2022年秋学期 受講者募集のお知らせ

2022年度春学期からの継続受講に加えて、全コースで新規受講者を若干名募集します。
受講資格 をご確認のうえ、以下の要領でお手続きください。

秋学期  受講申込方法

【受講申込期間】2022年8月1日(月)~8月31日(水) まで

※締切後の申込も場合によって受け付けますのでご相談ください。

● 継続受講の方

上記期間内に 受講登録 を終えてください。

● 新規受講希望の方

申込書(word)をダウンロードし、必定事項をご記入のうえ、cours@apefdapf.orgまでメール添付でお送りください。折り返し受講対象クラス、入学テスト受験の要不要などをお知らせします。

wordフォーム 申込書(word)   pdf 申込書(pdf)

入学テストは下記の要領で実施します。

2022年度秋学期 入学テスト 実施要領

●日時: 2022年9月3日(土) 11:00開始 16:00 終了予定
  <筆記試験> 11:00~12:00 <面接> 14:00時より順次
●会場:オンライン
●受験料:3,300円(税込み)
  ※銀行振込(下記参照)による事前支払い
  ※いったん納入された受験料は一切ご返金いたしかねます

◎ 出願期間: 2021年8月1日(月)~8月31日(水)まで

<入学テスト受験料 振込先 >  
みずほ銀行  九段支店(店番号532) (普)1805436
(口座名義)公益財団法人 フランス語教育振興協会 教育口



※入学テストの免除について

  • 2008年秋季以降の仏検1級、準1級(および対応するDELF・DALF)取得者で、「通訳(準備科)」、「翻訳(基礎科・本科)」を希望される方は入学テスト免除になります。免除を希望される場合は、申込書をお送りいただく際に当該レベルの合格証書またはディプロムの写しを併せて提出してください。
  • 「通訳基礎科・本科」を希望する方への入学テスト免除はありません。

入学テストの結果はテスト実施後3日以内にメールでご連絡いたします。

入学テスト合格者およびテスト免除で受講決定の知らせを受けた方は 受講登録 にお進みください。

お問い合わせ

公益財団法人 フランス語教育振興協会
APEF青山フランス語プロフェショナルコース担当
〒102-0073東京都千代田区九段北1-8-1 九段101ビル6F
TEL(直通):03-6268-9680 FAX:03-3239-3157
E-mail: cours@apefdapf.org



1次試験当日の緊急連絡先について

6月19日の仏検1次試験当日の緊急連絡先を下記のとおり開設いたします。


【1次試験当日のお問い合わせ】仏検受付センター

TEL:03-5778-4073 
受付時間:6月19日(日)9:00~16:00


・受験票が未着または紛失された方はヘルスチェックシートをこちらからダウンロードしてください。
試験を欠席される場合、事前連絡は不要です。なお、欠席された方への結果通知の発行は行いません。
感染対策の一貫として今季も試験終了後の正解例の配付は行いません。正解例は試験当日6月19日(日)の20:00過ぎに当ホームページにて公開予定です。

仏検「合格者の声」を更新しました

「合格者の声」を更新しました。


フランス語を学ぶ原動力(2022年5月13日掲載)
2021年春季4級合格・秋季3級合格 
川西 有紀子

やはり日々コツコツと(2022年5月6日掲載)
2021年度秋季3級合格 在日フランス商工会議所賞
矢代 恵

TLPフランス語での1年 ~三カ国語話者を目指して~ (2022年4月28日掲載)
2021年秋季2級合格 文部科学大臣賞
橘 幸作

フランス語の錆落とし – 仏検は人生の deuxième étape への糧(2022年4月22日掲載)
2021年春季1級合格 日仏会館賞
小池 穣治

好きこそ物の上手なれ(2022年4月15日掲載)
2021年秋季準1級合格 ケベック州政府在日事務所賞
森川 奈緒美

第3言語としてのフランス語(2022年3月24日掲載)
2021年秋季5級合格 在日スイス大使館賞
堀田 悠惺

フランス語に感謝(2022年3月16日掲載)
2021年春季2級合格 文部科学大臣賞
赤城 みう



フランス語を学ぶ原動力

2021年春季4級・秋季3級合格
川西 有紀子
会社員・奈良県

私がフランス語と出会ったのは、高校生の頃でした。第二外国語として学ぶ機会があり、もともと英語をはじめ外国語に興味があった私は、フランス語の美しい響きに魅了され、もっとフランス語を学びたい!と思うようになりました。

その後、訳あって大学ではフランス語ではなくインドネシア語を学ぶことになるのですが、フランスへの想いは消えることなく、大学時代には旅行でフランスを訪れました。モン・サン・ミシェルの夜の幻想的な姿は、今でも心に残っています。

社会人になり、仕事でフランスに行く機会が多くなったため、フランスの方とフランス語でコミュニケーションを取りたい!と思い、改めて学び始めることになりました。せっかく学ぶのだから形に残るようにと、仏検合格を目標に掲げ、勉強に励みました。独学ではありましたが、フランス語は市販の参考書が充実しているため、学習材料には困りませんでした。以前勉強していたインドネシア語とは比べ物にならないくらい参考書が多く、やはりフランス語はメジャー言語だと実感いたしました。

過去問題集、文法書、単語帳、辞書、自前の単語ノートを使い3ヶ月ほど集中して勉強し、無事に4級合格、しかも満点での合格ができたことを嬉しく思います。その後3級にも合格しました。

フランス語を学び始めてからは、日本の日常生活にもフランス語が溢れていることに日々驚かされています。また、少しの単語を知っているだけでも現地での簡単な会話には困らず、なんといってもフランス語表記しかないレストランでの食事や、買い物が楽しくなりました。

フランス語を勉強していて一番嬉しかったことは、仕事で対応したお客様に、” Puis-je vous aider ?  “と言えたことです。英語があまり得意ではないお客様でしたので、どうにかフランス語で対応できないかと、知っている単語を駆使してなんとかお話ししました。英語の説明にはしかめっ面をしていたお客様も、フランス語を話した途端笑顔になってくださり、ご自身のことをたくさん話してくださいました。

お客様の心が少しオープンになった瞬間でした。フランス語を学んでいてよかった、お客様の力になれてよかったと、嬉しく思いました。

それと同時に、「この単語、覚えたはずなのに出てこない・・・つづりはどうだっけ・・・」と、たくさん勉強してきたはずの言葉がスムーズに出てこず、自分がまだまだフランス語を「話せる」レベルではないことを痛感しました。やはり、生のフランス語を習得するには、実際に使って「話す・書く」ことが1番の方法であると感じました。

英語や他の言語を勉強したい気持ちもあり、フランス語のみに費やす時間が多く取れないのが現実ですが、これからもフランス語を学び続けていきたいです。高校生でフランス語と出会った瞬間のときめき、フランス語を実際に使って人の役に立てた時の喜びが、私の原動力になっています。




やはり日々コツコツと

2021年度秋季3級合格・在日フランス商工会議所賞
矢代 恵
学習塾講師・埼玉県

私とフランス語との付き合いは、遡ること大学生時代。専攻はフランス文学でしたが、文学専攻とはいえ、まずはフランス語の修得が第一。 文学の研究の他、大学4年間を通じて、フランス語の学習に費やしました。大学卒業後は趣味でのんびりと勉強を続けており、フランス語学習歴はブランクがあったものの、通算40年近くになるのではと思います。

普段はネットでフランス語のニュースサイトを聴いたり、リスニングに特化したテキストで耳を鍛える学習をしたりすることが多いです。また動詞の活用は、活用表を折に触れて眺めて覚えているか、チェックするようにしています。

フランス語検定に対する学習は、信頼できるテキストをこれ1冊と決め、それを暗記するくらい、いえ飽きるくらい(笑)、何度も繰り返しやること。これに尽きるのではないでしょうか!1冊を完璧にやり、もうこれ以上やる必要はないと自信をもっていえるほどとことんやったおかげで、試験本番でも想像したよりずっと緊張せず、自分でも驚くほど冷静に問題は取り組むことができました。あれこれ手を出してどれも未消化になるより、ひとつのものに絞ってしっかり消化することの大切さを改めて思い知りました。もちろん、同じテキストを何度も繰り返しやるのは飽きることもあります、正直なところ。でも、合格した際の喜びを思い浮かべてそれを励みに、またテキストに向かうことができるのではないでしょうか。

更にリスニングに関しては、時間は短くて良いので、毎日集中して聴くことで、いつの間にか力がアップしていくようです。聞き流しではなく、必ず全身を耳にして聴く。試験本番でもそのような状況なのですから。

試験終了後1ヶ月ほどして、ネットで合格を知り、感無量としかいいようがなかったです。試験が終わり、帰宅途中の電車の中で答え合わせをしながら、あれっ、こんな基礎的な知識が実はあいまいだったと反省しましたので、それだけに。 同時に、フランス語検定という試験が存在していて、本当にありがたいものだと実感しました。

大学時代はフランス文学専攻なのだからフランス語を真面目に勉強して当然だという気持ちでいましたが、大学を卒業した後だからこそ、やはり自分はフランス語が好きなのだと気付きました。特にこの数年は家にこもらざるを得ない日々が続き、ならばフランス語の学習に新たに本腰を入れ、フランス語検定も頂点まで目指すべきと思ったわけです。

フランス語検定は、正に日本人がフランス語能力を客観的にはかるのに最適な試験だと、今回受験してみて、改めて感じました。 報われない努力もある一方で、報われる努力もまたしっかりある、そんなことも実感しました。今回は思いの外、良い成績で合格でき、それを励みに現在は2級受験を目指して日々コツコツと学習しております。 これからもフランス語検定を私の学習の伴走者とし、更なるフランス語の向上に努めていきます。

春季仏検インターネット出願でのクレジット決済のご利用再開について

春季仏検インターネット出願でのクレジット決済のご利用再開について(5/6掲載)

2022年度春季試験のインターネット出願の受付開始にあたり、4月14日より下記のとおりご案内しておりましたが、システム改修の完了にともない、クレジットカード決済のご利用は、5月6日(金)より稼働を再開いたしました。改修期間中にご不便をおかけいたしましたことをお詫び申し上げますとともに、多くの方のご出願をお待ちしております。



春季仏検インターネット出願におけるクレジット決済の稼働開始の遅延について(4/14掲載)

2021年度秋季仏検の出願期間中に決済サービス会社において発生したクレジットカード情報の流出を受けて、仏検インターネット申込ではクレジットカード決済のサービス利用にかかるシステムの改修に着手していますが、完了まで日数を要しています。このため、2022年度春季試験のインターネット出願期間におけるクレジットカード決済のご利用は、5月9日(月)から稼働を開始させていただきます。

稼働開始日の前に出願される方は、恐れ入りますがコンビニ決済または願書郵送による出願をご利用ください。なお、出願日や出願方法が、受験票の発送(6月7日発送予定)や実際の受験の条件等に影響を及ぼすことは一切ございません。

ご不便をおかけいたしますが、ご理解とご協力を賜りますようお願い申し上げます。


TLPフランス語での1年 ~三カ国語話者を目指して~

2021年秋季2級合格・文部科学大臣賞
橘 幸作
大学生(東京大学)・千葉県

私がフランス語の学習を始めたのは、約1年前のことです。大学に入学するにあたり、第二外国語としてフランス語を選択したことが学びの始まりでした。もともと語学を勉強することが好きだった私は、大学で授業が始まる前から、フランス語という新たな世界へと足を踏み入れることに胸をときめかせていました。

大学でのフランス語の授業は、そんな私の期待に応えてくれるものでした。東京大学教養学部における外国語教育は、非常に充実しています。特に、トライリンガル・プログラム(TLP)と呼ばれる教育プログラムにおいては、第二外国語の運用能力を短期間で集中的に鍛えることができます。これは、入学時に一定レベルの英語力を有すると認められる学生を対象とするプログラムで、日本語と英語に加えてもうひとつの外国語をマスターすることにより、三カ国語話者となることを目指すものです。語学の勉強が大好きな私にとってTLPは非常に恵まれた環境であり、第二外国語としてフランス語を履修すると決めたときから、何としてもTLPに入ってフランス語を勉強したいと考えていました。実際にTLPフランス語の履修許可通知が届いた際には、大喜びでした。

TLPフランス語の授業では素晴らしい先生や仲間に恵まれ、私のフランス語の実力は着実に向上していきました。授業は原則としてフランス語で進行するため、早い段階からフランス語で話す訓練を積むことができ、いわゆる「4技能」を満遍なく伸ばすことができました。また、コロナ禍ということもあり、授業は基本的にオンラインで行われましたが、双方向性の高い授業であるがゆえに他のTLP生ともすぐに仲良くなり、互いに切磋琢磨することができました。

大学に入って半年が経つ頃には、フランス語の基礎が整い、仏検2級も射程圏内に入ってきました。この頃、秋季試験で仏検2級を受験することに決めた私は、仏検を意識して勉強するようになっていきました。

仏検2級の試験で最も苦労したのは、筆記試験の大問2でした。これは、与えられた日本語の文とフランス語の文が同じ意味となるように、フランス語の文の空欄に適当な単語を一語書き入れる問題です。記述式の問題であるということもあってなかなか正答率を上げることができなかった一方で、フランス語に独特な表現が多く問われていて大変勉強になる問題でもありました。例えば、2014年度の春季試験では、日本語話者とフランス語話者にとっての信号機の色の違いが出題されています。一般に、日本語話者にとって信号機の色は「青、黄、赤」の三色であり、英語話者にとっては「green、amber (yellow)、red」の三色であるのに対し、フランス語話者にとっては「vert、orange、rouge」の三色です。これは、信号機の色が物理的に異なるということではなく、ひとえに認識の問題だそうです。

このような認識の差異は、信号機の色に限ったことではないように思われます。言語が世界をどのように分節化しているかによって、世界の見え方が異なってくるということなのでしょう。私たちの認識が言語によって強く方向付けられていることを痛感すると同時に、新たな言語を学ぶことで既存の認識の枠組みから解放される体験には、何ごとにも代えがたい喜びを感じます。

フランス語の学習を始めてまだ日は浅いですが、TLPの仲間とともにこの一年間で大きな成長を遂げることができました。仏検2級の成績優秀者に選出していただいたことを大変嬉しく思うと同時に、今後ともより一層フランス語の学習に励み、三カ国語話者を目指して努力を積み重ねていきたいと思います。

仏検インターネット申込 お取扱いの一時停止について(4/28)

仏検インターネット申込は、システムメンテナンスのため、
以下の期間中、各種お取り扱いを一時停止いたします。

※期間中は申込システムへのアクセスが不通となります。
※お申込完了後のコンビニ店頭でのお支払いは可能です。
※作業の進捗状況により、終了時間は前後する可能性がございます。


仏検インターネット申込 お取り扱い一時停止期間

対象 : インターネット申込システムでのID取得・出願情報入力、
マイページでの各種操作

停止期間 : 2022年4月28日(木)AM 1:00 ~ 6:00

 

ご不便をおかけいたしますが、何卒ご了承のほど、お願い申し上げます。  

フランス語の錆落とし – 仏検は人生の deuxième étape への糧

2021年度春季1級合格・日仏会館賞
小池 穣治
千葉県

中学生の時、Radio France Internationale を短波放送で聞いてフランス語の美しさに魅せられ、大学ではフランス語を第2外国語として選択しました。その後、20代終わりにパリに赴任することとなり、2年間本格的にフランス語に接することとなりました。

当時は(今も?)パリでは英語があまり通じない中、フランス語でのコミュニケーションに悪戦苦闘する日々でした。不幸にも住居が盗難にあってしまい、警察に出向いたら、≪ English, I speak, ehhh… quelqu’un qui parle anglais? ≫ と同僚に振る始末、フランス語で状況説明しなければなりませんでした、また、車の免許を取るため「日本人OK」という現地の自動車教習所を訪れると、フランス語しかしゃべれない教官たち。話が違う!いきなりパリの公道を運転させられました。しかし、こんな修羅場を経験したおかげでフランス語は鍛えられました。まさにピンチをチャンスに、です。

日本に帰国後、仏検2級を取得しました。今から30年ほど前のことです。

その後、残念ながらフランス語を使う機会はほとんどなく、フランス語の能力はどんどん落ち、忘却のかなたに追いやられていた状況でした。

第二の人生設計を考えなければいけない年齢になったことをきっかけに、「今まで曲がりなりにも培ってきたフランス語を忘れるに任せるのはもったいないのではないか、今後フランス語を活かせる機会もあるのではないか」との思いが強くなりました。そのため、フランス語の再学習の目標とすべく30年ぶりに仏検を受験することにしました。

当初、仏検準1級の合格を目標にしました。錆びついたフランス語は相当リハビリが必要でしたが、勉強を進めていくにつれ、昔の知識・感覚が蘇ってきました。昔身につけた知識は無駄になっていなかったと実感しました。そうなると欲が出てくるもので、あまり深く考えずに仏検1級も受けることにしました。

幸運にも2020年秋季の仏検準1級に続き、2021年春季の仏検1級に合格することができました。初回での1級合格は想定外だったので、こんなに嬉しいことはありませんでした。

                                 *

さて、仏検に向けどんな勉強を行ったか、少し触れたいと思います。

まずは30年間ほぼ使う機会がなかったフランス語の錆落としをする必要がありました。このため、昔使っていたフランス語の入門書を引っ張り出して復習、特に性・数の一致、条件法、接続法を重点的に復習し、カンを取り戻す努力をしました。仏検を受験した際、こうした基礎固めの重要性を改めて認識したところです。

ネットで提供されるフランス語のニュースについて、毎日欠かさず国際情勢、仏国内の出来事を含め幅広く読むようにしました。これに加え、医療・健康や科学関連のネット配信記事を読むことにより、知識習得とフランス語能力の向上を図るようにしました。

仏検1級に特化した勉強としては、過去問や類題を何回か解き、出題傾向の相場観を養うようにしました。個別の出題分野について行った対策をいくつかご紹介します:

名詞化問題:重点的に対策を行なった分野の1つです。市販やネットの教材などを活用しつつ、名詞形と名詞化構文への変換について繰り返し学習しました。特に留意したのが特殊な名詞形と複数の名詞形があるケースです。名詞構文への変換についてはいくつかのケースに類型化し、それぞれの名詞構文化にあたってどのような動詞が用いられるかなどを別途まとめる作業を行いました。また、名詞構文への変換は1対1ではなく様々な方法があるため、市販の教材にある名詞化構文を敢えて別の名詞化構文にするといった試みをしました。仏検公式ガイドブックの解説には様々な名詞構文のパターンが解説されており、大変役に立ちました。

多義語:市販の教材がなく、最も対策が取りにくい分野でした。仏和辞書から違う意味を含む基本語彙を拾い上げ、別途単語帳にまとめるという作業を行いましたが、手間がかかるため途中で挫折しました。幸運にも対策済の部分から実際に出題されたので、作業は無駄にはなりませんでした。

時事用語:出題対策というよりは、むしろ多様な分野においてフランス語で表現する能力を高めたいという動機で覚えました。様々なソースを頼りに分野別の時事用語集を半年くらいかけて1,000単語程集めて作り、暗記しました。(例えば「新型コロナ関連」、「医療」、「政治」、「経済」、「環境・エネルギー」、「スポーツ」、「IT」など)。東京オリンピック開催年だったため関連の出題を想定していたところ、的中してよかったです。

                                 *

どうにか取得できた仏検1級ではありますが、私にとって自信を持たせてくれる心の拠り所です。ただ、1級合格に満足し、フランス語のメンテナンスが怠りがちなのも事実です。再び錆びつかせてしまわないよう、たゆまぬ努力を続けていかねばと自戒の念を込めて強く思っているところです。まもなく人生の第2フェーズに入ろうとする中、仏検合格をこの先まだ続く人生の選択の幅を広げる糧にしていければ、と思っています。

 



「仏検だより」を更新しました

「仏検だより」を更新しました。

2021年度 文部科学大臣賞団体賞 受賞のことば
立教大学フランス語教育研究室/フランス文学研究室
京都産業大学外国語学部ヨーロッパ言語学科フランス語専攻
早稲田大学高等学院

フランス語暗唱コンクール―初めてのハイフレックス開催―フランス語と私
松田 雪絵(埼玉県立伊奈学園総合高等学校)

[追悼]長谷川善一先生を偲ぶ
岩本 渉(アジア太平洋無形文化遺産研究センター所長・APEF常務理事)


[追悼]長谷川善一先生を偲ぶ

岩本 渉(アジア太平洋無形文化遺産研究センター所長・APEF常務理事)

フランス語教育振興協会(APEF)前理事長の長谷川善一先生が2月21日、82年の生涯を閉じられました。ここに謹んで哀悼の意を表します。故人の思い出をつづるといっても、私は2015年長谷川先生が理事長を退任されるのと同時に本協会の理事になったので、協会での仕事よりも、二人の共通の職場であった文部省(現文部科学省)時代の話が多くなります。

長谷川先生は1962年東京大学教養学部フランス科卒業後文部省に入省され1966年から68年まで人事院長期在外研究員としてフランスに派遣されました。政府による同制度のフランス派遣の第1期生であり、ストラスブール大学、そして後半の1年を国立行政学院(ENA)で学ばれました。後年、私が当時の思い出を伺うと、ストラスブールの冬の暗い夜道を大学の帰途歩いていると、通りがかりの建物の窓から子供が「アジア人!」と言って物を投げてきたというような話を伺ったことがあります。またENA在籍の半分の期間は、Indres et Loire 県の副知事として県内を駆け回ったと懐かしそうにお話されたのを覚えています。一方、Mai 68 の社会の動乱を現地で体験され、「学生らが機動隊に殴打されるのを見て、国家権力の正体を見たような気がする」と話されたことがありました。

フランスへの2回目のお仕事は1975年から78年にかけて在仏日本大使館一等書記官、文化アタッシェとしてのご勤務で、我が国初のフランスの国宝級の展示、モナ・リザ展実現に向け現地で精力的に交渉にあたったのも先生でした。当時、国際交流基金からパリに派遣されていた故大塚本協会理事とは、ともにパリを舞台にして働いた戦友でいらっしゃいました。

私は、先生より15年後に生まれ文部省に入省しましたが、長谷川先生と言えば、省内の国際派の代名詞的存在でした。私が、文部省で長谷川先生以来13年ぶりにフランスへ行く在外研究員を志願した時に省内選考をしてくださったのも先生でした。また、最終選考合格後、フランスの大学から予備登録の回答がないと言ってやきもきしてご相談すると「君、フランスが相手だから心配しないでいいよ」と慰めてくださいました。いよいよ渡仏が近づくと、凱旋門から放射線状に伸びた avenue のどれを行けば大使館に行けるか、手配してくださったホテルにどう行くかを、きれいに地図にして教えてくださいました。語学研修を受ける Tours へは、普通一つ手前の St-Pierre-des-Corps の駅で降りて乗り換えなくてはいけないなどと教えてくださいましたが、そんな時には、ご本人も懐旧の念に浸っていらしたようでした。

私が大使館勤務になった時もたまに出張などでいらしてご一緒することがありました。その折、長谷川先生から言われた「フランスの官僚はどんなに忙しくても面会の申し込みがあると断らない、短時間でも会って話を聞いている、これが彼らの優れた仕事の秘訣だよ」という言葉は、今でも私の仕事に大変役立っています。

後年ユネスコを志望した私が、二国間の外交官の仕事と国際公務員の仕事の比較を先生に伺ったところ、「国際機関は普遍的な理想を追及はしているが、déraciné になるようで、僕は苦手なんだ」と言われました。自分のアイデンティティは守りたいとお考えだったような気がします。20年たった今、二人でこの点を議論しだしたら1日では足りないだろうと思います。

長谷川先生は、文部省退職後も多様なお仕事に就かれました。APEFには1998年から関わられました。2011年の公益財団法人化の実現は、役員、事務局一丸となった努力の賜物ですが、長谷川理事長の豊かな職務経験、卓越したリーダーシップと洞察力がなければ実現しなかったでしょう。フランス語に serein という言葉があります。長谷川先生はじっくり相手の話を聞き沈着に行動され、まさにこの言葉が打って付けの方だったと思います。

APEFの会議の後の懇親会などで、よく大塚理事とお二人戸外で喫煙し談笑されている姿を目にしましたが、私には、一幅の寒山拾得の画のように見えました。今頃天国からお二人はあの優しい眼差しで我々を見ておられることでしょう。

 

仏検成績優秀者表彰式(2014年3月 於日仏会館)にて
モロッコ大使のスピーチに耳を傾ける長谷川前理事長

 

APEF前理事長の長谷川善一先生が2022年2月21日、82歳でご逝去されました。長谷川先生は文部省(現文部科学省)入省後、在仏日本大使館書記官、文部省学術国際局長等を歴任。日本芸術文化振興会、国連大学等でも理事を務められ、2012年にはフランス共和国から教育功労章オフィシエを受章されました。APEFでは1998年に理事に就かれた後、2004年からは理事長として2015年までの11年にわたり公益財団法人化を始めとする協会の発展に大きく寄与され、2015年から2019年までは評議員を務められました。謹んでご冥福をお祈りいたします。

 

東日本高校生フランス語暗唱コンクール―初めてのハイフレックス開催―

松田 雪絵(埼玉県立伊奈学園総合高等学校)

 2022年3月13日、慶應義塾大学三田キャンパス北館ホールで東日本高校生フランス語暗唱コンクールが開催された。今回は会場に足を運べない高校生のためにオンライン参加も可能にしてハイフレックス開催となった。北海道から神奈川まで21校35名の生徒が出場し、そのうち4校7名の生徒がオンラインで参加した。

 このコンクールはフランス大使館が後援し、アンスティチュ・フランセ横浜(以下IFJ-横浜)、慶應義塾大学湘南藤沢キャンパス(以下慶應SFC)、そして日本フランス語教育学会(以下SJDF)が共同で開催している。私はSJDFの初中等教育委員会の代表として運営に携わっている。準備は年度初めに日程を決めて会場を押さえることから始まる。今回はコロナ禍の対面実施ということで会場担当の慶應SFCの國枝孝弘先生は苦心して三田キャンパスに掛け合ってくださった。

 会場を押さえたら次は課題選びである。フランコフォニー月間の3月に開催されるため、北アメリカ、西インド諸島、アフリカ(サブサハラ)、マグレブ、ヨーロッパの各地域から1つずつ、5つの課題が出される。テクストの種類も小説や詩、政治演説などバリエーションに富み、今回は新たにグラフィック・ノベルが加わった。標準フランス語の初級・中級レベルの語彙で150~250語で書かれているものが望ましい。この難しい注文に例年応えてくださるのが法政大学の廣松勲先生。複数の言語や文化をまたがって生きる苦悩や魅力、ジェンダー、人種差別など、まさに高校生に考えてほしいテーマを扱う素晴らしい課題を用意してくださる。ところが昨年度は廣松先生がサバティカル。そこへ獨協大学のジョルジュ・ヴェスィエール先生が新たに初中等教育委員会に加わり窮地を救ってくださった。ありがたいことに課題文の準備に加えて暗唱のモデル録音まで担当してくださった。これは第2外国語としてフランス語を学ぶ学習歴1~2年目の高校生が対象のコンクールである。初級者にもわかるように「ゆっくりはっきり」と、そして出場者がモデル録音に影響され過ぎないように「表現は控えめに」という要求に見事に応えてくださった。

 課題文とモデル録音が揃ったら募集を開始。対面実施の準備をしていたのに年明けには新型コロナウイルスの感染者数が急増。昨年はビデオ審査だったが、結局今年もオンライン開催になるのかと思っていたら、國枝先生が高校側の意向を尋ねてくださった。都心と地方の高校どちらからも対面実施を望む声が圧倒的だったが、遠方であることや感染が不安、直前に濃厚接触者になった等の理由で会場に来られない高校生を切り捨てたくなかった。そこでIFJ-横浜のシビル・デクフレさんの提案もあり、対面とオンラインのどちらも可能にするハイフレックス形式で開催することになった。慶應SFCの宮代康丈先生と西川葉澄先生は検討すべき点を素早くリストにしてくださり、それをもとにオンライン会議も行った。直前にはSFCの先生方で下見までしてくださった。常に出場する高校生のことを最優先に考えて最善を尽くしてくださるIFJ-横浜、慶應SFC、そしてSJDFの方々とのこの協力体制をとても誇りに感じている。SJDFの私の役割は、募集要項やプログラム、評価シートなどの文書作成、そして運営者側や出場校、協賛団体との連絡調整役である。今回は複数の高校の先生方が助けてくださり、ありがたかった。さすがに先生方は手際が良く、例年よりも余裕を持って本番を迎えることができた。

 当日、司会を務めたのは國枝先生。開会式から冗談を交えて高校生の緊張を解いていた。宮代先生はオンライン参加者の発表が少しでもよく伝わるように細やかな気配りでZoomの操作をしてくださった。審査員を務めたのはIFJ-横浜のデクフレさんとコリンダ=ガエル・ベオンさん、そしてSFCの西川先生、SJDFのヴェスィエール先生。笑顔と温かいまなざしでエールを送るようにひとりひとりの発表を見てくださり、結果発表後も出場者へ丁寧にアドバイスをしてくださった。

 ところで、「フランコフォニーのテクストが課題だなんてとんでもない!」という声が時々聞かれる。そう考える方はぜひコンクール会場へ足を運んでいただきたい。高校生は大人の予想を気持ちよく裏切ってくれる。作品の背景を調べてテクストを解釈し、初級者ながらも見事にフランス語で表現している。コロナ禍で自分の力を試す機会が奪われてきたからか、今年は例年以上に意気込みが感じられた。会場の空気をつかんで生き生きと発表していたのが印象的だった。これだけレベルの高いコンクールとなるのは、出場者本人の努力に加えて、高校の先生方の日頃の熱心なご指導のおかげでもある。

 コンクールは競い合いの場であるが、他にもさまざまな役割がある。まずは交流の役割。高校生が同じフランス語を学ぶ仲間と出会える場、そして高校教師同士、または高校と大学の教師が情報交換できる場となっている。今回も休憩時間に楽しそうに声を掛け合う高校生を見て、苦労して対面で実施した甲斐があったと感じた。また、コンクールは高校生の成長のきっかけにもなっている。まずは「初級者の自分がこのテクストを暗唱できた!」と自分に驚いた生徒は少なくないはずだ。人前で堂々と発表できた自分に自信を持てた生徒もいるだろう。悔しい思いをした生徒もそれもひとつの経験。私の生徒達も他の出場者の発表を見て自分に足りないところを認識し、秋に開催されるスケッチ・コンクールでは絶対にリベンジしたいと言っていた。人前での発表に怖気づいていた2人が大きな進歩である。さらには、フランス語学習に有益な情報を提供する場にもなっている。アンスティチュ・フランセやDELF、仏検の存在をコンクールで知る高校生もいる。また、賞品を通して各出版社が出版するフランス語の学習書を知ることにもなる。他にも慶應SFCの多言語入試や獨協の自己推薦入試などフランス語を活かせる入試も紹介されている。

 このような有意義なコンクールを毎年開催できるのもAPEFをはじめ協賛団体に大きく支えていただいているおかげである。心より感謝申し上げたい。




2021年度 文部科学大臣賞団体賞 受賞のことば

文部科学大臣賞団体賞は2013年度に創設され、当年度における出願者数とその増加率および試験結果等を勘案し、年度を通じたフランス語教育への取り組みを総合的に判断した上で、特に優秀と認められた団体に授与されます。2021年度は、立教大学フランス語教育研究室/フランス文学研究室、京都産業大学外国語学部ヨーロッパ言語学科フランス語専攻、早稲田大学高等学院が選出され、APEF役員が各校にお伺いし表彰の場をもちました。表彰団体の先生方からお寄せいただいた受賞のことばをご紹介します。

  立教大学フランス語教育研究室主任 関未玲先生

 このたびは文部科学大臣賞団体賞をいただき、誠に光栄なことと心よりお礼申し上げます。本学では2005年秋季の仏検より、準会場として団体受験を実施してまいりました。フランス語・文学を専門とするフランス文学専修の学生はもちろんのことながら、第二外国語としてフランス語を学ぶ他学部学生も、毎年仏検にチャレンジしています。名誉ある賞を頂きまして、仏検実施に携わる教員はもとより、フランス語学習に取り組む学生にとって大きな励みとなります。コロナ終息を見据え、学内の留学プログラム応募に必要な仏検等の資格合格に向けて、日々フランス語学習を頑張っている学生を、これからも応援できるような環境づくりを目指してまいります。有難うございました。
写真(後列左)関未玲先生・(前列中央)立教大学総長 西原廉太先生・(同中央左)澤田直先生・(同右)西澤文昭APEF理事長・立教大学の先生方と学生の皆さん・APEF職員

京都産業大学外国語学部教授 平塚徹先生

 このたびは、文部科学大臣賞を賜り、京都産業大学外国語学部ヨーロッパ言語学科フランス専攻教員一同、大変名誉なことだと喜んでおります。本専攻は、優れたフランス語力を養成するために、1・2年次には週5回のフランス語の授業を設け、到達度の検証を仏検で行なっております。また、3・4年次においても上級合格を目指して指導しています。
 本専攻の教育において、仏検は学生に目標・励み・達成感を与えてくれる不可欠の存在です。2020年度はコロナ禍で例年通り団体受験を実施できず大いに苦しみましたが、今回、やっと団体受験を再開できたところに思いも掛けない受賞となり、一層の喜びを覚えた次第です。改めて心よりお礼を申し上げます。
写真(後列左から)北村卓APEF副理事長・平塚徹先生・ブルーノ ティノ エリック先生・長谷川晶子先生・井上俊博先生・伊ケ崎泰枝先生・(前列)学生の皆さん

早稲田大学高等学院フランス語科 中野茂先生・大原宣久先生

 この度は文部科学大臣団体賞を賜り、早稲田大学高等学院の教員一同大変嬉しく、また光栄に思っております。早稲田大学高等学院の歴史は1921年大学予科に始まり、フランス語教育も予科の時代からの長い伝統を持っております。卒業生は原則全生徒が早稲田大学に進学する本学院では、第二外国語が三年間選択必修(独、仏、露、中のなかから一つ選択)となっており、第三外国語でフランス語を学んでいる生徒も含めると全校で500名近くの生徒がフランス語を学んでいます。
フランス語科では、「異文化理解にもとづいた豊かな人間形成」と「フランス語を活かした国際社会での活躍」といった目標をもとに授業を展開しております。これらの目標を達成するうえで、実用フランス語技能検定試験(仏検)は大変大きな存在となっております。
 この場をお借りして今後も皆様からのご指導ご鞭撻をお願いすると同時に、さらなる仏検の発展をお祈りいたします。
写真(右から)野中純先生・大原宣之先生・中野茂先生・学院長 武沢護先生・西澤文昭APEF理事長・生徒の皆さん



好きこそ物の上手なれ

2021年秋季準1級合格・ケベック州政府在日事務所賞
森川 奈緒美
主婦・埼玉県

大学時代に専攻だったのにもかかわらず中途半端な習得で終わってしまったフランス語と本気で向き合おうと、5年程前に独学で再び勉強を始めました。以来、全くの趣味ですが、家事育児の合間にフランス語を勉強することは私の生活の一部になっています。フランス語を話す、使う機会が欲しく、2年半前からは週に一度オンラインでの授業を受けています。

普段はフランス語の記事等を読み、書き写し(各単語の綴り、文の構造、動詞の活用の確認と新しく出会った単語の意味を頭に入れる為)、そしてインターネットラジオでフランス語を毎日聴いています。局や番組によっては過去の放送も聴けますし、放送内容を簡単にサイト上で文章化してくれているので聴力のトレーニングに放送時間が短めの番組も時々利用しています。(放送内容を見ずに何度か聞く→内容を自分の言葉で要約する→放送内容を見て自分の理解度をチェック!)

今までの努力の成果を試してみようと今回仏検受験に至りました。

1次試験に関しては、普段の勉強+対策本を通しての仏検に向けた勉強の甲斐あって満足出来る状態で試験に臨むことが出来ました。

しかし、週に一度しかフランス語を話す機会がない私にとって、2次試験に向けての対策は難を要しました。1次試験が終わって2次試験までの約2ヶ月間は長いようであっという間に過ぎていきました。まずは口述のテーマとなり得るだろう時事、社会問題、日本特有の文化に関する記事を(日本語で書かれたものだけでなく、フランス語で書かれたものも含めて)読みました。幸い、ネットで様々な情報を得ることが出来る時代です。フランス語で書かれた日本に関する記事に沢山触れ、知識と語彙を豊かにしました。そこから各テーマに対して自分の意見を持つよう意識しました。本番では(口述の)準備、口述ともに時間が限られているので、いかにその短い時間にテーマに沿ったアイディアを出して、論理的にまとめるかが鍵になります。オンラインのレッスンでも会話を重点的にみてもらいましたし、夜な夜なタイマー片手にひとりで何度も練習を重ねましたが、本番に向けて話す能力を上げていくのは難しかったです。理想を言えば、やはりこの練習には聞いてもらえる相手、訂正やアドバイスをくれる相手が必要だったと思います。

本番が終わった後になって、「こんな事も言えたのではないか」とか「論述としてテーマに対する最後の締めくくりが出来ていなかった」などといった気持ちもありましたが、私にとって、この2次試験は初めての場で、かつ初めて会う試験官の前でフランス語を話すという経験を得られたのと、今後のステップアップの課題を見つける良い機会となりました。また仏検合格という結果を目にした時、今まで勉強してきたこと、努力してきたことが初めて「形」になりました。

「言語は生きている」本当にそう思います。新しい単語が生まれることもあり、廃れていく単語もあり、また元々の意味から離れ別の意味を持って独り歩きする単語もあり。フランス語の学習に終わりはありません。だからこそやりがいを感じます。フランス語を母語とする人々と同じような感覚でフランス語を読んだり、話したりすることが出来たらどんなに素晴らしいだろうと思います。いつか日常的にフランス語を話す機会を持てることを夢見て今日も明日もフランス語の世界に浸る時間を堪能します!





大型連休期間の休業についてのお知らせ

公益財団法人フランス語教育振興協会・仏検受付センターは、大型連休に伴い、4月29日(金)~5月5日(木)を休業期間とします。つきましては、休業期間中にお寄せいただく仏検・翻訳・APEF青山フランス語プロフェショナルコースの各業務についてのご依頼・お問い合わせが5月6日(金)以降のご対応となりますことをご了承ください。

また、翻訳サービスにつきましては、連休直後に複数のご依頼が重なり、通常よりも翻訳工程に日数を要する場合が想定されます。

ご不便・ご迷惑をおかけいたしますが、ご理解を賜りますようお願い申し上げます。

第3言語としてのフランス語

2021年秋季5級合格・在日スイス大使館賞
堀田 悠惺
小学3年(Global Indian International School Tokyo)・東京都

nk_ceremonie

ぼくは日本に住んでいて、英語を第一言語とするインド系のインターナショナルスクールに通っている日本人の小学生です。 フランス語を始めたのは3年前です。小学生になるときに学校の授業の第3言語にフランス語を選びました。その理由は2つあります。1つ目は、フランス語は英語と似ている単語があって楽しそうだったからです。2つ目は、ぼくは絵を描くのが好きなので、いつかフランスに絵の勉強をしに行きたいからです。

学校では、週に1回、フランス語の授業があります。フランス語の先生は、日本語は使わずにフランス語や英語で授業をします。そのため、自然にフランス語が聞き取れるようになりました。他にもフランス人の考え方や、日本の文化との違いをお話してくれることもあります。

2年生になって、もっと上手になりたくてオンラインで会話のレッスンを始めました。先生はフランス人でおしゃべりも楽しいし、フランス語を話すたくさんの国の文化も教えてくれます。3年生になって、文法が少しずつわかってきたのでフランス語検定の5級を受けることにしました。準備は2か月前から始めました。学校ではまだ習っていない文法もあったので、5級の本を1回読んでから、模擬問題を2回分解きました。わからないところは先生に聞いて、ぼくが理解できるまで教えてもらいました。おかけで無事に合格できて成績優秀者にも選んでもらうことができました。最近の楽しみは、外出したときにフランス語で書かれている看板の意味が分かるようになってきたことです。

次は4級を受験します。短い期間の目標として、フランス語検定を受けることはとても良いです。受かるととても嬉しいので、勉強を続けるモチベーションになるからです。

今のぼくの希望は、2024年にフランスのパリで開かれるオリンピックを観戦しに行って、美術館で絵を観ることです。その時に現地の人とフランス語でお話ができるようになれたらいいな。

フランス語に感謝

2021年春季2級合格・文部科学大臣賞
赤城 みう
東北大学学生・宮城県

私は高校時代に1年間フランスへ留学をしました。非英語圏に行きたいなと考え、なんとなくフランスを希望しましたが、この経験は私に劇的な影響をもたらしました。

恥ずかしながら、私は Bonjour と Je m’appelle 〜 しか知らずに渡仏しました。その程度のフランス語力だったので、留学中には本当に苦労しました。言葉が話せないと、自分が赤ちゃんになった気分だったのを覚えています。伝えたいことがあっても伝えられないもどかしさと、みんなが話していることを理解したいという気持ちが、私のフランス語のやる気に火をつけました。初めは、よく耳に入ってくるフランス語をカタカナで書き取って、意味を後から確認することから始めました。フランス語を話せるようになればなるほど、留学先の高校の友達やホストファミリーとの距離が縮まって行くのを感じて、大きなモチベーションとなりました。フランス語は、私に留学先でのたくさんの素敵な出会いをくれました。フランス語という道具を通じてできた知った世界や、得た人々との絆は、私にとってかけがえのないものです。

現在、私は東北大学に在学しています。大学でも、フランス語の学びを継続しています。フランス語のおかげで大学でできた繋がりが2つあります。

1つは、一緒にフランス語を勉強する仲間たちです。高校まではフランス語を一人で勉強していたのですが、大学では、私たち学生のフランス語力向上のために尽力してくださる先生と、共に高め合える仲間がいます。とても心強いです。みんなが努力しているのを見て、私も仏検に挑戦しようと思えました。現在は、「日本の学生が選ぶゴンクール賞」のプロジェクトにみんなで取り組んでいます。フランス語の小説を読み味わうのは簡単なことではありませんが、とてもやりがいを感じています。


もう1つは、フランスからの留学生との出会いです。東北大学は留学生が多く国際性に力を入れている大学で、フランスの大学からの留学生も多くいます。コロナ禍にも関わらず、彼らのおかげで日常的にフランス語で会話をする機会を持つことができました。特に彼らとの会話を通して、フランス語に感情が乗るようになったのは大きな進歩です。前よりもずっと自分の言葉、気持ちとしてフランス語を話せるようになりました。また、日本で暮らしているフランス人から見た日本について考えを彼らから聞くのも、非常に面白いです。


私は、今年の夏からリヨンの大学に交換留学をします。この留学では「フランス語を学ぶ」だけでなく「フランス語で学ぶ」ことができるように頑張りたいと思っています。今からとても楽しみです。

留学以来ずっと私の人生を豊かにしてくれているフランス語に心から感謝したいです。そして、フランス語を通して私と出会い、良い影響を与えてくれた方々にもここで感謝したいです。ありがとうございます。Merci beaucoup !!

留学先、Evianで訪れたレマン湖畔





決済サービス会社におけるクレジットカード情報流出に関するご報告とお詫び

決済サービス会社におけるクレジットカード情報流出に関するご報告とお詫び

この度、弊会の仏検インターネット出願受付システムで利用している決済代行サービス(以下「本決済サービス」といいます)において、同サービスの提供元であり、個人情報保護マネジメントシステムに基づくPマーク取得事業者である株式会社メタップスペイメント(以下「MP社」といいます)の決済情報データベースに対する外部からの不正アクセスが発生しました。

MP社の報告によれば、仏検インターネット出願受付システムでクレジットカード決済を利用された一部の方の個人情報が流出した又は流出した可能性があるとされており、皆さまに多大なご迷惑とご心配をおかけしてしまったことを深くお詫び申し上げます。

なお、本決済サービスはMP社により運営されているものであるため、弊会ではクレジットカードに関する個人情報を保有しておらず、弊会からの個人情報の流出はございません。

MP社の決済情報データベースに対する不正アクセスの状況と調査経緯の詳細につきましては、 MP社のホームページ(https://www.metaps-payment.com/company/20220228.html) よりご覧いただけます。

以下では、MP社の決済情報データベースに対する不正アクセスによる個人情報流出の概要とその対応についてお知らせいたしますので、ご確認くださいますようお願い申し上げます。

1) 発生事象の概要について

MP社の決済データセンターサーバー内に配置された一部のアプリケーションの脆弱性を利用され、外部からの不正アクセスが行われました。この不正アクセスは、2021 年8 月2 日から2022 年1 月25 日にわたって以下の事項が複合的に行われ、決済情報等が格納されているデータベースにまで達し、個人情報を含む情報が外部に流出したことが判明いたしました。

なお、現時点におきましては、MP社での以下の各事項の防止や排除等の対策は完了しております。
・社内管理システムへの不正ログイン
・一部アプリケーションへのSQL インジェクション
・不正ファイル(バックドア)の設置

2) 情報流出の可能性のある方と流出した情報の項目について

仏検インターネット出願受付システムで利用されたクレジットカード決済に関して、不正アクセスのあったMP社の下記①②のデータベースに格納された個人情報が流出した可能性があるとのことです。

①トークン方式クレジットカード決済情報データベース

MP社の公表では2021年10月14日から2022年1月25日の間に利用されたクレジットカード決済にかかる「カード番号」「有効期限」「セキュリティコード」の情報が流出した可能性があるとされており、仏検については2021年10月14日から10月28日(出願受付終了日)の間にクレジット決済で出願を完了された方の個人情報が流出した可能性があります。該当する方には順次個別にご連絡いたします。なお、MP社ではすでに流出原因の防止や排除等の対策は完了しており、第三者調査機関より安全性が認められているとのことです。

※MP社において第三者調査機関による調査が行われた際、不正に取得された件数・個別のカード情報が特定されなかったため、該当の期間にクレジットカード決済を利用された方の取引全件が対象となります。よって「全件が流出対象」という確証はなく、あくまで「全件が流出懸念の対象」とのことです。

②決済情報データベース

2021年5月6日から2022年1月25日に利用されたクレジットカード決済にかかる「カード番号」「有効期限」の情報流出が確認されています。こちらはMP社および第三者調査機関の調査によって流出した情報が特定されておりますので、該当する方には順次個別にご連絡いたします。

3)仏検秋季試験を2021年10月14日から10月28日(出願受付最終日)の間にクレジットカード決済で出願された方へのお願い

誠に恐縮ではございますが、クレジットカードのご利用明細書に身に覚えのない請求項目がないか、今一度ご確認をお願いいたします。

万が一、身に覚えのない請求項目の記載があった場合は、大変お手数ではございますが、同クレジットカードの裏面に記載のカード会社にお問い合わせいただきますよう、併せてお願い申し上げます。

なお、お客様がクレジットカードの差し替えをご希望される場合、カード再発行の手数料につきましてはお客様にご負担をお掛けしないよう、MP社よりクレジットカード会社に依頼しております。

4) 公表が本日になった経緯

弊会は、MP社による報告を受け、すみやかに専門家に相談するとともに、皆さまへ出来る限り正確な情報を提供するために影響の範囲等について調査を開始いたしました。具体的には、MP社が公表している調査報告書の内容の吟味だけでなく、MP社およびインターネット出願受付システムを運営する委託会社の担当者へのヒアリング、情報流出の可能性のある方の調査を行い、その結果、本日の公表までにお時間を要することになりました。本日の公表まで大変なご心配をおかけいたしましたことを心からお詫び申し上げます。

5) 本件に関するお問い合わせ先

情報流出の経緯・原因・対策のご説明 などにつきましては、下記MP社のお客様電話窓口までお問い合わせいただきますようお願いいたします。

■ メタップスペイメント お客様電話相談窓口
・受付時間:9:00 ~ 21:00(土日祝日も受付)
・電話番号:0120-816620(フリーダイヤル)
・案内内容: 情報流出の経緯・原因・対策の説明/お客様へのお願い事項に関する説明

不正利用状況の確認ならびにカードの再発行 につきましては、カード発行会社にご連絡ください。カード会社へお問い合わせの際は、スムーズなお手続きのため「メタップスペイメント不正アクセスの件」である旨をお申し出いただきますようお願いいたします。

■ 各カード会社連絡先
・電話番号:カード裏面に記載されている連絡先
・受付時間:カード会社によって異なります。
・案内内容:不正利用確認/カード再発行/カード利用停止に関するご説明


あらためまして、この度は仏検をお支えくださる皆さまにご迷惑とご心配をおかけする事態となりましたことを心よりお詫び申し上げます。弊会といたしましても、被害に遭われた方へ真摯に対応するとともに、信頼回復に向けた取り組みを進めてまいります。

2022年度 合格基準点・合格率

級(季)出願者数1次試験1次試験免除者数2次試験
受験者数合格者数合格基準点合格率受験者数合格者数合格基準点最終合格率
1451名415名53名94点12.8%5名53名45名30点10.8%
1889名747名198名62点26.5%40名222名180名23点23.3%
2()999名872名322名66点36.9%37名342名290名19点32.5%
()1,114名933名322名61点34.5%38名343名303名19点31.8%
2()1,215名1,039名636名56点61.2%60名673名579名18点53.8%
()1,289名1,084名636名55点58.7%55名661名579名16点52.2%
3()2,229名1,994名1,055名55点52.9%     
()2,689名2,388名1,527名60点63.9%     
4()1,704名1,541名1,148名60点74.5%     
()2,867名2,611名1,993名60点76.3%     
5()1,353名1,255名1,011名60点80.6%     
()2,078名1,902名1,710名60点89.9%     

2021年度 合格基準点・合格率

級(季)出願者数1次試験1次試験免除者数2次試験
受験者数合格者数合格基準点合格率受験者数合格者数合格基準点最終合格率
1460名413名48名83点11.6%7名54名46名31点11.0%
1918名811名218名74点26.9%30名231名184名23点22.3%
2()1,232名1,065名398名63点37.4%53名434名358名19点32.5%
()1,313名1,155名404名60点35.0%57名424名384名18点32.7%
2()1,234名1,066名658名59点61.7%48名684名596名19点54.6%
()1,412名1,232名710名55点57.6%50名719名628名18点50.6%
3()2,164名1,929名1,079名60点55.9%     
()2,811名2,520名1,414名59点56.1%     
4()1,719名1,571名1,305名60点83.1%     
()2,905名2,695名2,013名60点74.7%     
5()1,292名1,173名1,043名60点88.9%     
()1,987名1,842名1,576名60点85.6%     

2021年度春季仏検 3級 選択肢での誤植について

2021年6月20日(日)に実施された仏検春季1次試験・ 3級筆記試験におきまして、選択肢中に誤植がございました。

 3級 筆記試験問題冊子10ページ 大問 [9]
選択肢④

【誤】 comfortable  ⇒  【正】 confortable

公的な性格をもつ検定試験としての仏検への信頼を揺るがしかねない事態に、関係者一同、深く反省いたしますとともに、問題作成の諸段階での校正チェック体制を強化し、このような失態を繰り返すことのないよう努めて参る所存です。今回の件につきましては何卒ご寛恕くださいますよう、お願い申し上げます。

仏検実行委員会 

短期集中講座「リモート同時通訳ワークショップ」

開講コース案内(2022年度)

講座概要


・応募資格:仏検1級以上/通訳実務経験3年以上(兼業可)
・定員:10名
・受講料:27,500円(税込み) ※入学金不要

【開講日程】2022年2月27日(日), 3月6日(日), 3月13日(日), 3月20日(日)
      ※全4回
【開講時間】14:00~16:00(2時間)
【会場】オンライン(ZOOM)

キャンセル待ちについて


「リモート同時通訳ワークショップ」にご関心をお寄せくださり、誠にありがとうございます。

本講座は定員に達したため、お申込みを締め切らせていただきました。

ただいまキャンセル待ちで受け付けております。

お席に空きが出ましたらご連絡差し上げますので、 cours@apefdapf.org まで、メールにてお申込みください。   

※お席に空きが出た場合のみ、キャンセル待ちのお申込み順にメールでご案内します。 
※大変恐れ入りますが、お席に空きが出なかった場合はご連絡いたしません。

お問い合わせ

公益財団法人 フランス語教育振興協会
APEF青山フランス語プロフェショナルコ ース担当 
〒102-0073東京都千代田区九段北1-8-1 九段101ビル6F
TEL(直通):03-6268-9680 FAX:03-3239-3157
E-mail:cours@apefdapf.org

2次試験当日の緊急連絡先について

1月23日(日)の仏検2次試験当日、緊急連絡先を下記のとおり開設いたします。


【2次試験当日のお問い合わせ】仏検受付センター

TEL:03-5778-4073 
受付時間:1月23日(日)9:00~16:00


・受験票が未着または紛失された方はヘルスチェックシートをこちらからダウンロードしてください。
試験を欠席される場合、事前連絡は不要です。なお、欠席された方への結果通知の発行は行いません。
 2次試験を欠席された方に対する来季の1次試験免除については、こちらをご覧ください。

・試験開催にかんする最新の情報は「2021年度秋季試験の開催について」のページでご案内しています。(1月22日追記)新型コロナウイルス感染等による欠席予定者・欠席者への対応を同ページに追加しました。

2023年度春学期 受講者募集のお知らせ

2022年度秋学期からの継続受講に加えて、全コースで新規受講者を若干名募集します。
受講資格をご確認のうえ、以下の要領でお手続きください。

春学期 受講申込方法

【受講申込期間】2023年3月1日(水)から3月24日(金)まで

※締切後の申込も場合によって受け付けますのでご相談ください。

● 継続受講の方

上記期間内に受講登録を終えてください。

● 新規受講希望の方

申込書(word)をダウンロードし、必要事項をご記入のうえ、cours@apefdapf.orgまでメール添付でお送りください。折り返し受講対象クラス、入学テスト受験の要不要などをお知らせします。

wordフォーム申込書(word) pdf申込書(pdf)

入学テストは下記の要領で実施します。

2023年度春学期 入学テスト 実施要領

●日 時:2023年3月25日(土)11:00開始 16:00終了予定
      <筆記試験>11:00~12:00 <面接>14:00より順次
●会 場:オンライン
●受験料:3,300円(税込み)
  ※銀行振込(下記参照)による事前支払い
  ※いったん納入された受験料は一切ご返金いたしかねます

◎ 出願期間:2023年3月1日(水)から3月24日(金)まで

<入学テスト受験料 振込先 > 
みずほ銀行  九段支店(店番号532) (普)1805436
(口座名義)公益財団法人 フランス語教育振興協会 教育口

※入学テストの免除について

  • 2008年秋季以降の仏検1級、準1級(および対応するDELF・DALF)取得者で、「通訳準備科」、「翻訳(基礎科・本科)」を希望される方は入学テスト免除になります。免除を希望される場合は、申込書をお送りいただく際に当該レベルの合格証書またはディプロムの写しを併せて提出してください。
  • 「通訳基礎科・本科」を希望する方への入学テスト免除はありません。

入学テストの結果はテスト実施後3日以内にメールでご連絡いたします。

入学テスト合格者およびテスト免除*で受講決定の知らせを受けた方は受講登録にお進みください。

お問い合わせ

公益財団法人 フランス語教育振興協会
APEF青山フランス語プロフェショナルコ ース担当 
〒102-0073東京都千代田区九段北1-8-1 九段101ビル6F
TEL(直通):03-6268-9680 FAX:03-3239-3157
E-mail:cours@apefdapf.org

2021年度 年末年始の休業期間についてのお知らせ

公益財団法人フランス語教育振興協会は、2021年12月28日(火)より新年1月4日(火)までを休業期間とさせていただきます。

仏検・翻訳・教育の各業務についてのご依頼・お問い合わせは1月5日(水)以降のご対応となりますことを予めご了承ください。

ご不便・ご迷惑をおかけいたしますが、何卒ご理解を賜りますようお願い申し上げます。

1次試験当日の緊急連絡先について

11月21日の仏検1次試験当日の緊急連絡先を下記のとおり開設いたします。


【1次試験当日のお問い合わせ】仏検受付センター

TEL:03-5778-4073 
受付時間:11月21日(日)9:00~16:00


・受験票が未着または紛失された方はヘルスチェックシートをこちらからダウンロードしてください。
試験を欠席される場合、事前連絡は不要です。なお、欠席された方への結果通知の発行は行いません。
感染対策の一貫として今季も試験終了後の正解例の配付は行いません。正解例は試験当日11月21日(日)の20:00過ぎに当ホームページにて公開予定です。

仏検秋季1次試験 沖縄会場での感染対策について

2021年度秋季仏検1次試験沖縄会場は、受験票でお知らせのとおり 沖縄国際大学 13号館 にて開催いたします。
試験開催にあたっての当協会の新型コロナウイルス感染症対策は当ホームページでご案内していますが、沖縄会場として当協会が施設を借用する沖縄国際大学では、独自の感染対策を取られています。積極的なPCR検査・抗体検査の受検または2回のワクチン接種にご協力をお願いいたします。

なお、沖縄国際大学の新型コロナウイルス感染症対策に関するご質問は、直接会場にお問い合わせくださいますようお願いいたします。

【お問い合わせ】
沖縄国際大学 グローバル教育支援センター
〒901-2701 沖縄県宜野湾市宜野湾2丁目6-1
TEL:098-893-7668 FAX:098-893-8932
E-mail:ircchr@okiu.ac.jp
※受付時間 9:00-17:00、土日祝を除く

第32回 準1級の書き取り試験—文法知識の再チェックを—(上級)

慶應義塾大学准教授 井上 櫻子 

 


仏検では、 準2級から書き取り試験が登場しますが、準1級、1級レベルになるとその内容もかなり複雑になってきます。このレベルの試験対策としては、聴解力アップのために、France Info や RFI など、生のニュースを視聴できるインターネットのサイトを活用したり、語彙力を高めるためにフランス語圏の新聞、雑誌のサイトに親しんだりすることが有効であることは言うまでもありません。しかしそれと同時に、細かいミスによる失点を防ぐためにぜひとも求められるのが文法知識の再チェックです。ここでは、2020年度秋季準1級書き取り試験を例にみていきましょう。



                

この書き取り試験では、両親の勧めにしたがって画家になる夢をあきらめ、将来の安定した生活を保証する学校に進学したものの、それから30年たってもいまだに家賃の支払いに苦労するほど困窮している人の話が取り上げられました。そのなかから、多くの受験者がつまずいた箇所をピックアップしてみます。なお、音声は1つ目がポーズなしのもの、2つ目がポーズと句読点指示ありのものです。

 

     

(ポーズなし)

 

(ポーズ、句読点指示あり)

 

(解答)

Mais mes parents se sont opposés à ce projet et m’ont dit qu’il fallait que je m’inscrive dans une grande école pour gagner suffisamment bien ma vie.

(和訳)

「しかし両親はこの計画に反対し、十分な生活費をかせぐためにグランド・ゼコールに登録しなくてはならない、と私に言いました。」

「この計画」とは、画家になるという語り手の計画です。また、「グランド・ゼコール」は、大学とは別のフランスの高等教育機関を指しますから、本文には明言されていませんが、舞台はフランスということになります。

この文ではまず、qu’il fallait という一節について、qui fallait 、qui il fallait といった誤答が数多く見うけられました。確かに qu’il のように音節の短い単語がエリジオンしている場合、音声情報のみにたよるだけでは読み上げられているのがどのような語なのかなかなか見当がつかないかもしれません。しかしそこであせらずに、義務を表わす動詞 falloir は非人称主語 il を必要とするという基本的な文法知識を思い出せば、自信をもって答案を作成することができたでしょう。

またこれにつづく que je m’inscrive も難所だったようです。無回答の答案がめだったほか、m’inscrire とした答案もかなり確認されました。しかしここでも、義務を表わす表現 il fallait は従属節で接続法を要求するという文法知識をふまえれば、正答をみちびけたのではないかと思われます。

最後に、suffisamment bien という一節は今回の書き取り試験でもっともできが悪かった箇所のひとつです。かなりの数の受験者が suffisamment という副詞について m を2つ重ねることをおこたり、失点していました。ただ、フランス語には形容詞から作られる副詞がすくなくないこと、さらに男性形の末尾が -ant あるいは -ent である形容詞は、多くの場合、副詞になったときに -amment 、-emment という形になるという文法知識——これは、やや発展的な知識ですが——を知っていれば、まよわなかったかもしれません。

 

      

もうひとつ、例をみてみましょう。

(ポーズなし)

 

(ポーズ、句読点指示あり)

 

(解答)

Mon existence est devenue plus dure.

(和訳)

「生活はいっそうつらいものになりました。」

この文は、グランド・ゼコールに登録するようにと言われた語り手が、家族でパリに引っ越したときの印象を語ったものです。ここでは、半数近くの受験者が動詞 devenir の直説法複合過去 est devenue について、過去分詞を女性単数の主語 Mon existence と性数一致することを忘れていました。もしかすると、existence は女性名詞ではあるものの、母音で始まる名詞であることから1人称単数の所有形容詞が mon という形で用いられているため、男性名詞と錯覚したのかもしれませんが、全体的に手ごわい問題ばかりの準1級レベルの試験では、こうした細かいミスが合否を左右しかねません。「できたはず」のところでの取りこぼしは避けたいところです。

 

                

学習のツボ 第31回」では、3級の聞き取り問題 [1] (会話の部分書き取り問題)をもとに、確かな文法知識の習得の必要性が示されていますが、同じことは準1級、1級(上級)レベルにも当てはまります。試験直前には文法事項を再確認し、あやふやなところがあればしっかり補強しておきましょう。

 

(仏検事務局より)上で抜粋、解説されたもの以外の箇所は、2022年4月発行予定の『2022年度版 仏検公式ガイドブック』でご覧ください。2022年度版では、2020年度秋季・2021年度秋季の2季分の実施問題と解説が掲載される予定です。

 

仏検インターネット申込 お取扱いの一時停止について(10/25)

仏検インターネット申込は、システムメンテナンスのため、
以下の期間中、各種お取り扱いを一時停止いたします。

※期間中は申込システムへのアクセスが不通となります。
※お申込完了後のコンビニ店頭でのお支払いは可能です。
※作業の進捗状況により、終了時間は前後する可能性がございます。


仏検インターネット申込 お取り扱い一時停止期間

対象 : インターネット申込システムでのID取得・出願情報入力、
マイページでの各種操作

停止期間 : 2021年10月4日(月)AM 1:00 ~ 7:00
         10月25日(月)AM 1:00 ~ 7:00


 

ご不便をおかけいたしますが、何卒ご了承のほど、お願い申し上げます。  

フランス語が見つけてくれた宝物

2020年度秋季3級合格・在日ベルギー大使館賞 / 2021年度春季準2級合格
M.I.
学生(茨城キリスト教大学現代英語学科)・茨城県

私がフランス語と出会ったのは、大学1年生の春でした。私の学科ではドイツ語、フランス語、中国語、韓国語のなかから第二言語としてひとつ選び、専攻の英語とあわせて2言語を学ぶことが必修とされています。当時私はK-POPが大好きで、何と歌っているのか知りたいと思い、韓国語にしようと決めておりました。しかし韓国語を希望する人は多く、抽選になることを知りました。私は、せっかく大学で学ぶのならコミュニケーションができるレベルまで頑張りたいと思い、他の言語から選ぶことにしました。フランス語は約50か国で公用語になっていること、なんとなくオシャレというイメージがあったことから、「将来の役に立つかもしれない」「話せたらかっこいいな」と思い、フランス語の履修を決めました。

はじめは単語の最後の子音は基本的に読まないことや動詞の活用形の複雑さなどに混乱しましたが、これもフランス語の魅力であり面白さだと思い、学習を進めました。フランス語同好会にも所属し、フランス語での映画鑑賞や先輩方とルノワールやクリムトといった画家たちの絵画パズルの作成を通して、言語だけでなく文化にも興味をもつようになりました。やがてフランスに留学したいと考えるようになり、現地で簡単な会話はできるようにしておきたいと大学2年生の秋に3級を受けることを決意。フランス語力を向上させるべく、オリジナルの単語ノートを作りました。今も、問題を解いている時に意味が分からなかった単語や本やポスター等をみて気になった言い回しを書き留めています。自分に足りないものと自分が知りたいと思ったものが詰まっているので、日々鍛えられています。教科書を読んでも分からないことや自分が疑問に思ったことは、参考書やインターネットで調べました。『北鎌フランス語講座―文法編』と『ぺぎぃのフランス語講座』は特にお世話になっています。どちらもとても分かりやすく解説されているのでぜひリンクから見てみてください。

仏検は、自分の頑張りに背中を押してくれる存在だと思います。明確な目標があるおかげで勉強を続けていけるし、周囲の友人と学ぶ喜びを共有することができます。フランス語同好会では、仏検が近づくと勉強会が開かれます。違う学科や学年の友人と交流ができ、分からないところを教え合いながら問題を解いています。お菓子をつまみ、時に雑談をはさみながら勉強する時間はとても楽しく、あっという間に過ぎてしまいます。

またフランス語を学べる環境が整っていることも、とてもありがたいことです。実はわが校にはフランス語専攻学科がありません。それでもフランス語を頑張る学生のためにとフランス語の先生方が、他の人が過去に使った仏検の問題集の貸出や単語力を競うコンクールを行ってくださいます。また私事ですが、これを書いている間に準2級にも合格することができました。受験するにあたって、先生方には放課後遅くまでご指導いただきました。このような先生方や、一緒に勉強して高め合える友人たちなど側にいる人たちの存在が、私を合格へと導いてくれました。もし他の言語を履修していたら今までの経験や出会いはなかったので、あの時フランス語を選んでよかったと思っています。自分が努力できる環境にいられること、個人と学校ですばらしいをいただけたことに感謝して、これからも同好会のメンバーやフランス語を学ぶ仲間たちと学び合っていきたいです。

母校、茨城キリスト教大学のチャペルと葉桜

 

 

フランス語と私

松浦 晃一郎(第8代ユネスコ事務局長)

1.フランス語をしっかり使った15年半

私はパリで駐仏大使を1994年の夏から5年半近く務めて、続いてパリに本部をおく国連の専門機関ユネスコの事務局長を1999年11月から10年間務めた。駐仏大使時代の5年半は当然のことながらフランス語で仕事をした。

大使の役割は首都でフランスの外務省をはじめフランス政府の関係者、さらには民間の各界の要人と接触することが重要な仕事であったが、同時にフランスの地方で講演するのも重要な仕事のひとつであった。私は5年半の間にフランス各地の主要な都市を訪れて、日仏関係の歴史、現状および今後の見通しに加えて日本が抱える外交上の諸問題についてもフランス語で講演した。講演のためには事前に原稿を用意していたので、その原稿にさらに手を入れて二度にわたってフランスの出版社から私の講演集を出版した。最初は日仏関係の歴史、現状および今後の見通しについての講演集で、二つ目は日本の外交が抱える諸問題についての講演集を出版した。ユネスコ時代になってからアフリカのフランス語圏のユネスコ代表や本国の外務大臣、文化大臣、教育大臣等からこれらの講演集を読んで大変勉強になったと言われたのは非常に嬉しかった。

ユネスコは公用語が英語・フランス語・スペイン語・アラビア語・ロシア語及び中国語の6か国語であるが、通常の使用言語は英語とフランス語である。しかしながら、ユネスコ本部がパリにあることもあり、フランスの影響力が強く、伝統的にはフランス語が一番使用される言語であったが、国際的なグローバル化の進展で、ユネスコの会議でも次第に英語の使用が増えてきた。

ユネスコは教育、文化、自然科学、社会科学およびコミュニケーションの分野を担当している国際機関である。私は第8代事務局長であるが、前任の事務局長はスペインの教育大臣を務めた方で、フランス語がほとんど母国語のようなものであった。その前の事務局長はセネガルの教育大臣を務めた方で、セネガルがフランスの植民地であったこともあり公用語はフランス語で、彼のフランス語はまさに母国語であった。その前の事務局長、すなわち第5代事務局長は1960年代から1970年代にかけて世界遺産条約の採択等を含めて文化関係で非常に重要な実績を残された方であるが、その方はフランスの文化大臣を務めた人であった。

しかしながら第二次大戦後アメリカが国際的な存在感を強め、更には東西冷戦終結後アメリカの主導のもとに1990年代に国際的なグローバル化が急速に進んだ結果、英語が第一の国際用語になってきた。逆にフランス政府は、パリに本部を置くユネスコにおいて英語が第一使用言語になることは許さないということでフランス語の使用を強く主張した経緯がある。

ユネスコでの国際会議では私はその時の状況に応じて使用言語の英語とフランス語を使い分けた。また、ユネスコの事務局内の会合では英仏いずれの言語でも発言できることになっている(通訳なし)。また、ユネスコの事務局は本部で約2000名、海外事務所で約1000名、合わせて3000名のスタッフが働いていたが、その一番の中核をなす組織は事務局長とその補佐官(約15名)、その助手等(約20名)で構成される補佐官室(合わせて約35名)であった。

これはフランス的な組織であり、フランス語でキャビネと呼ばれた。私はキャビネのトップにフランス人の女性、ナンバー2にレバノン人の女性を雇ったこともあり、補佐官達との会合は常にフランス語を使用した。

上記のような次第でフランス大使時代の5年半の公的な使用言語はフランス語、それからユネスコ時代の公的な使用言語はフランス語および英語であったが、フランス語の使用の方が多かった。

しかしながら私が日本の中学校で学びだした最初の外国語は英語であり、外務省に入って研修先として選んだのもアメリカの大学であったので、若い頃の第一外国語はなんといっても英語であった。そういう状況のもとで外国語が非常に好きであった私にとっても、フランス語で仕事ができるようになるまでには非常に苦労したので、その苦労話を以下に書きたいと思う。

2.日本での学生時代

私は小学校5年生頃から小説を読むのが好きになり、父が持っていた夏目漱石全集や島崎藤村全集を貪るように読んだ。中学2年生になった時に国語の先生から、小説を読んで感想文を書くべし、という宿題を出された。当時私はこの機会に外国の文学を読みたいと思い、先生に何か一つ推薦してほしいとお願いしたところ、フランスのジョルジュ・サンドという女性作家の『愛の妖精』を紹介してもらった。早速本屋で文庫本を買って読むと、フランスの田舎を舞台に十代半ばの双子の兄弟と彼らをめぐる二人の少女の交流の物語であった。先生には私が山口県の島地村という田舎で小学校に通っていたことをお話したことがあるので、その小説を推薦してくれたものと思う。非常に感激して島地時代を思い出しながら感想文を書いた。(フランス勤務時代に改めて同小説をフランス語で読み直してみて、4人の少年少女の微妙な感情の動きを当時の私が深く理解したとはとても思えないが)。残念ながらその感想文は残っていない。

それを契機としてフランス文学に非常に関心を持ち、中学生時代さらには高校生になってからスタンダール、フローベール、モーパッサン、バルザック等のフランス人作家の小説を読み漁った。

日比谷高校の2年生になると、第二語学の授業をとれることになったので、私は早速フランス語をとることにしたが、父は私の将来の職業としてお医者さんを目指したらどうかと提案し、ドイツ語を勉強すべしと強く主張した。そこで私はフランス語に加えてドイツ語を学びだしたが、大学受験を1年後に控えた高校2年生で英仏独3か国語を同時に勉強するのは厳しいので、父の進言に従いドイツ語は続けることにした。そしてフランス語は諦めた。しかし当時NHKの朝の放送で前田陽一先生がフランス語の講座を放送しておられたので、それはずっと続けて聴いていた。後から考えるとそれが私のフランス語の基礎を学ぶことに大変役立った。

東大の教養学部に入って私はドイツ語の既習組に入り、英語、ドイツ語に加えてフランス語、ラテン語、ギリシャ語のクラスをとった。しかし5か国語を続けるのは難しいので、ギリシャ語は途中で諦めた。いずれにせよドイツ語のクラスではドイツの小説をドイツ語で読む機会に恵まれたが、私としてはやはりフランス文学の方により関心があった。しかし当時の私のフランス語の力ではフランス語でフランスの小説を読むことはできなかった。したがって、中学生時代にまだ読んでいなかった18世紀及び19世紀の小説に加えて、20世紀のロマン・ロラン、マルセル・プルースト、アンドレ・マルロー、ロジェ・マルタン・デュ・ガール等を日本語で読み漁った。

3.西アフリカで仏語猛勉強

東大法学部に進むと、専ら法律の勉強ばかりで外国語を勉強する機会はなくなった。しかし引き続き私は小説を読むのが好きで、英文学に関しては当時ペンギン文庫で英語の小説が手軽な値段で買えたのでいくつもの小説を原語で読んだが、フランス文学に関しては残念ながらフランス語では無理であったので、引き続き日本語で読んだ。

幸い外交官試験に受かり、希望通りアメリカの大学で2年間研修することになったので、私はフィラデルフィアの郊外にあるハヴァフォード大学を選び、そこで経済学を専攻することにした。5科目選ぶことができるのでフランス語を選びたいと思ったが、中級に入るには自信がなかったし、他方初級からやるのは馬鹿馬鹿しいと思った。そこで新しい外国語としてスペイン語を選んだ。ハヴァフォード大学の授業はもちろん全て英語であったが、スペイン語初級をとったのでスペイン人の先生について2年間徹底的にスペイン語を学んだ。後から考えると、スペイン語とフランス語は同じラテン語のグループに属しており非常に関係の深い言語であるので、スペイン語を学んだことはフランス語をより深く理解する上でもプラスになった。当時予期していなかったが、ユネスコ時代、中南米諸国の外交官や大臣との接触にあたって、又これら諸国の訪問にスペイン語の知識が非常に役に立った。

ハヴァフォード大学での2年間を終えたところで、外務本省より西アフリカのガーナ勤務を命ぜられた。ガーナに赴任すると、私の上司の中川進大使より「在ガーナ大使館は従来英語圏ガーナのみの担当であったが、リベリア、シエラレオネの英語圏2カ国に加えて、ギニア、マリ、コートジボアール、オート・ボルタ(現ブルキナファソ)、ニジェール、トーゴ、ダホメ(現ベナン)の7か国、合わせて10か国を担当することになったので、英語とフランス語両方で仕事のできる若手外交官を派遣してほしいと本省に稟請していたところ本省が君を選んだようだ。したがってガーナを含めてこれら10か国の政治情勢をしっかりフォローし本省への報告を随時書いてほしい。加えてこれらの国々に対して日本のことをPRする広報文化関係を担当してほしい」と指示された。

私はそのように在ガーナ大使館の守備範囲が広くなっていることを全く知らされてなかったのでびっくりしたし、英語ではしっかり仕事ができる自信があったが、フランス語は正直なところ自信がなかった。そこで大使に対し、フランス語の国々をカバーするにあたって私を補佐してくれるフランス人の秘書を雇ってほしい旨をお願いした。大使のおかげでガーナに住んでいるフランス人を秘書として雇うことができ、彼女には私のフランス語の仕事を手伝ってもらうだけではなく、何かにつけて私のフランス語学力をつけることを助けてもらった。

そして私自身もフランス語のレッスンを受けたいと思い、新聞に広告を出した。すると直ちにガーナ放送局でフランス語の国々に対して放送を担当しているトーゴ人が応募してきて面接をしたところ、非常に感じが良いので早速彼を雇って週2回徹底的な個人レッスンを受けることにした。

以上の次第で西アフリカ時代はフランス語を学び、それを仕事に使うことに非常に力を入れた2年間であった。正直言ってその際力を入れて学んだフランス語が、外務省時代、さらにはユネスコ時代に非常に役に立つということは全く予想していなかった。ただし、私が力を入れて学んだのはフランス語の「話す」と「聞く」であり、それに合わせて適宜「読む」にも力を入れた。しかし「書く」はしっかり学ばなかった。それはその後の外務省時代およびユネスコ時代の仕事上大きなマイナスにはならなかったが、もっとフランス語の「書く」を学ぶべきだったと今になって後悔している。

4.西アフリカで学んだ仏語、その後の仕事に役立つ

西アフリカから帰国後、外務省経済局に5年勤務し、最初の3年間は中近東課に、次いでその後の2年間は経済局全体のとりまとめをする総務参事官室に籍を置いた。中近東課といっても中近東諸国に加え、旧英国領のアフリカを除くすべてのアフリカの国々(旧仏領を含む)を担当した。したがって多少はフランス語を使う機会はあったものの、一般的に言って東京での勤務時はもっぱら日本語ばかりで、英語を含めて外国語を使う機会は少なかった。

唯一良い思い出になっているのは、中近東課時代1960年代の官民提携の経済外交の動きを反映し、北アフリカ6か国に経済使節団(団長は小泉幸久古河電工会長)を派遣した時で、私がお世話係で同行し、旧仏領のモロッコ、アルジェリア、チュニジアの3か国ではフランス語の通訳などを務め、フランス語の知識がしっかり役に立った。しかしそのような機会はあまり多くはなかった。

5年間の本省勤務後、パリのOECD日本代表部勤務を命ぜられ、4年間総務書記官を務めた。私の主たる役割は、OECDの中核機関である執行委員会および理事会に大使のお供をして出席することであった。OECDでは使用言語は英語とフランス語であったので、事前にフランス語の文献はフランス語でしっかり勉強し、会議でもフランス語の発言はフランス語で聞き、私の役割である外務省本省に対する報告電報をしっかり書いた。

しかしながら私のフランス語は5年間の東京勤務の間に明らかに退化していたので、ベトナム人女性からフランス語の個人レッスンを週2回くらいのペースでとった。

OECD日本代表部勤務ののち日本に帰ってからは東京やワシントンで日米関係を担当したので、フランス語を使う機会は全くなかった。しかし1980年代に入って外務本省での経済協力局勤務が始まり、ODA対象国であるフランス語圏のアフリカの大使と接触する機会が出てき、またフランス語を使う機会が生まれた。

 次に私がフランス語を仕事の上でしっかり使うことになったのは、1990年代に外務審議官(経済担当)になってからである。G7サミットのフランスのシェルパ、アンヌ・ロベルジョン女史とEU代表のパスカル・ラミー氏(後でWTO事務局長に就任)とは常にフランス語で対応した。唯一の問題は、ロベルジョン女史とは非常に親しくなったので、「チュトワイエ」する仲になったが、「チュトワイエ」のフランス語には全く慣れていなかったので、苦労した。しかしながらロベルジョン女史は当時のミッテラン大統領の副首席補佐官をしており、私は1994年にフランス大使としてパリに赴任してから電話連絡を含めて常時接触を保った。通常大使は外務省の担当局を窓口として仕事をするものであるが、私はこのように大統領府の幹部と直接連絡を取ることができ、大変プラスだった。

5.むすび

以上のような経緯を経て、冒頭に述べたようにフランス大使として5年半フランス語で仕事をし、さらにはユネスコ事務局長として英語とフランス語を両方使いながらかなりフランス語に重点を置いて仕事をした10年を送ることができた。

ユネスコ事務局長時代を終え、帰国後11年を越え、その間フランス語を使う機会は非常に少なくなった。しかし駐日フランス大使をはじめとするフランス大使館の幹部、さらには在京のフランス人の方々と接触する機会がかなりあり、私のフランス語は残念ながら退化してきてはいるもののなんとか維持してきている。例えば昨年在京のチュニジア大使と1時間近くフランス語で対談し、前半は日本とチュニジア関係について話をし、後半は来年チュニジアで開かれることになっているTICADについて話をした。その録画がチュニジア大使館のホームページや私が名誉会長をしているルネサンス・フランセーズ日本支部のホームページで動画として流され、嬉しく思っている。




一部コンビニ決済におけるお取り扱いの一時停止について

仏検インターネット申込は、システムメンテナンスのため、以下の期間中、一部のコンビニエンスストアでの検定料納入のお取り扱いを停止いたします。なお、作業の進捗状況により、終了時間は前後する可能性がございます。


仏検インターネット申込 コンビニエンスストア決済 不通期間

2021年9月16日(木) 午前0:00~午前6:00
対象コンビニ : デイリーヤマザキ/ヤマザキデイリー

内容:仏検インターネット申込「出願情報選択」画面操作中、対象コンビニを
 コンビニ決済でのお支払い店舗として選択することができません。
また、対象コンビニ店頭で検定料をお支払いいただくことができません。
 

出願受付開始直後のメンテナンスによりご不便をおかけいたしますが、何卒ご了承のほど、お願い申し上げます。  

公益財団法人 フランス語教育振興協会
仏検事務局

 

仏検 受験要項 表紙記載の日程について(お詫びと訂正)

全国の取扱書店・生協の各店舗、学校・団体、および過去2季のご出願時にDMを希望された方に宛てて9月7日に発送いたしました2021年度秋季試験 受験要項パンフレットの表紙におきまして、記載された1次試験実施日に誤りがございました。心よりお詫び申し上げますとともに以下のとおり謹んで訂正いたします。


2021年度秋季 受験要項 表紙記載
秋季1次試験 開催日

(誤)11月15日(日) → (正)11月21日(日)  

なお、当ホームページでは誤りを訂正した受験要項のPDF版をダウンロードいただけます。広くご周知いただけますようお願い申しあげます。

【短期集中講座】アフリカ・セミナー

アフリカ・セミナー 仏語圏サブサハラ アフリカへの誘い

フランス語圏サブサハラ アフリカを 身近に感じてみませんか?

J I C A(国際協力機構)のンジャイ林恵美子さんを講師にお迎えし、豊富なお仕事・生活経験に基づいて仏語圏サブサハラ諸国の魅力を分かりやすくご紹介いただきます。

※通訳のトレーニング講座ではありませんので、フランス語の学習歴がない方や、アフリカ諸国に興味があって、いつかアフリカで働いてみたい…!という方も、ぜひご参加をお待ちしております。
◇ このコースはオンライン(Zoom)で開講します。

 

講座の詳しい内容は 左の画像をクリック してご覧ください。

講座概要


・定員:30名

・受講料:3,000円(税込み)※入学金不要

【開講日程】2021年10月3日(日)・10月10日(日) ※全2回

【開講時間】10:30~12:00(90分)

【会場】オンライン(ZOOM)


キャンセル待ちについて


アフリカ・セミナーにご関心をお寄せくださり、誠にありがとうございます。

本講座は定員に達したため、お申込みを締め切らせていただきました。

ただいまキャンセル待ちで受け付けております。

お席に空きが出ましたらご連絡申し上げますので、 キャンセル待ちフォームにご入力のうえ、送信してください。   

※お席に空きが出た場合のみ、キャンセル待ちのお申込み順にメールでご連絡差し上げます。   
※大変恐れ入りますが、お席に空きが出なかった場合はご連絡いたしません。

お問い合わせ

公益財団法人 フランス語教育振興協会
APEF青山フランス語プロフェショナルコ ース担当 
〒102-0073東京都千代田区九段北1-8-1 九段101ビル6F
TEL(直通):03-6268-9680 FAX:03-3239-3157
E-mail: cours@apefdapf.org