いずれは複数言語のガイドに
2023年度秋季2級合格
村山 隆重
会社員・北海道
2級を受ける5ヶ月前にちょっとした事件がありました。
退職したら何をしようとぼやいたら、昔の友人から「英語のガイド免許を復活させて通訳ガイドをやればいいんじゃない?あんたは物おじしないし、接客も出来そうだから」と言われたのです。
なるほど、昔学生の身分で英語のガイドを少しやったことはありました。
同年で今もバリバリの英語ガイドとして、外国人客を連れ全国を飛び回っている友人の熱い提言が心に刺さりました。翌週には古い免許の更新のためさっそく支庁へ。
「えーと、村山さんの申請は英語だけですか?」
はっ?…英語だけでは不遜なの?その瞬間凍りつきました。よし、フランス語を加えてやる!と。よくよく後で考えてみたら、英語だけか、それとも複数言語かで申請書類の書式が異なるためわざわざ聞いてきただけのことでした。
短気な自分はもう腹を決めてました。
やるしかない、と。
高校では英語に飽き足らず、親にねだってリンガフォン仏語コースカセット版を購入。
テキストは開かず音楽のように聴いてました。交換留学先の米国の高校では騒がしい一年生の仏語初級クラスに入り妙な英語なまりの仏語に習熟。
大学では文学の香りに誘われ第二言語として上級までやりました。
しかし単位取得と美人の先生がモチベーションにあっただけで実用的には何ら進歩もないまま社会人になりました。 転機は20代が終わってしまった頃。乳製品の勉強でスイスの仏語圏にあるチーズ学校へ留学した時に訪れました。
言葉はこの際なんとかせねば!
しまってあったリンガフォンを数ヶ月ぐらいやったらもう渡航の時期が来てしまって焦りました。
留学中は微生物や製造過程の専門用語、機械用語を覚えるのが先決で身の回りの細かい表現は一切後回し。
軟質チーズの製造アトリエで早口の担当教官に、「テュルメラ!」と言われてもきょとんと立ちつくすばかり。
あーやだ、「そこに置きなさい」と言われただけなのに。
そして、困ったら校長先生に英語で相談に行く始末。しかも一歩外へ出れば観光地で英語が通じてしまうご立派なスイスのお国がら。もっとちゃんと仏語がわかるようにしなければと思いながら、別に語学の勉強で来たんじゃないからと肝心なところで逃げ口実を並べながら私の専門留学は終わったのでした。
いま30年のブランクを経てようやく本気にガチな勉学の季節到来です。
休みの日は一日中仏語の森に埋没です。教本や問題集以外にもフランスのラジオアプリ、YouTubeのニュース、街角インタビュー、バラエティ番組、日本の漫画のフランス語版、目や耳に入るものはなんでも吸収しています。
いい時代ですね。実に楽しいです。 臆せず弛ますより深く。これからの仏検の高みも人智の及ばぬ所ではないと思います。
最後に好きな一句を。
Franchis le pas !
やるっきゃないですね。
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