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好きこそ物の上手なれ

2021年秋季準1級合格・ケベック州政府在日事務所賞
森川 奈緒美
主婦・埼玉県

大学時代に専攻だったのにもかかわらず中途半端な習得で終わってしまったフランス語と本気で向き合おうと、5年程前に独学で再び勉強を始めました。以来、全くの趣味ですが、家事育児の合間にフランス語を勉強することは私の生活の一部になっています。フランス語を話す、使う機会が欲しく、2年半前からは週に一度オンラインでの授業を受けています。

普段はフランス語の記事等を読み、書き写し(各単語の綴り、文の構造、動詞の活用の確認と新しく出会った単語の意味を頭に入れる為)、そしてインターネットラジオでフランス語を毎日聴いています。局や番組によっては過去の放送も聴けますし、放送内容を簡単にサイト上で文章化してくれているので聴力のトレーニングに放送時間が短めの番組も時々利用しています。(放送内容を見ずに何度か聞く→内容を自分の言葉で要約する→放送内容を見て自分の理解度をチェック!)

今までの努力の成果を試してみようと今回仏検受験に至りました。

1次試験に関しては、普段の勉強+対策本を通しての仏検に向けた勉強の甲斐あって満足出来る状態で試験に臨むことが出来ました。

しかし、週に一度しかフランス語を話す機会がない私にとって、2次試験に向けての対策は難を要しました。1次試験が終わって2次試験までの約2ヶ月間は長いようであっという間に過ぎていきました。まずは口述のテーマとなり得るだろう時事、社会問題、日本特有の文化に関する記事を(日本語で書かれたものだけでなく、フランス語で書かれたものも含めて)読みました。幸い、ネットで様々な情報を得ることが出来る時代です。フランス語で書かれた日本に関する記事に沢山触れ、知識と語彙を豊かにしました。そこから各テーマに対して自分の意見を持つよう意識しました。本番では(口述の)準備、口述ともに時間が限られているので、いかにその短い時間にテーマに沿ったアイディアを出して、論理的にまとめるかが鍵になります。オンラインのレッスンでも会話を重点的にみてもらいましたし、夜な夜なタイマー片手にひとりで何度も練習を重ねましたが、本番に向けて話す能力を上げていくのは難しかったです。理想を言えば、やはりこの練習には聞いてもらえる相手、訂正やアドバイスをくれる相手が必要だったと思います。

本番が終わった後になって、「こんな事も言えたのではないか」とか「論述としてテーマに対する最後の締めくくりが出来ていなかった」などといった気持ちもありましたが、私にとって、この2次試験は初めての場で、かつ初めて会う試験官の前でフランス語を話すという経験を得られたのと、今後のステップアップの課題を見つける良い機会となりました。また仏検合格という結果を目にした時、今まで勉強してきたこと、努力してきたことが初めて「形」になりました。

「言語は生きている」本当にそう思います。新しい単語が生まれることもあり、廃れていく単語もあり、また元々の意味から離れ別の意味を持って独り歩きする単語もあり。フランス語の学習に終わりはありません。だからこそやりがいを感じます。フランス語を母語とする人々と同じような感覚でフランス語を読んだり、話したりすることが出来たらどんなに素晴らしいだろうと思います。いつか日常的にフランス語を話す機会を持てることを夢見て今日も明日もフランス語の世界に浸る時間を堪能します!