読におすすめです。グレーデッド・リーダーとはいえ、原書を読了した時の達成感は大きいものです。作品が気に入ったら、オリジナルに挑戦するのもいいと思います。フランス文学を読むことで選書の幅が広がり、多様な価値観、独特のユーモアセンスを培い、それはやがて人生を豊かにしてくれる土壌となります。

■フランス絵本

多読とは、自分のレベルより易しい本を、辞書を使わずたくさん読んで、語彙や表現を身に着けていく学習方法です。一番取り組みやすいのは、ページに2~3行程度の絵本で、わからない単語や慣用句も絵から想像し、シチュエーションとともに身に着けていく。絵本の読み聞かせを毎日欠かさずすることが、語彙力や文章力を身に着けるのにとても効率的だということを、私自身、自分の子育てを通じて実感しました。子どもの歯が抜けた時、枕の下に抜けた歯を置くと、寝ている間にネズミがきてコインに換えてくれる、というフランスの言い伝えをモチーフとした絵本を、子どもたちに読み聞かせをしたことがあります。それから子供たちは歯が抜けると、今度はどんなコインかな?と楽しみに待つようになりました。語彙力や文章力だけでなく、フランスの豊かな文化知識を得るのにも絵本は最適です。 フランス語の絵本を毎月セレクトして、購読者にお届けする「フランス絵本定期便」というサブスク的な選書サービスを始めました。夏はヴァカンス、冬はノエルやガレットなどフランスの文化を意識した選書を心がけています。このサービスは欧明社の時から始めて7年目になりますが、フランス絵本には独特のユーモアセンス、色彩豊かな絵で日本の絵本とは違う楽しみ方があります。小さいときからのフランス絵本の読み聞かせを通して、豊かな文化に触れることはとても大切な経験です。毎日15分程度で読める絵本はとても魅力的なアイテムなのです。

■仏仏辞典

フランス語の原書を読むようになると、仏和辞典では物足りなくなるはず。そこでおすすめしたいのが、仏仏辞典です。フランスではLe Robert社とLarousse社といった大手辞書版元がありますが、語源解説、例文、文法事項など情報が多い Le Robert micro を一般的におすすめしています。廉価なポッシュ版と二色刷りで見やすいハードカバーがあり、私は年齢的に小さな文字が見えにくいので、ハードカバーを日常愛用しています。フランスの広辞苑的存在 Le Petit Robert や、百科事典的仏仏辞典 Le petit Larousse も手元にあると便利です。イラストを多用した Le Robert Benjamin(ロベール家の末っ子)といった、「辞書を引く楽しさ」を学ぶ子供向け辞典や Le Robert junior / Larousse junior といった小学生向けで、イラストや写真、資料が豊富に収録された読みやすい辞書もあります。白水社 『ふらんす』 2023年4月号では特集内にて「仏仏辞典ヴァリエテ」を寄稿しました。選書に困ったときはお気軽にご相談下さい。

■最後に

フランス文学を原書で読むことが、私にとって長い間フランス語を学習する動機でもありました。カミュの作品を通して人生の不条理を知り、スタンダールの愛の表現に酔い、プレヴェールのテキストに自由に羽ばたく鳥を見出し、モディアノの記憶の追体験をする。フランス文学は、私の価値観や人生観を豊かにしました。フランス語を取得することはゴールではなく、新たなスタートです。仏検で身に着けたフランス語力を生かして、学習者の皆さんが多様な分野で活躍されることを願ってやみません。そして私は自分にできる事をコツコツと、フランス書籍を身近に感じるような書店を目指していきたいと思います。

■フランス語専門オンライン書店「Les chats pitres レシャピートル」

X(旧ツイッター)、Instagram、Facebook 等 SNS で新刊や書籍の情報を配信しています!

2023年度秋季試験の開催について

秋季試験ポスター

このページでは実用フランス語技能検定試験(仏検)2023年度秋季試験の開催に関する最新情報を随時更新してお伝えします。(8月16日初掲、9月16日更新)

 

試験日程と出願受付期間について

■ 試験日程: 1次試験  11月19日(日)  2次試験  2024年1月21日(日) ■ 出願受付開始: 9月1日(金) ■ 出願締切: [願書郵送] 10月18日(水) [インターネット] 10月25日(水)

※当ホームページの 請求フォーム からお申し込みいただいた方には受験要項・願書を無料でお届けします(10月13日まで)。 ※要項・願書に印刷された情報は今後変更される可能性があります。最新の情報を当ページにて随時ご確認ください。

新型コロナウイルス感染症対策について(9/16更新)

仏検開催にあたっての新型コロナウイルス感染防止対策は、9月16日現在では下記の内容を予定しておりますが、随時更新する可能性もございます。最新版のご案内を当ページに掲載いたします。受験される方は出願の前に必ず内容をご確認ください。

受験票裏面にはヘルスチェックシートが記載されています。試験当日の来場前に受験者ご自身でチェックを行い、チェック項目に1つでも該当する場合は来場をお控えください。なお、欠席の場合、次回への振替は承りかねます。

pdf 秋季2次試験 へルスチェックシート(12/13掲載)(pdfファイル)

パリ会場の開催中止について

新型コロナウイルスの影響と物品の輸送状況等に鑑み、誠に遺憾ながら 仏検パリ会場は2023年度春季・秋季ともに不開催といたします。2024年度からの開催再開を目指して調整を継続してまいりますので、どうかご理解を賜りますようお願い申し上げます。

仏検とフランス語書籍とおどけた猫たち

榎本 恵美(レシャピートル書店主)

仏検2級を受験したのは20代のころ、今から20年以上前の話だと記憶します。無事に合格し、あまり煌びやかではない私の履歴書に華々しく書き添えたことを覚えています。その後フランス語専門書店「欧明社」本店で働き始め、結婚、育児とライフステージが変化し、多忙な日々を送る中で2級以上を目指すことはありませんでした。2022年2月に欧明社が閉店、選書や輸入業務をしていた経験を生かし、フランス語専門オンライン書店「Les Chats Pitres – レシャピートル」で独立しました。ウクライナ戦争によるフライトの激減、燃料費高、歯止めない円安、順風満帆な出航ではなかったレシャピートルでしたが、一年が過ぎようやくこれからの展望が見え始めてきたところです。「実店舗を開店してほしい」という声が当初からあり、いずれ作家や翻訳者、読者が交流できるサロンのようなリアル店舗を持ちたいと思っています。

プロフィールはここまでにして、ここからは経験をベースとした、学習者に有益な参考書や選書のアドバイスをジャンルごとにお伝えしようと思います。

■試験対策参考書

「旅行に行く」「映画が好き」「料理を勉強したい」などフランス文化は多角的で、フランス語へのアプローチは人それぞれです。目的に合った参考書を使って学習するのが一番効率的ですが、学習手段を見つけるのはなかなか難しいものです。その場合、仏検やDELFといった試験対策の参考書がおすすめです。参考書は初級から上級レベルまで刊行されており、設問を解きながら、レベルに応じた文法事項、語彙、表現などが習得できます。仏検の参考書は全国各地の大型書店の棚に並んでいて、なかでも前年度の過去問題を詳細な解説付きで掲載したAPEFの『仏検公式ガイドブック』(駿河台出版社刊)は毎年4月に刊行されます。新しい年度の幕開けを感じてやる気が湧いてくるものです。日本では圧倒的に仏検受験者数が多いのですが、世界基準であるDELFも近年受験者が増えているようです。DELFのB2を保持していれば、フランスの大学入学免除にもなります。当店は洋書をメインに取り扱っていますが、仏検参考書も販売しています。ディクテや文書作成など苦手科目克服のための教材やアプリ版教材なども取り揃えています。

■リーダー/多読教材

書く・聞く・読む・話すをまんべんなく学習できる「試験対策参 考書」と並行して、学びの手段として、内容のある何かを「読む」ことにも挑戦してほしいと書店員として願っています。フランス語で書かれた文学作品を読むことは、初学者には少しハードルが高いと思われますが、レベルに応じた文法や語彙でリライトされた文学作品をラインナップした「グレーデッド・リーダー」があります。FLE (Français Langue Etrangère – 外国語としてのフランス語教育)大手出版社CLEやDidier、Hachette FLEでは、ユゴーの Les Misérables、モーパッサンの短編集、Arsène Lupinシリーズなど、古典をはじめジャンルに富んだストーリーが実に多くあり、楽しく読めるような工夫がされていて多読におすすめです。グレーデッド・リーダーとはいえ、原書を読了した時の達成感は大きいものです。作品が気に入ったら、オリジナルに挑戦するのもいいと思います。フランス文学を読むことで選書の幅が広がり、多様な価値観、独特のユーモアセンスを培い、それはやがて人生を豊かにしてくれる土壌となります。

■フランス絵本

多読とは、自分のレベルより易しい本を、辞書を使わずたくさん読んで、語彙や表現を身に着けていく学習方法です。一番取り組みやすいのは、ページに2~3行程度の絵本で、わからない単語や慣用句も絵から想像し、シチュエーションとともに身に着けていく。絵本の読み聞かせを毎日欠かさずすることが、語彙力や文章力を身に着けるのにとても効率的だということを、私自身、自分の子育てを通じて実感しました。子どもの歯が抜けた時、枕の下に抜けた歯を置くと、寝ている間にネズミがきてコインに換えてくれる、というフランスの言い伝えをモチーフとした絵本を、子どもたちに読み聞かせをしたことがあります。それから子供たちは歯が抜けると、今度はどんなコインかな?と楽しみに待つようになりました。語彙力や文章力だけでなく、フランスの豊かな文化知識を得るのにも絵本は最適です。 フランス語の絵本を毎月セレクトして、購読者にお届けする「フランス絵本定期便」というサブスク的な選書サービスを始めました。夏はヴァカンス、冬はノエルやガレットなどフランスの文化を意識した選書を心がけています。このサービスは欧明社の時から始めて7年目になりますが、フランス絵本には独特のユーモアセンス、色彩豊かな絵で日本の絵本とは違う楽しみ方があります。小さいときからのフランス絵本の読み聞かせを通して、豊かな文化に触れることはとても大切な経験です。毎日15分程度で読める絵本はとても魅力的なアイテムなのです。

■仏仏辞典

フランス語の原書を読むようになると、仏和辞典では物足りなくなるはず。そこでおすすめしたいのが、仏仏辞典です。フランスではLe Robert社とLarousse社といった大手辞書版元がありますが、語源解説、例文、文法事項など情報が多い Le Robert micro を一般的におすすめしています。廉価なポッシュ版と二色刷りで見やすいハードカバーがあり、私は年齢的に小さな文字が見えにくいので、ハードカバーを日常愛用しています。フランスの広辞苑的存在 Le Petit Robert や、百科事典的仏仏辞典 Le petit Larousse も手元にあると便利です。イラストを多用した Le Robert Benjamin(ロベール家の末っ子)といった、「辞書を引く楽しさ」を学ぶ子供向け辞典や Le Robert junior / Larousse junior といった小学生向けで、イラストや写真、資料が豊富に収録された読みやすい辞書もあります。白水社 『ふらんす』 2023年4月号では特集内にて「仏仏辞典ヴァリエテ」を寄稿しました。選書に困ったときはお気軽にご相談下さい。

■最後に

フランス文学を原書で読むことが、私にとって長い間フランス語を学習する動機でもありました。カミュの作品を通して人生の不条理を知り、スタンダールの愛の表現に酔い、プレヴェールのテキストに自由に羽ばたく鳥を見出し、モディアノの記憶の追体験をする。フランス文学は、私の価値観や人生観を豊かにしました。フランス語を取得することはゴールではなく、新たなスタートです。仏検で身に着けたフランス語力を生かして、学習者の皆さんが多様な分野で活躍されることを願ってやみません。そして私は自分にできる事をコツコツと、フランス書籍を身近に感じるような書店を目指していきたいと思います。

■フランス語専門オンライン書店「Les chats pitres レシャピートル」

X(旧ツイッター)、Instagram、Facebook 等 SNS で新刊や書籍の情報を配信しています! https://les-chats-pitres.com  

共立女子大学文芸学部のフランス語教育

岡見 さえ(共立女子大学)

“共立・仏文”について

偶然にも、共立女子大学文芸学部創設70周年の年に寄稿の機会をいただき、心から嬉しく思っています。共立女子大学は1886年に創立され、現在は家政、文芸、国際、看護、ビジネス、建築・デザインの6学部の学生が神田一ツ橋キャンパスで学んでいます。

私は、文芸学部文芸学科言語文学領域フランス語・フランス文学専修に所属しています。私たちの文芸学部の特徴は、一学部が複数の専修を擁していることです。1953年に日本初の文芸学部として誕生した際、女性が進出しやすい分野だった出版、放送、図書館、演劇、美術、教育に関する幅広い授業が選択可能になるよう、敢えて大きな枠組が設定されました。この伝統は続き、現在も学生は1年次に幅広く学び、2年次から「言語・文化領域(日本語・日本文学専修、英語・英語圏文学専修、フランス語・フランス文学専修を含む)」「芸術領域(劇芸術専修、美術専修を含む)」「メディア領域(メディア専修を含む)」「文化領域(文化専修を含む)」のいずれかの領域に進み、3年次に専修に進みます。段階的に学びを専門化するカリキュラムですが、領域、専修に進んだ後も、広く学部の授業を履修することが可能です。仏文専修で図書館司書資格、学芸員資格、中高英語教員免許を取得する学生も毎年います。

文芸学部のフランス語教育

文芸学部は英語、フランス語、中国語、ドイツ語から2言語を必修としています。フランス語選択者は、1年次は教科書『エスカパード!』を使用した週2回の授業で、文法とコミュニケーションを学びます。この授業は全学の教養教育科目で、他学部の学生も一緒です。2年次は文芸学部専門基礎科目のフランス語クラスが複数開講され、1年次の学習を深め、応用力を養います。この中級クラスでは会話や講読のテーマに担当教員の専門が活かされ、多彩です。さらに「フランス語学演習」、「フランス語コミュニケーション演習」等の領域・専修の専門科目を履修し、フランス語力を総合的に伸ばしていきます。希望者は、国際学部開講のフランス語の授業を履修単位とすることも可能です。また毎年夏にはアンジェ西部カトリック大学での約30日間の研修が実施され、修了者は単位認定されます。教養教育科目と文芸学部専門科目のフランス語の授業は、仏検の級ごとに単位認定されます。

フランス語・フランス文学専修の取り組み

フランス語・フランス文学専修にやってくるのは、ほぼ全員が大学入学後にフランス語の学習を始め、フランス語圏の文化を発見した学生たちです。フランスの歴史や文学に発想した舞台(ミュージカルや宝塚)、映画、漫画や、ファッション、ダンス(バレエ)、世界遺産、ガストロノミーといった潜在的な文化への興味を、いかにして専門研究へ結び付けていくかが悩ましいところですが、田口亜紀先生のイニシアチブの下、専修では授業外でもフランス語圏の文化を体験できるイベントを企画しています。まず、専門家を招いての講演会。2022年には諏訪敦彦監督がご自身とフランス映画界の結びつきを熱く語り、学生たちを大いに刺激して下さいました。7月のミニ・フェット「パリ祭」、10月の留学生歓迎会も、交流を通してささやかながら文化を体験し、理解を深めることを目指しています。大学には提携校のパリのイナルコ大学とスイスのジュネーブ大学の交換留学生、西アフリカのベナンから特別留学生がやってきます。日本語を学び、日本文化に興味を持つ彼女たちとの交流から、学生たちはフランコフォニーの豊かさと多様性を実感するようです。

大学の枠を越え、フランス語で世界を広げる機会も活用しています。例えば「フランコフォニーを発見しよう!」には2020年からプレゼンテーション部門に参加しています。2020年はフランコフォンの集うカフェバーのオーナー、21年はセネガル出身のプロバスケットボール選手、22年はKバレエ カンパニーのダンサーという取材対象の顔ぶれから、共立仏文の学生たちの興味のありかが伝わるでしょうか。フランス語で日本に暮らすフランコフォンにインタビューし、発表にまとめ、会場で発表するプロセスは学生たちを大いに鍛えてくれます。語学力の向上に加え、自分たちで広報担当者に交渉し、インタビューを実現する教員も驚く行動力も学生たちは発揮します。近年、全学で力を入れているリーダーシップ教育の成果を感じる機会でもあります。

*仏検の活用

仏検は授業におけるフランス語学習の指針であるばかりでなく、こうした異文化コミュニケーションの実践の基盤となり、学生たちの自信の根拠となっています。文芸学部では1年次のフランス語の授業から仏検受験を奨励し、学生は検定受験料補助金を受けられます。仏文専修の学生は専修の補助金も受けることが可能です。受験料補助に加え、専修では級別の仏検対策講座、ネイティヴ教員による2次試験対策講座を実施しています。仏文専修の学生はほとんどが1年次から受験を続け、4年の春に2級に合格する者も複数います。努力型の学生が多いため、継続学習が合格に結実する達成感を楽しんでいるようです。

仏文を卒業する学生の進路はさまざまですが、フランス語やフランス語圏文化との関わりを持ち続ける者が一定数います。修士課程への進学、フランスの高級食材を扱う商社やラグジュアリーブランド、旅行関係の仕事、留学経験と学芸員資格を活かし複合文化施設に勤める者など、卒業後もフランス語を使う機会があることを喜々として報告してくれます。教える仕事に就いた卒業生は、大きな声が出るよう習い始めた声楽の先生がフランス歌曲の専門家だった偶然を楽しそうに話してくれました。卒業後もさまざまな形でフランス語の学びは続いているようです。

1963年に仏文コースとして誕生した専修は、今年60周年を迎えます。仕事であれプライベートであれフランス語の学びが人生を豊かにすることを信じ、私もバトンを繋いでいきたいと思っています。そして仏検は客観的な指標を提供し、大学を離れた後もフランス語学習を続ける意欲を応援してくれる心強い味方なのです。

秋学期受講生 追加募集のお知らせ

2023年度 秋学期追加募集について

wordフォーム 申込書(word)   pdf 申込書(pdf)

お問い合わせ

公益財団法人 フランス語教育振興協会 APEF青山フランス語プロフェショナルコース担当 〒102-0073東京都千代田区九段北1-8-1 九段101ビル6F TEL(直通):03-6268-9680 FAX:03-3239-3157 E-mail: cours@apefdapf.org
 

通訳者養成コース<準備科>2023年秋学期

 

■ レベルのめやすは仏検準1級 / DELF B2

動画を使った通訳練習 (仏→日) や、短文の翻訳練習 (日→仏) を取り入れながら、関連する文法演習と派生する語彙の整理、聞き取り練習とフランス語らしい的確な表現力を養成し、通訳に必要な基礎を強化します。

■ 授業はすべてオンライン

ZOOMを使用したオンライン授業です。授業日の1週間前に、担当講師より教材を配信しますので、各自準備をしてください。動画や翻訳など、講師により毎回様々なタイプの教材に取り組みます。詳しい授業案内はこちらをクリック

■ 通訳基礎科へ進級

春学期15回、秋学期15回の合計30回の授業です。 (春学期のみ、秋学期のみの受講もできます。) 各学期末には期末テストを実施。講師の推薦を受けた成績優秀者は、次学期より通訳基礎科へ進級することができます。
講師紹介とおススメの学習法  
受講生の声 過去の通訳準備科受講生から寄せられた、受講のきっかけや期末テスト対策、基礎科へ進級した感想など、さまざまな体験談を掲載しています。詳しくはこちらをクリック
 
入学テスト免除 2008年秋季以降の仏検1級、準1級 ( および対応するDELF・DALF ) 取得者で「通訳 ( 準備科 )」「 翻訳 ( 基礎科・本科 )」を希望される方は入学テスト免除になります。詳しくはこちら

講座概要

・対象レベル:仏検2級・準1級/DELF B1・B2 ・定員:15名 ・授業料:115,500円(税込み)

2023年秋学期 開講日程 【開講日程】毎週土曜日 全15回 (1) 9月16日    (2) 9月30日  (3) 10月7日 (4) 10月14日 (5) 10月21日 (6) 10月28日  (7) 11月11日  (8) 11月18日  (9) 11月25日  (10) 12月2日 (11) 12月9日  (12) 12月16日  (13) 12月23日  (14) 1月6日 (15) 1月20日 【開講時間】10:00~12:00(2時間) 【授業形式】オンライン(ZOOM) 【申 込 受 付 期 間】2023年8月1日(火)~ 9月1日(金) 【授業料 納入期限】2023年9月6日(水) ● 申込方法:下記申込書に必要事項をご記入のうえ、メール添付でお送りください。

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お問い合わせ

公益財団法人 フランス語教育振興協会 APEF青山フランス語プロフェショナルコ ース担当  〒102-0073東京都千代田区九段北1-8-1 九段101ビル6F TEL(直通):03-6268-9680 FAX:03-3239-3157 E-mail: cours@apefdapf.org
 
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2023年度 夏季休業期間についてのお知らせ

公益財団法人フランス語教育振興協会は、8月8日(火)より15日(火)までを夏季休業期間とさせていただきます。8月7日(月)17時以降、休業期間中にお寄せいただいた各業務についてのご依頼・お問い合わせは8月16日(水)以降のご対応となりますことを予めご了承ください。

ご不便・ご迷惑をおかけいたしますが、何卒ご理解を賜りますようお願い申し上げます。

日仏逐次通訳短期講座2023

開講コース案内(2023年度)

フランス語アウトプットを磨くための日仏逐次通訳講座

フランス語を母語に持つ講師による、フランス語アウトプットを磨くための逐次通訳講座です。
聞き手にわかりやすい自然な訳出をめざして、日→仏の逐次通訳練習を集中的に行います。
◇ このコースはオンライン(Zoom)で開講します。


講座概要


・対象レベル:仏検準1級以上/DELF B2 以上
・定員:12名(最低開講人数 8名)
・受講料:20,000円(税込み) ※入学金不要

【開講日程】2023年8月20日(日), 8月27日(日), 9月3日(日), 9月10日(日)
      ※全4回
【開講時間】10:00~12:00(2時間)
【会場】オンライン(ZOOM)

● 申込方法:下記申込書に必要事項をご記入のうえ、メール添付でお送りください。
      APEF受講生の場合、申込書は不要です。

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お問い合わせ

公益財団法人 フランス語教育振興協会
APEF青山フランス語プロフェショナルコ ース担当 
〒102-0073東京都千代田区九段北1-8-1 九段101ビル6F
TEL(直通):03-6268-9680 FAX:03-3239-3157
E-mail: cours@apefdapf.org

2次試験当日の緊急連絡先について

7月16日の仏検2次試験当日の緊急連絡先を下記のとおり開設いたします。


【2次試験当日のお問い合わせ】仏検受付センター

TEL:03-5778-4073 
受付時間:7月16日(日)9:00~16:00


・受験票が未着または紛失された方はこちらのヘルスチェックシートを当日の来場前にご確認ください。
試験を欠席される場合、事前連絡は不要です。なお、欠席された方への結果通知の発行は行いません。
 2次試験を欠席された方に対する来季の1次試験免除については、こちらをご覧ください。

・新型コロナウイルス感染等による欠席予定者・欠席者への対応や、試験開催にかんする最新の情報は「2023年度春季試験の開催について」のページでご案内しています。

2023年秋学期 受講者募集のお知らせ

2023年度春学期からの継続受講に加えて、全コースで新規受講者を若干名募集します。 受講資格 をご確認のうえ、以下の要領でお手続きください。

秋学期  受講申込方法

【受講申込期間】2023年8月1日(火)~9月1日(金) まで

※締切後の申込も場合によって受け付けますのでご相談ください。

● 継続受講の方

上記期間内に 受講登録 を終えてください。

● 新規受講希望の方

申込書(word)をダウンロードし、必定事項をご記入のうえ、cours@apefdapf.orgまでメール添付でお送りください。折り返し受講対象クラス、入学テスト受験の要不要などをお知らせします。

wordフォーム 申込書(word)   pdf 申込書(pdf)

入学テストは下記の要領で実施します。

2023年度秋学期 入学テスト 実施要領 ●日 時: 2023年9月2日(土) 11:00 開始   16:00 終了予定 <筆記試験> 11:00~12:00 <面接> 14:00より順次 ●会 場:オンライン ●受験料:3,300円(税込み) ※銀行振込(下記参照)による事前支払い ※いったん納入された受験料は一切ご返金いたしかねます ● 出願期間: 2023年8月1日(火)~9月1日(金)まで

<入学テスト受験料 振込先 >   みずほ銀行  九段支店(店番号532) (普)1805436 (口座名義)公益財団法人 フランス語教育振興協会 教育口
 
  • ※入学テストの免除について 2008年秋季以降の仏検1級、準1級(および対応するDELF・DALF)取得者で、「通訳(準備科)」、「翻訳(基礎科・本科)」を希望される方は入学テスト免除になります。免除を希望される場合は、申込書をお送りいただく際に当該レベルの合格証書またはディプロムの写しを併せて提出してください。
  • 「通訳基礎科・本科」を希望する方への入学テスト免除はありません。

入学テストの結果はテスト実施後3日以内にメールでご連絡いたします。

入学テスト合格者およびテスト免除で受講決定の知らせを受けた方は 受講登録 にお進みください。

お問い合わせ

公益財団法人 フランス語教育振興協会 APEF青山フランス語プロフェショナルコース担当 〒102-0073東京都千代田区九段北1-8-1 九段101ビル6F TEL(直通):03-6268-9680 FAX:03-3239-3157 E-mail: cours@apefdapf.org
 

1次試験当日の緊急連絡先について

6月18日の仏検1次試験当日の緊急連絡先を下記のとおり開設いたします。


【1次試験当日のお問い合わせ】仏検受付センター

TEL:03-5778-4073 
受付時間:6月18日(日)9:00~16:00


・受験票が未着または紛失された方はヘルスチェックシートをこちらからご確認ください。試験当日の来場前に受験者ご自身でチェックを行い、チェック項目に1つでも該当する場合は来場をお控えください。なお、欠席の場合、次回への振替は承りかねます。
試験を欠席される場合、事前連絡は不要です。なお、欠席された方への結果通知の発行は行いません。
今季も試験終了後の正解例の配付は行いません。正解例は試験当日6月18日(日)の20:00過ぎに当ホームページにて公開予定です。

2023年度春季試験の開催について

春季試験ポスター

このページでは実用フランス語技能検定試験(仏検)2023年度春季試験の開催に関する最新情報を随時更新してお伝えします。(2月20日初掲、6月28日更新)




試験日程と出願受付期間について

■ 試験日程: 1次試験  6月18日(日) 2次試験  7月16日(日)
■ 出願受付開始: 4月1日(土)
■ 出願締切: [願書郵送] 5月17日(水) [インターネット] 5月24日(水)

※当ホームページの 請求フォーム からお申し込みいただいた方には受験要項・願書を無料でお届けします(5月12日まで →今季の発送は終了しました )。
※要項・願書に印刷された情報は今後変更される可能性があります。最新の情報を当ページにて随時ご確認ください。

新型コロナウイルス感染症対策について(6/28更新)

仏検開催にあたっての新型コロナウイルス感染防止対策は、6月28日現在では下記の内容を予定しておりますが、随時更新する可能性もございます。最新版のご案内を当ページに掲載いたします。受験される方は出願の前に必ず内容をご確認ください。

受験票裏面にはヘルスチェックシートが記載されています。試験当日の来場前に受験者ご自身でチェックを行い、チェック項目に1つでも該当する場合は来場をお控えください。なお、欠席の場合、次回への振替は承りかねます。

pdf 春季2次試験 へルスチェックシート(6/28掲載)(pdfファイル)

2次面接試験のオンラインでの実施について(4/10初掲)

仏検実行委員会では、2023年度春季試験の開催にあたって、以下に該当する方を対象に、Zoomによるオンラインでの面接試験(1級・2級・準2級)を提供することを検討しています。実施の可否は個別に検討のうえお知らせしますので、ご希望の方は 出願の前に 仏検事務局までメールでご相談ください。なお、 ご相談の受付期限は4月20日(木)から5月18日(木)までの1ヶ月間 とし、それ以降はご対応いたしかねます。

【オンライン面接試験 受験資格】
2次試験実施日に日本国外に居住または滞在する(かつそのことを書面で証明できる)1次試験免除の有資格者もしくは1次試験合格後の2次試験オンライン受験希望者で、以下の条件のすべてを満たす方。

・仏検事務局が指定するオンライン2次試験実施日時(事前に告知した本試験日から変更される場合があります)に、身分証の提示による受験者の本人確認ができること
・適正な環境でオンライン面接試験が受けられるカメラ・マイクを備えたパソコン・タブレット等の機器(スマートフォンを除く)と、安定した通信環境を準備できること

パリ会場の開催中止について

新型コロナウイルスの影響と物品の輸送状況等に鑑み、誠に遺憾ながら 仏検パリ会場は2023年度春季・秋季ともに不開催といたします 。2024年度からの開催再開を目指して調整を継続してまいりますので、どうかご理解を賜りますようお願い申し上げます。

行くぞ、パリ・オリンピック2024!

2022年秋季5級合格・文部科学大臣賞 / 2022年度秋季4級合格
榎本 裕二
無職・東京都

映画好きだった自分は、若い頃たくさんの映画を観ていました。特にヌーベルバーグやフィルムノワールといったフランス映画に魅了され、スクリーンを通してみるパリの街角と囁くようなフランス語の響に憧れを感じて、大学ではフランス語を第二外国語として選んだのですが、発音と文法の難しさの前にあえなく屈し、以後フランス語は近寄りがたい言語となってしまいました。

旅行会社に就職し仕事でフランス(主にパリ)に行く機会もありましたが、覚えたフランス語は、Bonjour, S’il vous plaît, Un demi(ビールを頼むときの必須の言葉でした)、そして L’ addition くらいでした。C’ est combien ? も覚えましたが、返ってくる答えが全く聞き取れないので使うのをやめて数字も un, deux, trois 止まりです。

一昨年のコロナ禍に定年を迎え外出する機会が減った中 TOKYO オリンピックの閉会式をテレビで観ていると次回パリの引き継ぎイベント映像が飛び込んできました。さすがフランスと思わせる華やかさで独創的で粋な演出でした。そういえばオリンピックの第一公用語はフランス語だったな、フランス語って世界中で使われて Francophone(最近覚えました)もたくさんいる重要な言語だなということを改めて気づかされ、ポストコロナで大いに盛り上がるであろうパリにぜひ行ってみたいという気持ちが湧いてきました!

ちょうどパリオリンピックのボランティアがこれから募集されることを知り、応募してみることにしました。そこで、再びフランス語を学びなおし、日常の会話と読み書きができる程度(仏検3級)にはなるぞと決心しました。

まず、NHKラジオ講座を毎日聞くことから始め、十数年前に購入した参考書や問題集、練習帳に取り組みました。やはり初歩から覚えることもたくさんあったので、記憶力の落ちた(以前からよくない)今は忘れることは当たり前と思い、とにかく身体で覚えるため継続と回数が大事と信じ、1日1時間くらいずつ順番にこなしていきました。そして、仏検公式ガイドブックとセレクションを試験前2ヶ月の間に3回程度繰り返して学習しました。文法の他にも単語も重要と思い音声付きのクラウンフランス語単語(4級・5級)を1ヶ月で1冊ディクテしました。短期集中型の自分は、試験前の1ヶ月間は毎日最低2~3時間はフランス語に取り組んでいたと思います。

しかし、試験が終わり5級と4級も同時に合格することができてホッとしたのか勉強のペースが鈍ってしまいました。でも、次の3級の試験まですでにあと2ヶ月。自信がないので秋季にしようかなとも少し頭をよぎりましたが、ここで立ち止まらず前進あるのみです。今では多様な文法のルールを覚えることも楽しくなってきましたし、pomme de terre のような洒落た表現の多いフランス語がますます好きになりました。全集中して3級取得を目指します!そして来年の夏はパリに行ってフランス語で話すぞー!





「合格者の声」を更新しました

「合格者の声」を更新しました。 行くぞ、パリ・オリンピック2024!(2023年5月9日掲載) 2022年度秋季5級合格 文部科学大臣賞、2022年度秋季4級合格 榎本 裕二 矢上キャンパスという「フランコフォニー」(2023年4月25日掲載) 2022年度春季1級合格 草壁 慧 フランス語に毎日触れようという意識で(2023年4月18日掲載) 2022年度春季3級合格 文部科学大臣賞、2022年度秋季準2級合格 清水 研介 ハーフだからと言って生まれつきバイリンガルとは限らない!(2023年4月4日掲載) 2022年春季1級合格 在日ベルギー大使館/WBI賞 林 マナテア 絵はがきのパリにあこがれて(2023年3月28日掲載) 2022年秋季準2級合格 在日フランス大使館賞 岸本 明子 1歳児と一緒に1級合格!~自分の夢を叶えるフランス語から、誰かのためのフランス語へ~(2023年3月14日掲載) 2022年春季1級合格 在日フランス大使館賞 つの ゆいこ

仏検インターネット申込 決済システムの一時停止について

仏検インターネット申込は、システムメンテナンスのため、クレジットカードおよびコンビニ決済での検定料納入のお取り扱いを下記の期間停止いたします。なお、作業の進捗状況により、終了時間は前後する可能性がございます。


仏検インターネット申込 決済システム 一部停止期間

2023年5月12日(金) 午前2:00~5:00
対象決済方法:一部のクレジットカード決済
内容:「三井住友カード」の一部をお使いの際にエラーが発生する可能性がございます。

2023年 5月16日(火) 1:00 – 6:00
対象決済方法:すべてのクレジットカード決済
内容:クレジット決済を選択された際にエラーが発生する可能性がございます。

2023年5月17日(水) 午前2:00~2:30
対象決済方法:一部のクレジットカード決済
内容:「ユーシーカード」の一部をお使いの際にエラーが発生する可能性がございます。

2023年5月19日(金) 午前2:00~5:00
対象決済方法:一部のクレジットカード決済
内容:「三井住友カード」の一部をお使いの際にエラーが発生する可能性がございます。

2023年 5月22日(月) 2:30 – 8:30
対象決済方法:すべてのクレジットカード決済
内容:クレジット決済を選択された際にエラーが発生する可能性がございます。

2023年 5月23日(火) 1:00 – 6:00
対象決済方法:すべてのクレジットカード決済
内容:クレジット決済を選択された際にエラーが発生する可能性がございます。

ご不便をおかけいたしますが、何卒ご了承のほど、お願い申し上げます。

公益財団法人 フランス語教育振興協会
仏検事務局

 

矢上キャンパスという「フランコフォニー」

2022年春季1級合格
草壁 慧
慶應義塾大学理工学部機械工学科4年 安藤研究室・千葉県

仏検の合格体験記を掲載していただけるという貴重な機会をいただき、ちょうど大学を卒業するというタイミングですので、私の大学生活4年間を振り返ることで、私のフランス語との出会いやフランス語の勉強法、フランス語での思い出について、書きたいと思います。

私がフランス語に初めてふれたのは、慶應義塾大学理工学部に入学してからでした。当時は、「ボンジュール(スペルも知らず…)」くらいしか知らない状態でしたが、フランス語を選んだ理由は、アクサンのついた文字(éやâなど)がとてもきれいだと思ったことと、フランス語は多くの国際機関で公用語となっており、今後使う機会があるかもしれないと感じたからでした。授業が始まり、スペルだけでなく、発音にも魅了され、フランス語が好きになっていきました。1年生の秋に、初めて仏検3級を受け、いずれは仏検1級を取得できればいいな、とぼんやり思ったことを覚えています。

フランス語の勉強に関しては、理工学部のフランス語の授業をベースに行っていました。1年次では必修の授業があり、主に文法を一通り学習することができました。2年次からは必修ではなくなりましたが、フランス語を本格的に習得することができるインテンシブコースがあり、それを履修しました。インテンシブコースでは、文法を復習した上で、ほとんどの授業時間は「とにかく話す」ことに重点を置いており、授業内でフランス語圏出身の留学生のティーチング・アシスタント (TA) と会話することで、「生きたフランス語」に常に接することができ、フランス語を即座に口から出す練習ができました。授業内で仏検の準備をすることもあり、文法や語彙のおさらいを効率的に行えました。私が2年生のときは、ちょうどパンデミックが始まった頃であり、授業が全てオンラインとなり、外国語習得へのモチベーションが薄れてしまう状況でしたが、オンラインながらも留学生と会話できたことや仏検取得といったことが大きなモチベーションとなり、続けることができました。授業外でも、ニュースを読んだり、聴いたりし、意味を知らなかった単語はノートに例文とともに書いて覚えていました。他にも使い方が美しかったり、単語の使い方や論理の通し方がネイティブらしく、まだ自分には書けそうにないような表現を用いていたりする文章はノートに写して時々見返していました。3年次からは、キャンパスが日吉から矢上へと移りますが、変わらずフランス語の授業は、様々なものがあり、私はディスカッションや留学生 TA との会話がベースとなっている授業を履修しました。この頃ぐらいから、ようやく France 2 の 20h が少しずつ聞き取れるようになり、ますますフランス語の学習が楽しくなってきたのを覚えています。4年生となり、ドイツへの留学を目指すようになり、卒業研究やドイツ語の勉強の傍、フランス語の勉強を続け、なんとか春季に仏検1級に合格することができました。準1級との単語の難易度の差に当時圧倒されてしまいましたが、ニュースを読んだり、聴いたりしてメモする、単語帳を自分で作る、などの以前からの勉強法を継続させることで、名詞化や時事の単語、動詞活用などは対策することができました。また、リスニングやスピーキングに関しては、大学院にフランス語圏出身の留学生と共にフランス語でディスカッションを行う授業があり、これに参加していました。とても高難度な授業で、フランス語が話されるスピードが速く、ついていくのに必死でしたが、これを続けたことでリスニングやスピーキングは相当鍛えられました。もちろん、日常的な留学生とのフランス語での会話によっても、これらは鍛えることができました。

 






















フランス語を大学に在籍している間継続したことで、フランス語で様々な思い出を作ることができました。ここでは、2つほど紹介させていただきたいと思います。まず挙げられるのが、留学生との交流です。授業中に TA として来てくれていた留学生やキャンパスで知り合った留学生と友達になり、ご飯に行ったり、旅行に行ったりしました。3年生の夏休みと4年生の夏休みに、日光に旅行に行ったのですが、3年生のときにはフランス語で名所などの説明ができず、多くの時間を英語で話してしまったものの、4年生になって再度行った時には、全てフランス語で会話、説明ができるようになっており、成長を実感したのを覚えています。その他にも、フランス語圏の留学生と日本語が母語の学生が互いの言語を学び合えるような団体を設立することで、様々な活動を通して、楽しくフランス語を習得できたと同時に、フランス語がさらに身近なものとなりました。 そして、2つ目に、私の研究分野である、気泡力学や流体力学ともフランス語は大きく関わっています。私の所属している研究室には、昨年までフランス出身の留学生がいたため、研究室というとても身近な環境でフランス語を常に使うことができました。また、卒業論文の研究では、ゼラチンゲル内の気泡の力学に関する研究を行いました。この研究のベースには、流体力学や連続体力学、熱力学といった知識が必要ですが、例えば、研究に欠かせない流体力学では、Navier-Stokes 方程式の Navier や、Rankine-Hugoniot の式の Hugoniot、Laplace 圧や Laplace 方程式の Laplace、連続体力学の分野では、Lamé 定数の Lamé、熱力学では、Carnot サイクルの Carnot など、ざっと挙げるだけでもたくさんのフランス語圏出身の研究者が出てきます。教科書や論文に研究者の名前が出るたびに、何語圏由来の名前かを当てるゲームを楽しんでいました。また、過去の文献まで遡ると、フランス語で書かれた教科書が出てきて、これを読めたときには、フランス語をやっていてよかったと思いました。さらには、少し前の論文を読んでいたりすると、アブストラクトが英語だけでなく、フランス語とドイツ語で書かれていたり、研究の対象が気泡であることから、Champagne の気泡を対象とした研究に遭遇したりと、研究している時の方がフランス語を身近に感じることができました。

この4年間を振り返ると、フランス語がとても日常的に存在していており、フランス語を勉強するには非常に恵まれた環境であったと実感しています。フランス語圏に行こうにも行けなかった時期が続きましたが、矢上キャンパスに行けば、研究室でフランス語を話し、コンビニに買い物に行こうと研究室から出ると、歩いているだけで、フランス語が日常的に聞こえてくるという、まさにキャンパスが「フランコフォニー」であると言っても過言ではないような環境でした。今秋からは、留学を予定しており、語学の勉強を継続しつつ、専門分野の勉強や研究に一層励みたいと思います。そして、キャンパスで出会った友人たちとフランスで再会することも楽しみです!

最後に、フランス語の勉強に付き合ってくれたフランス語圏出身の友人、フランス語学習にモチベーションを与えてくださった仏検、フランス語を教えてくださった先生方に、大変感謝しております。特に、小林拓也先生には、フランス語を教えていただいただけでなく、留学経験のない私に、グローバルな教養も様々な観点からご教授いただきました。この場を借りて、お礼を申し上げます。

 




「仏検だより」を更新しました

「仏検だより」を更新しました。 2022年度 文部科学大臣賞団体賞 受賞のことば 慶應義塾大学理工学部 京都外国語大学外国語学部フランス語学科 暁星中学高等学校 日仏高等学校ネットワーク(COLIBRI)の試練と挑戦 中野 茂(早稲田大学高等学院) 降って湧いたパリ派遣という贈り物 井形 美代子(東京造形大学 / 都立高校 / 成蹊高校)

2022年度 文部科学大臣賞団体賞 受賞のことば

文部科学大臣賞団体賞は2013年度に創設され、当年度における出願者数とその増加率および試験結果等を勘案し、年度を通じたフランス語教育への取り組みを総合的に判断した上で、特に優秀と認められた団体に授与されます。2022年度は、慶應義塾大学理工学部、京都外国語大学外国語学部フランス語学科、暁星中学高等学校が選出され、APEF役員が各校にお伺いし表彰の場をもちました。表彰団体の先生方からお寄せいただいた受賞のことばをご紹介します。

慶應義塾大学理工学部 小林拓也先生

(写真左より)大久保清朗先生・合田陽祐先生・個人受賞された山形大学のおふたり・西澤理事長

このたびは文部科学大臣賞団体賞を頂き、関係者一同、大変名誉なことと喜んでおります。頑張ってくれた学生の皆さん、とりわけ機械工学科4年で、ABCから始め留学経験なしで見事1級に合格した草壁慧さん、ブラボー!そして指導にご尽力頂いた以下の先生方、本当にありがとうございました:岡見さえ、小森謙一郎、 斉藤裕美、佐藤ローラ、 Sintive Pierre、Cheddadi Aqil、関幸太郎、中島万紀子、Noel Patricia、Barcat Corentin、本間幸代、三浦直希、Lavignasse Christophe、Lesauvage Stéphane(敬称略)。本学部でのフランス語教育については、2017年の「APEF通信」・「仏検だより」に書かせて頂きました。ぜひお読みください。Encore mille mercis à tout le monde !
写真(前列左より)高桑和巳先生・Centrale Nantes国際交流委員長 Vincent Frémont先生・理工学部長 村上俊之先生・西澤文昭APEF理事長・井上京子先生・荒金直人先生・小野文先生(中列右)小林拓也先生(中列、後列)理工学部の先生方とTA、学生の皆さん・APEF職員

京都外国語大学外国語学部フランス語学科 中山智子先生

(写真左より)北原ルミ先生・西澤理事長

この度は、文部科学大臣賞団体賞を賜りましたことに、京都外国語大学外国語学部フランス語学科教員一同厚く御礼申し上げます。団体受験を本学でスタートした時からの、今はご退職された先生方のご尽力のおかげであり、感謝の念に耐えません。仏検は京都外国語大学での学びにとって非常に重要であり、本学では、非常勤の先生方にもご協力いただいている級別の「資格フランス語」授業、検定の単位認定や、本学後援会による検定料補助を通して、学生の受験を奨励しています。本学主催の全日本学生フランス語プレゼンテーション大会(前・弁論大会)に長年ご協賛いただいているAPEF様から今回の栄誉を賜ったことがなおさら嬉しく、またコロナ禍を一緒に乗り越えた学生たちの門出の日に表彰式を行なっていただき、ご足労いただきました北村副理事長、深川事務局長に心より感謝申し上げます。
写真(前列左2番目より)Laura Ariès 先生・中山智子先生・舟杉真一学部長・北村卓APEF副理事長・森田美里先生・石丸久美子先生・学生の皆さん・APEF職員

暁星中学高等学校 フランス語科 小暮豊先生

((写真左より)外国語課主任教諭 片岡孝治先生・西澤理事長

本校にこの賞が授与されると知り、驚きとともに大きな喜びを感じております。1888年の創立以来、本校はフランス語学習を伝統としてきました。しかし、この伝統も生徒の学びにより一年一年刻まれてきた年輪の連なりに他なりません。本校では、普段のフランス語学習の振り返りや励みとして、さらにはいまだ不透明な自身の進路において、生徒たちが挑むべき挑戦と成長の歩みとしても受検を奨めています。今回、新型コロナ感染症による大きな試練を乗り越えて、「仏検」がすべてのフランス語学習者の人生の目標や挑戦、励みとして末永く存続することを祈念するとともに、本校生徒による受検がその一助となればこのうえない喜びです。
写真(後列左より)川﨑連先生・前原克彦先生・小暮豊先生(前列左より)生徒の皆さん・西澤文昭APEF理事長・暁星学園理事長 柿山隆先生・暁星中学高等学校長 髙田裕和先生


 

日仏高等学校ネットワーク(COLIBRI)の試練と挑戦

中野 茂(早稲田大学高等学院)

コロナ禍において、学校現場では多くの活動の停止あるいは縮小を余儀なくされた。とりわけ、その影響が最も顕著だったのが国際交流活動であった。コロナ感染症が日本で広がりを見せてから3年以上経つ今でも、多くの学校がまだ生徒の海外派遣に踏み切れていないのが現状である。日仏高等学校ネットワーク(COLIBRI)(以下「コリブリ」)が毎年実施していた対フランス本土および対ニューカレドニアの短期交換留学も、3年前より中断を余儀なくされた。

この3年間は空白の時間であると同時に、今までの活動を振り返る時間でもあった。またこの3年間は、実際にフランスに行き交流することの意義を再認識させてくれた期間でもあった。


2002年、当時の仏大使館文化部のフランス語担当官 Jean-Noël JUTTET 氏の発案により、暁星高校の橘木芳徳教諭(当時)、カリタス女子中学高等学校の山崎吉朗教諭(当時)を始めとするフランス語教育に携わる高校の先生方が中心となって設立準備が始まったコリブリは、2006年に最初の交換留学を実施した。以降現在まで14回にわたり交換留学が実施され、これまでに1000人を超える日仏の高校生がコリブリ短期交換留学に参加した。

現在の日本側コリブリ加盟校は、北は北海道の立命館慶祥中学校・高等学校から南は沖縄県立那覇国際高等学校まで30校、フランス側はパリ、ボルドー、モンペリエなどの本土の29校に加えニューカレドニアの6校、計35校にものぼり、両国の加盟校は年々増加している。また2013年には『ル・モンド』紙で取り上げられるなど、とりわけフランスでは知名度を上げている。

応募した日仏の生徒たちをマッチングし、そのパートナー同士の家庭におたがい3週間ずつ滞在する短期交換留学(まずフランスの生徒が10月から11月にかけて日本のパートナーの家庭に滞在し、高校に通う。翌年の3月から4月にかけ、今度は日本の生徒がフランスのパートナーの家庭に滞在し、現地の高校に通う)を活動の中心にする点は、発足時から今日まで変わっていない。

コロナ禍以前は、参加者が3週間のフランス短期留学で負担する費用は、航空券などの旅費、フランス国内での通学費、保険、現地でのおこづかいを合わせ、約25~30万円に抑えられてきた。このように参加費を抑えることができた主な理由は、学費がかからないことと、現地での食費や住居費など生活に必要な経費を受け入れ家庭が負担する点にあった。


さて、第一回交換留学の開始から16年の年月が流れたが、この年月はコリブリにとって試練の16年だったと言っても過言ではない。

まず2009年、新型インフルエンザの感染拡大を懸念するフランス国民教育省の勧告もあり、秋のフランス人高校生の来日を1年間延期せざるを得なかった。

そして、日本の高校生たちの出発予定日の2日前に発生した2011年の東日本大震災。首都圏の交通網が麻痺した状況下でも、関東圏の生徒たちはなんとか全員予定通り出発。安否の確認がとれた盛岡・仙台の生徒たちも、自分たちの目で見たものを直接伝えたいという強い思いを持って、また保護者の方々の深い理解もあり、全員がフランスに旅立った。その後、福島原発の事故処理の影響もあり、2011年度はフランス側の来日は1年間延期、日本側は通常渡仏という変則的なスケジュールで交換留学の実施にこぎつけることができた。

さらには、2019年に始まったコロナウイルス感染症のパンデミックによる3年間の短期交換留学の中断。この間、どのような活動ができるのかフランス側執行部と協議を行い、日仏オンライン交流、コリブリ・フランスとの共同動画作成、またコリブリ・フランスが開催したジャパン・ボウルへの動画での参加といった活動を実施することができた。とはいえ、短期交換留学の中止が教育現場にさまざまな影響を及ぼしたことは否めなかった。とりわけ短期留学を夢見て高校に入学した生徒にとってこの中断の影響は深刻で、フランス語学習に対するモチベーションの低下が指摘された学校や、フランス語受講者の減少が見られた学校もあった。


2019年度の春休みのフランス派遣が中止になって以降、どのタイミングで交換留学の再開に踏み切るかコリブリ・フランスと協議を続け、再開のタイミングを探ってきた。そしてついに、2022年度のフランス派遣から短期留学が再開されることになった。

2023年3月11日、29名の高校生が成田空港よりフランスに向けて旅立った。コリブリの短期留学が復活した日である。フランス各地から送られてきた写真に写った生徒の表情を見ると、すでに教室での彼らの表情とは異なっており、フランスに行くことの意義を痛感せざるを得なかった。実は今までも、短期留学に出発する前と後で、生徒の表情の変貌に驚くことがよくあった。この表情の変化の裏には、彼らの体験が凝縮されており、この体験が、その後の彼らの人生を導く原動力になっていくケースをしばしば目にしてきた。もちろん、内なる変貌が外見に現れないケースもあるため、体験の豊かさやその深さ、さらには影響の射程を真に理解するには、その後の彼らの言動、さらには彼らの進路や大学進学後の姿も注意深く見守って行かなくてはならない。教室の中でのみフランス語を学習している生徒においては、ともすると「なぜフランス語を学ぶのか」という疑問を抱くこともある。しかしながら、コリブリ短期交換留学参加者においては「なぜフランス語を学ぶのか」という疑問が生じ得ないのは言うまでもない。さらにこの自明性は、参加者だけでなく、その友人たちや帰国報告会に参加した生徒にまで広がり、フランス語やフランス文化を学ぶ確固たる理由を提供している。

空港で生徒たちの表情の変貌に出会う度に、またコリブリ短期留学を機にその後の人生を設計した生徒たちと出会う度に、今までの苦労が報われた気がする。同時に、20年前のコリブリの旗揚げにかかわった先生方、またその後コリブリを育ててくださった先生方が目指していたことに少しでも近づけた気がする。

コリブリに参加した大部分の生徒は、すでに社会人となった。彼らの人生に何等かの影響を与えてきたことを誇りに思うと同時に、彼らが、コリブリ設立の趣旨である「日仏の架け橋」になってくれることを切に願っている。

最後になるが、コリブリが活動を継続できるのは、ボランティアで活動してくださっている各校の先生方の熱意、さらにはフランス大使館の全面的な支援や、APEFを始めとする協力団体のご支援の賜物である。深く感謝の意を表する。 




降って湧いたパリ派遣という贈り物

井形 美代子(東京造形大学 / 都立高校(注1) / 成蹊高校)

世界規模のスポーツイベントであるオリンピックについては毎年のようにフランス語の授業で取り上げている。それは紛れもなく、一時途絶えた古代オリンピックを近代オリンピックとして復興させ、国際オリンピック委員会(IOC)の設立に関わり、五輪のマークも考案した人物 Pierre de Coubertin (ピエール・ド・クーベルタン) がフランス人であり、オリンピックの第一公用語がフランス語となっているからである。2021年夏に開催された東京オリンピックは、五輪の旗が東京都知事からパリ市長に手渡され、パリが競技場と化す場面で幕を閉じた。勢いのあるこの映像を学生や生徒に見せると歓声が沸き起こる。


「パリに派遣する生徒を推薦して欲しい。」昨年の秋、都立高校の教員からこんな言葉をかけられた。オリンピック・パラリンピックの開催都市だった東京から次回開催都市となるパリへとバトンが渡されるのを機に、オリパラ教育の一環としてパリで生徒間交流が行われるという。渡航や滞在などの主な費用は主催者である東京都教育委員会持ち。これまでフランス語やフランス文化に関心を抱きフランス語を履修してきた生徒たちにとって、降って湧いたような贈り物である。

「東京都オリンピック・パラリンピック教育のレガシーとして、実践的な国際交流による『豊かな国際感覚』の醸成を一層推進するとともに、生徒の交流を通して、東京都のオリパラ教育をパリ に継承する(注3)。」 これがオリンピック・パラリンピック教育継承事業・パリ派遣研修の目的である。東京都では、公立学校・園において2016年度から2022年度までの6年間に渡り「東京都オリンピック・パラリンピック教育」が実施されてきた。また、2019年に東京都教育委員会がアカデミー・ド・パリ(パリ大学区)との間で教育に関する覚書を締結して以来、都立数校はパリの公立高校と姉妹校として交流し、私もそのうちの一都立高校(注4) でフランス語の授業を担当している。今回のパリ派遣研修は、こうした経緯を経て2023年1月30日から2月3日にかけてパリで実施され、東京都立学校9校、27人の生徒たちが参加した。

ところで、具体的な交流の中身を紹介する前に、私が現地に赴いたわけではないことをお断りしておく。生徒たちを引率したのは各学校の管理職や専任教員であり、これからお伝えする報告は、都立飛鳥高校と都立桜修館中等教育学校(注5) の生徒や教員から伝え聞いた内容が基になっている。さらに、このイベントの主眼は、先ほど説明したようにオリパラ教育の継承であってフランス語教育の一環ではないため、教科としてフランス語がない学校も参加している。

それでは具体的にどのような交流が行われたのか紹介しよう。出国から帰国までの全日程「1月30日〜2月3日」には羽田空港発着やホテルのチェックイン・チェックアウトも含まれているので、パリでの活動は実質1月31日、2月1日、2月2日午前となる。活動のスケジュールは次の通りである。

1/31午前パリ16区にあるジャン・ド・ラ・フォンテーヌ校を訪問し、パラリンピックスポーツ・ボッチャ体験や日本文化の書道体験を通じてパリの生徒たちと交流。
1/31午後シャン・ド・マルス公園にてエッフェル塔を背景に集合写真。専用バスでパリ市内(セーヌ川、ノートルダム大聖堂、オペラ座、オルセー美術館)を車窓見学。スーパーマーケットなどで買い物、市井の人々の生活を肌で感じる。
2/1 午前パリの生徒と共にルーブル美術館見学。その後集合写真。
2/1 午後ソルボンヌ大学で近代オリンピックの歴史やパリの歴史文化についての講義を聴講。
2/2 午前都内の学校とオンラインホームルーム。その後、パリ16区にあるクロード・ベルナール高校を訪問し、スポーツ・ダンス体験、オリパラ教育継承に関する生徒による発表、パリの生徒とのディスカッション。

2日半という短期間に効率良くこうした日程が組まれているが、さらに、オリパラ教育の研修視察という使命のもとパリ市内の名所が会場となっていることから歴史的建造物も見学できたことは、このイベントに花を添えている。とりわけソルボンヌ大学で生徒たちが見学した Grand Amphithéâtre (大講義室)や講義を聴講した Salle des Commissions は1年以上前から予約をする必要があるらしく、随分前から周到に準備されてきたことがうかがえる。Pierre de Coubertin が1894年に国際オリンピック委員会を設立したとされるソルボンヌ大学内の部屋 Salle Gréard(グレアールの間)は、今回のイベントに好適な場所であったに違いないが、残念ながら見学ルートには含まれていなかったそうである。

さて、参加した生徒たちの反応はどうだっただろうか。2月2日のオンラインホームルーム(注6) において、また帰国した彼らに授業の中でインタビューをしたところ、「朝食のクロワッサンが美味しくて毎朝5つも食べた!」「日が昇るのが遅く、朝9時ごろまで暗かった」「暖冬だったパリは東京よりも暖かかった」など、現地ならでは、といった体験が語られた。「高校生活で最高の思い出です!」と語った3年生は、3年間コロナ禍で留学が叶わなかった学年であり、感激もひとしおだ。「パリの生徒たちも意外と引っ込み思案だけど、こちらから話しかけてみると快く応えてくれた。」2年間フランス語を学んだ生徒たちのフランス語力は初級をマスターしたレベルだが、スマホの翻訳アプリをフル活用してパリの生徒たちとの交流を楽しんだようである。

それにしても、オリンピックが東京で開催された後にパリで開催されるという偶然があってこそ成立したこのパリ派遣。将来同じ組み合わせの可能性はそうないだろうと思うと、Pierre de Coubertin が天から微笑みかけてくれているような気がしてならない。

_______________________________
(注1)私がフランス語を担当している都立高校は次の通りである:都立日比谷高校、都立三田高校、都立小平高校、都立飛鳥高校、都立桜修館中等教育学校。

(注2)掲載している2枚の写真は都立桜修館中等教育学校のサイトから引用。
https://www.metro.ed.jp/oshukan-s/news/2023/02/newsentry_69.html

(注3)東京都教育委員会のサイトより引用。
https://www.kyoiku.metro.tokyo.lg.jp/press/press_release/2023/release20230216_03.html

(注4)都立飛鳥高校は、2019年にパリ12区のLycée Paul Valérie(ポール・ヴァレリー校)と姉妹校提携を結び、以来交流を続けている。今回のパリ派遣を利用して、ポール・ヴァレリー校ともパリで交流が行われた。

(注5)都立飛鳥高校と都立桜修館中等教育学校ではフランス語を最大2年間学ぶことができる。授業時間は週1回100分程度。ネイティヴとのチームティーチングでフランス語の授業を行なっている。

(注6)都立飛鳥高校のサイトでは、私も参加したオンラインホームルームの様子をご覧いただける。
https://www.metro.ed.jp/asuka-h/news/2023/02/newsentry_130.html







フランス語に毎日触れようという意識で

2022年度春季3級合格・文部科学大臣賞 / 2022年度秋季準2級合格
清水 研介
アーティスト・東京都

2002年から2021年まで、19年間、フィンランドのトゥルク (Turku) に住んでいました。アーティストとして、2011年からパリのサテリット画廊 (Galerie Satellite) での展覧会で、自分の作品が展示される機会に恵まれて、その度にできるだけパリに行ってフランス人との交流を深めました。この画廊では、今まで(2023年2月末現在)、自分の個展が六回開かれ、グループ展「ヴィジュアル・ポエジィ・パリ展 (Poésie visuelle japonaise) 」にも五回、参加しました。また、モナコでの展覧会で自分の作品が展示された時は、モナコと南フランスを訪れたこともあります。フランス語圏での展示をいろいろと経験し、できるだけ現場に行きました。


フィンランドに住んでいた時は、当時、自分が住んでいた町、フィンランドのトゥルクからフランスのパリへは、日本からよりもずっと近いこともあり、多く訪れることができました。パリを訪れる度に、フランス語の文法の本を読んだり、NHKのラジオのフランス語講座のテキストを見返したり、という感じでしたが、今と比べると真剣に継続して勉強できていた訳ではありませんでした。今思えば、当時は、日常でフィンランド語、英語を使う毎日で、腰を落ち着けてフランス語を勉強するには難しい環境だったかもしれません。

2021年の11月に、フィンランドでの19年間の生活を終え、日本に戻りました。こちらに戻ると、周りがフィンランド語と英語で溢れた世界から、日本語の世界になります。このような個人的な環境の変化に加えて、コロナ禍の最中でもありました。

2022年の2月頃、コロナ禍が続く中、何か家で勉強したいと思い、フランス語を継続的に真剣にやってみようと思いました。自分の中では、この2022年2月頃が、今へと繋がるフランス語の本格的な勉強の始まりと思います。

勉強するには仏検を目標にするのが良いと思い、これは今でもそうですが、仏検対策の問題集で問題を解いては、解答や解説を見て実力を高めていきます。間違ったところに印をつけておき、再度、解く時にできるかどうかチェックして、問題によっては何度も繰り返しやってみます。復習を大事にしています。

動詞の活用は、ノートに鉛筆で書いて覚えていきました。今でもフランス語の勉強では、よく紙に書きます。また、頭の中で、動詞の活用のスペルを思い浮かべてから、本を見て正しいか確かめたりしました。

「フランス語に毎日触れよう」という意識を持って、フランス語の勉強の本を外出時にも持ち歩くようになりました。電車やバスで座れたら、リュックの中からフランス語の本や電子辞書を取り出したり、就寝前にフランス語の本を開いたり、家でフランス語のCDを聞いたり、など。今では、散歩の時にも、「こう言いたい時はフランス語でどう言えば良いのだろうか」と考えることが増え、どのフランス語の単語を使えばよいかわからなかった時、帰宅後に辞書などで調べています。

2022年度春季に初めて受けた仏検で、3級に合格できました。仏検事務局から、「2022年度春季仏検3級の合格において優秀な成績を収められたことにより、成績優秀者として選出されました」とご連絡をいただきました。励みになります。基礎を集中して勉強した成果が出て、嬉しく思います。

その後、2022年度秋季の仏検では、準2級に合格しました。2022年2月頃にフランス語を継続して勉強しようと思った時は、2022年度秋季に準2級に合格できるとは想像していなかったので、とても良かったと思っています。

現在(2023年2月末)、新しい世界が頭の中に広がるようなワクワクした気持ちを思いながら、「フランス語に毎日触れよう」という意識を持って継続しています。仏検はフランス語の勉強で良い目標になり、上達にとても役立っています。もっとフランス語でコミュニケーションがとれるようになりたいと思っています。




大型連休期間の休業についてのお知らせ

公益財団法人フランス語教育振興協会・仏検受付センターは、大型連休に伴い、4月29日(土)~5月7日(日)を休業期間とします。つきましては、休業期間中にお寄せいただく仏検・翻訳・APEF青山フランス語プロフェショナルコースの各業務についてのご依頼・お問い合わせが5月8日(月)以降のご対応となりますことをご了承ください。

また、翻訳サービスにつきましては、連休直後に複数のご依頼が重なり、通常よりも翻訳工程に日数を要する場合が想定されます。

ご不便・ご迷惑をおかけいたしますが、ご理解を賜りますようお願い申し上げます。

ハーフだからと言って生まれつきバイリンガルとは限らない!

2022年度春季1級合格・在日ベルギー大使館/WBI賞
林 マナテア
高校生・茨城県

私は母が日本人、父がフランス人のハーフです。でも生まれた時からバイリンガルというわけではありません。

私は日本生まれで、5歳まで日本に住んでいました。父がフランス人であるにも関わらず、「un deux trois」と言えて喜んでいたくらい、日本語しかきちんと話せていませんでした。

しかし、3.11に被災し、それをきっかけに、フランス領ポリネシアのタヒチ島に引っ越すことになりました。そこで、私は現地の幼稚園に通いはじめました。まだ5歳で、自分がどのような状況に置かれているのかさえ、よく把握できていない中、言葉の通じない学校での日々は孤独でとても辛かったです。友達作りも難しかったですが、まだ幼かったからか、2〜3ヶ月もすれば数は少ないものの、何人かと友達になれました。男子などにはしばしば私の発音等を笑われましたが、力強く庇ってくれた一人の子には今でもとても感謝しています。

それから私はどんどんフランス語を習得してゆき、学校では「頭いいキャラ」にもなれました(笑)。高校2年生まで現地校に通い、昨年日本に帰国して、今は日本の高校に通っています。なので現在は逆に漢字等の学習に苦労しています。

仏検を受験したのは学校の担任の先生に勧められたからです。「私は君がフランス語を話せることはわかるが、大学入学をはじめ、将来のために、君の持っている仏語力の客観的証明となるものは持っていて損しないと思うよ」と言われ、私は納得しました。せっかくだったので1級に挑もうと思いました。過去問を確認してみると、ほぼ全て解けましたが、日本語訳が必要となる部分のできはひどかったです。なので、『仏検のために日本語力を磨く』といったおかしな勉強法をしました。

具体的には、中高生新聞を読んだり、学校の英語の授業での記述式問題は全力で解きました。試験本番は1・2次試験ともに、自分の力を全て出し切れたような感じで、嬉しかったです。合格が発表された時も、とても嬉しかったです。


私の合格体験記は、今後仏検を受験される方にはあまりお役に立てないかもしれませんが、私が一番伝えたかったのは、ハーフだからと言って生まれつきバイリンガルとは限らず、各々どこかで辛い思いをしたり、努力をしたということです。

Sans effort et combat, il n’est point de vertu!


「仏検」存続のためのご寄付について:メディア掲載記録

コロナ禍での外国語検定試験の状況、仏検のご寄付のお願いについて、以下のメディアで取り上げていただきました。

カテゴリー: apef

絵はがきのパリにあこがれて

2022年秋季準2級合格・在日フランス大使館賞
岸本 明子
自由業・東京都

私がフランスという国を知ったのは1967年。6歳のときでした。父が出張でフランスに行き、現地で病に倒れ入院。その病床から家族に宛てた絵はがきの写真がフランスとの最初の出会いでした。家族に心配をかけまいと気遣った文面には、パリがどれほど素敵な街であるかが明るく綴られていました。

「いつか自分も行ってみたい」という夢は比較的あっさりと叶いましたが、フランス語は何年勉強しても初級のまま。大学でも語学学校でも学びましたが、中途半端なまま挫折して30年以上が過ぎました。もはや受験も就職も関係ない年齢。今さら仏検を受けても仕方ないと思っていましたが、ある日、書店で仏検の問題集がふと目にとまり “4級” を買ってみました。試しに中身を見てみたら、どの問題もさっぱりわからず…。けれども、解答を見たとき、頭の片隅に残っていた単語や熟語の記憶がゆっくりと溶け出すような感覚がありました。同じ0点でも「知らない」ことと「忘れていること」とは違うと気づき、ならば、もう少し記憶をよみがえらせてみようと思い、2年かけて4級、3級、準2級とレベルを上げていきました。

仏検を受けてみようと思ったのはほんの軽い気持ちからです。でも、いざ申し込みをした途端に緊張して落ち着かない毎日。本物の受験生のように、勉強だけでなく、食事や睡眠にも気をつけるようになりました。そして迎えた試験当日。家では、わからない問題はすぐに解答を見てしまいますが、試験中退室はできなかったので、制限時間ギリギリまで何度も問題を読んで考えてスペルをチェック。その甲斐あって普段より正解率が上がりました。決して本番に強いわけではなく、むしろその逆ですが、勉強に大切なのは根気と集中力であることを改めて実感しました。

結果はどうであれ、試験を受けることで気づくことがたくさんあります。私が学生だった’80年代に比べるとどのテキストもわかりやすく、インターネットのおかげでヒヤリングやディクテが「家にいながらにして」できます。あの頃こんなものがあれば… と思うより、この恵まれた環境でもう一度勉強してみること。その楽しさに気づかせてくれた仏検は決して「今さらながら」の試験ではありませんでした。仏検のグレードはいわば一里塚。次の目的地まで着実に歩を進めていけば、これまで苦戦していた初級の壁を乗り越えられると確信しています。




1歳児と一緒に1級合格!~自分の夢を叶えるフランス語から、誰かのためのフランス語へ~

2022年度春季1級合格・在日フランス大使館賞
つの ゆいこ
絵本/紙芝居作家・東京都

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2020年の秋、6年間にわたりフランスでの紙芝居の活動ののちに東京に帰ってきたときには、第一子を妊娠していました。これから日本で子育てをしていくにあたり、紙芝居だけではなく何かフランス語を生かした仕事ができるようになりたいと思い、日本での語学力の証明にもっとも信用のある仏検に挑戦することにしました。

DALFのC1を取得していたので、目標は仏検1級。出産後、まずは腕試しに、2021年秋の準1級に挑戦しました。『仏検公式ガイドブック 1級・準1級』の過去問を隙間時間に解いて対策し、無事に合格。光栄なことに成績優秀者の表彰もいただきました。

準1級の合格がわかってから1級の勉強を始めたのですが、過去問を解いてみて愕然としました。準1級からものすごくレベルアップしていて難しい!特に時事の単語問題は、日本語ですら知らないものもあって、さっぱりわかりませんでした。同語異義問題も、フランス人の友人に問題を送っても、すぐにはわからなかった、と返事のあったほど。名詞化問題も、なんとなく知っていたようでいて全く覚えていなかったことがわかりました。これは大変だ、と、襟を正して真剣に勉強を開始しました。

当時子どもはちょうど1歳になるかという頃で、ますます目の離せない時期。保育園には行っていないので、一週間のなかで勉強に割ける時間は非常に限られていました。幸い私の住んでいる自治体には、1日4時間までの理由を問わない一時預かりのサービスがあったので、4月から週に一回そこに子どもを預けて、近所のカフェで週一回2時間ほどまとめて勉強するという生活をはじめました。

テキストとしては、準1級の時に使った『仏検公式ガイドブック 1級・準1級』に加えて、『フランス語名詞化辞典』と『仏検公式ガイドブック セレクション 1級』を購入。また、時事問題の語彙を増やすのと、口頭試験の対策として『La Croix』のオンライン版を購読することにしました。子どもを抱えながら語学学校の授業を受けることはできないので、一時預かり中の2~3時間と、日常生活のスキマ時間が鍵。そこで次のように計画をたてました。

1)4月・5月の一時預かり中は過去問を解く。
2)6月・7月は、マダガスカル人の留学生の友人に、一時預かり中に口頭試験の特訓をしてもらう。
3)家事をしている間は、YouTubeやRadio Franceのニュース番組や討論番組を流し聞く。
4)湯船につかっている間に名詞化辞典を読む。
5)毎朝の日課として、YouTubeの若者向けニュースチャンネルを見る。
 (「Hugo Décrypte – Actus du jour」というチャンネルで、毎日10分未満でその日のニュースをわかりやすくまとめています。)
6)その他、フランス語を忘れないために、日常的にフランコフォンのママ友と会ったり、フランスの友人と電話したりする。

口頭試験の対策も、2016年にDALF C1の対策でやったきりで殆ど忘れていたので、マダガスカルからの留学生の友人にはたくさん助けてもらいました。その甲斐あって、1級も無事に合格!しかも、すれすれでの合格と思いきや、なんとまた成績優秀者で表彰していただくことになり、本当に感動しております。
 
私はフランス語ができたおかげで、フランスの出版社から紙芝居や絵本を出版していただいたりと、自分の世界を広げ、夢を沢山叶えることができました。これからはそれだけでなく、フランス語を使って、もっと人のために貢献していけるようになれたらと思っています。自分の夢を叶えるだけでなく、誰かの夢を叶えられるフランス語へ。仏検1級の資格を取得できたことは、そんなフランス語との関わり方を始める上での、新しい切符のように感じています。

青島周平さん 第5回高松国際ピアノコンクール 第2位入賞

APEFからの推薦を受けて2019年-2021年度にパリ国際芸術都市に滞在されたピアニストの青島周平さんが、第5回高松国際ピアノコンクールで第2位に入賞され、あわせて委嘱作品演奏者賞と特別賞:公益財団法人高松観光コンベンション・ビューロー理事長賞を受賞されました。おめでとうございます!今後のますますのご活躍を応援しております。


2023年度の国際芸術都市入居者推薦は2023年4月30日まで応募を受け付けています。新年度に向けて、また新たな芸術家がパリで研鑽を積み、羽ばたいて行かれることを祈念いたします。

実用フランス語技能検定試験 検定料改定のお知らせ

早春の候、益々ご清祥のこととお慶び申し上げます。平素は実用フランス語技能検定試験(仏検)に格別のご高配を賜り厚く御礼申し上げます。

さて、このたび当協会では、2023年度春季試験より仏検の検定料を別記の通り改定することにいたしましたので、謹んでお知らせ申し上げます。

仏検は、1981年の創設以来、日本の学習者を対象とした唯一のフランス語検定試験として、国内外のフランス語教育関係各位のご支援ご協力のもと、健全かつ円滑な試験運営を進めて参りました。受験者総数は今日までに累計90万人を超え、その伝統と実績はわが国の外国語学習の領域で確かな評価を得ています。

しかしながら、仏検を取り巻く環境は厳しさを増しています。コロナ禍の影響で受験者人数が伸び悩む一方で、安全な試験開催にかかる基本的な費用は増大しました。加えて昨今の物価の上昇により、会場と人員の確保、試験資材の製作や運搬、情報システムの維持管理等、試験の運営に必要な諸経費は高騰しています。経費削減の努力だけでは安定した事業運営は望み難く、やむなく検定料の改定が必要であるとの判断に至りました。

学習者の方々に負担を強いることとなり甚だ遺憾に存じますが、当協会はこれからも経費節減と運営の効率化に取り組み、日本におけるフランス語教育の柱のひとつとして、公正で信頼性の高い試験を提供するべく精励する所存です。どうかご理解を賜りますようお願い申し上げます。

公益財団法人フランス語教育振興協会

 

年間実施日程・受付期間

2023年度 春季試験

実施級

1級 2級 準2級 3級 4級 5級

実施日程

1次試験(1・2・準2・3・4・5級) 2023年6月18日(日)
2次試験(1級・2級・準2級の1次合格者対象) 2023年7月16日(日)

受付期間

・願書郵送によるお申し込み  : 2023年4月1日(土)〜 5月17日(水)消印有効
・インターネットでのお申し込み: 2023年4月1日(土)〜 5月24日(水)23:59まで

2023年度 秋季試験

実施級

準1級 2級 準2級 3級 4級 5級

実施日程

1次試験(準1・2・準2・3・4・5級) 2023年11月19日(日)
2次試験(準1・2・準2級の1次合格者対象) 2024年1月21日(日)

受付期間

・願書郵送によるお申し込み  : 2023年9月上旬〜 10月18日(水)消印有効
・インターネットでのお申し込み: 2023年9月上旬〜 10月25日(水)23:59まで

  ※お申し込み方法については「 出願方法と受験の流れ 」をご覧ください。

<通訳準備科> 教材と授業内容

教材の配信

授業の1週間前に、APEF事務局より配信します。

教材の一例

菊地講師の場合
使用する教材は、日本でも話題になっているテーマを選びます。 フランス語のニュースなどから、適当な長さで比較的分かり易いサイトを選択します。 同じ内容を扱った日本語資料、サイトにあるテキストなどを参考にして、効率よく準備してください。

例)教材の配信日が2023年1月30日で、授業がその1週間後と仮定すれば、以下のサイトが候補になります。

 Réforme des retraites : des mairies fermées mardi 31 janvier en soutien à la mobilisation

テーマやサイトの選択基準は以下の通りです。

1. 話題の継続性

同じニュースが、1週間後からそれ以降まで繰り返されることが予想される

2. 日本語での内容把握の可能性

日本語でも同じ内容のニュースが数多く見つかる

3. 発展性

上記の例では、年金改革に反対する理由を調べ、改革案の進捗状況をフォローするきっかけとなる

< 授業の進め方 >

授業当日は、事前にお知らせしたサイトのフランス語を、日本語に訳す準備ができていることを前提に進行します。ただし、事前に準備した日本語の訳やメモは見ずに、改めてメモを取りながら、聞こえた部分を訳していきます。フランス語の聞き取りや構文の把握に関する、基本的で重要な間違がある場合には、解説したり練習問題を使うこともあります。

通訳準備科の菊地講師の授業は以下を練習の課題とします。

1. 通訳業務における準備の重要性の理解と実践、資料収集、語彙の準備

2. 逐次通訳でのメモの取り方

3. あらたまった表現で凝縮された文で訳す

クロズ講師の場合
Programme type d’un cours de préparation à la traduction

( 1 )  quelques lignes de traduction en faisant attention à tous les détails.

        ex. :

( 2 )  un point de grammaire de niveau supérieur détaillé. ex. : les articles

( 3 )  une transcription d’un extrait de reportage télé ou radio par exemple : ex. : Tokyo : la culture urbaine de demain | ARTE

( 4 ) une fois par semestre, une traduction.

 ex.明るい⻘が濃くなった フランス国旗の⾊、マクロン⽒がひそかに変更?

       (2021年11⽉27⽇朝⽇新聞デジタル)

三⾊旗(トリコロール)として知られるフランス国旗の⾊がマクロン⼤統領によって変更されていたことがわかり、「国の象徴がひそかに変えられてしまった」と話題 になっている。マクロン⽒が 変えたのは⻘⾊の部分で、それまでの明るい⾊から濃紺になった。フランス⼤統領府は16 ⽇、「マクロン⽒はフランス⾰命直後に採⽤された 当 時の三⾊旗の⾊に戻したかった」と説明した。濃紺の旗は 2018 年から使い始め、年末恒例の⼤統領テレビ演説でも新しい旗を掲げていたという。AFP 通信によると、昨年からは⼤統領府でも濃紺の国旗が掲げられていたが、メディアも気づかず、話題にされていなかった。
   
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