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悔しさをバネに、成長する楽しさをモチベーションに

2023年度秋季準1級合格
山本 理沙
東京都

大学では偶然にもフランス文学科に入学しました。当初はおしゃれそうだなあ、という理由だけでなんとなく選んだ学科でした。
当時は多忙な体育系の大学の部活動に熱心に取り組んでおり、学業にはあまり力を入れず、はっきり言って劣等生で単位をいくつも落とすくらいでした。しかし、3年生に進級してから、「大学に来ているのにこれでは勿体ない」と感じ、やっと本格的に取り組むようになりました。同時に、週6日の部活動やアルバイト、大学の授業に忙殺され、体調を崩し、自信を失う日々もありました。そんな時、両親の勧めでフランスへの語学留学を決意し、これが私のフランス語人生を大きく変えるきっかけとなりました。

大学4年生になる前に1年間休学し、パリのソルボンヌ大学文明講座で勉強しました。全くいままで遊んでこなかっため、放課後は毎日のように友達と遊び、美術館にも行き、充実した日々を過ごしました。文明講座の授業では文法を徹底的に学び直しました。授業では文法に重点を置いて学び、学校の外では積極的にフランス語を使うことで上達しました。文法の基礎を固めたことが後に大いに役立ちました。成長する喜びを実感しながら、フランス語をますます好きになっていきました。フランス語留学を考えている方には、学校だけでなく外でのコミュニケーションも大切だと伝えたいです。

日本の会社に就職せず、結局大学卒業後もフランスに戻り、結果的に更に5年間パリに住みました。
今度はビジネスでのフランス語が自分にとっての大きな挑戦になりました。自ら直談判して面接を受けてもらったお菓子屋さんの販売員から始め、日仏系の会社の社長秘書も経験することができました。
初めはオフィスにかかってくる電話で相手が何を言っているかも分からず、悔しさのあまり涙がでてくることもありました。フランス語で上手く交渉ができず上司に怒られることもたくさんありましたが、くよくよしてはいけない、と仕事後はパリ市の夜間学校に通いました。また、フランスでは仕事において、特に論理的にフランス語を話すことが求められることに気づいため、フランス語そのものの勉強だけでなく、フランス人らしい文章の組み立て方、論理的な話し方を意識して勉強するようにしました。そのうちフランス語がメキメキと上達するのを実感しました。単に話せる、ではなく、フランス人との交渉スキルも身についたと思います。初めは分からなかった法的な文書や契約書なども読んで取り扱いができるようになり、前よりも自信を持ってフランスで仕事ができるようになりました。

また、フランスでは長期間のバカンスをもらえるので、休みがあれば旅行をしました。3週間かけて自転車でフランスの田舎を巡る旅もしました。もちろんフランスでの生活は楽しいことばかりではありませんでした。フランスには様々な肌の人がいますが、どれだけフランスに馴染もうとしても差別されていると感じることも多くありました。ストにより1ヶ月電車がほとんど機能しなくなったり、水道管の故障で1週間水が使えなかったりと、生活に不便を感じることも多かったです。ですが、そんなことには負けずに暮らす強さも少し身についたと思います。3年前に日本へ完全帰国しましたが、幸いフランス語スキルを活かして、日本に帰ってからも日仏系の会社に就職することができました。

そこでふと思い立って一年前に受けた仏検一級。TCFでもわりと良い点が取れているし、かなり話せる方だから楽勝だろうと軽い気持ちで受けましたが結果は10点足りず不合格。とても悔しい気持ちになりました。仏検対策をし直してみると自分の語彙力の浅さ、的確に前置詞が使えていないことなどに気がつき、まずは準一級で良い点が取れることを目指すことにしました。

仕事前に早く起きて毎日1時間の勉強を半年間しました。完全予想仏検準1級の練習問題を何度も繰り返し解き、フランス語名詞化辞典を丸暗記。通勤の電車の中では暗記アプリと、TV5Mondeの学習アプリを使って勉強しました。暗記アプリでしっかりと一つ一つ、着実に覚えることを意識して勉強しました。勉強が大変、というよりも、新しいことを覚える楽しさが大きかったです。気晴らしをかねて、動画配信サービスを使ってフランスのドラマ「Familly Buissines」を字幕なしで観たり、好きなコメディアンのラジオ番組の録音をSpotifyで聴いたりもしました。参考書をただ真面目にやるだけでなく、タブレットで学習アプリや配信サービスを利用しながら楽しく自らをフランス語漬けにしました。

その結果勝ち取った準一級の合格。成績優秀者にも選んでいただき本当に嬉しかったです。
もちろん一級合格が最終目標、いえ、欲を言えばバイリンガルに引けを取らないくらいのフランス語を話せるようになるのが目標ですです。
悔しさをバネに、そして楽しさをモチベーションに、これからもフランス語の勉強を続けていきたいと思います。なにより楽しんで続けたいと思います。