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読み解くだけでなく、聞くという理解の重要性

2019年秋季準2級合格
岡田 明佳
大学生(福岡大学)・福岡県

私は、高校 2 年の時にベルギー(フランス語圏)に一年間、留学しました。よく「なぜ、ベルギーを選んだの?」と聞かれます。フランスには日本人が多い点と小さな国に様々な言語がある点に惹かれてベルギーを選びました。また、当時私は英語以外の言語に殆ど触れた事が無く、フランス語に対して興味が湧いたことも留学を決断するものの一つでした。

留学初日は今でも鮮明に覚えています。ホストマザーに英語が全く通じず、「フランス語の発音が拙く、何を言っているのかわからない」と言われたのです。留学以前には、多少はフランス語も勉強していたのですが、それが通じないとなり、かなり衝撃を受けました。それから、私は毎日家の中でも辞書とメモ帳を持ち歩いて生活していました。ベルギーのかなり南の地区で訛りも強かった為か、当時はマザーも私も聞き取りにくかったのだと思います。今では、自覚はありませんが、たまに「ベルギー訛りだね。」と言われます。

帰国後、文系に進路変更し、フランス語を専門的に学び完璧にしたいという強い意志を実現するために、本学に入学しました。大学での授業は、文法の基礎的なことから日々詳しく学んでいます。そんな中、留学時の実力を保つ為、そして日々の努力の一つとして「仏検」を受験しました。その問題の中に、書き取り dictée というものがありますが、フランス語を学ぶ上でこの問題は非常に重要であると、私は思います。この問題をどれくらい回答できるかで、自分のリスニング力と理解度がわかるはずです。ただ文章の読解力を上げるだけでは、フランス語を使えるとは言う事は出来ません。以前私が留学した時、動詞の活用や文法は勉強していましたが、書き取りや聞き取りは勉強しておらず、どうしても現地の方の会話を理解するのに時間が掛かってしまっていました。Dictée を用いることで、今まで学んだ文法や発音、特に動詞の活用の暗記や聞き分けに効果的だと私は感じました。今思えば、もっと早くからやっておけば良かったと後悔しています。また、「仏検」を資格として取得するだけでなく、自身のフランス語能力の日々の向上のために活用する事もいい考えだと思います。単に文章を読めるだけでなく、ヒトと会話を楽しめる事が私にとって語学を学ぶ理由の一つです。

留学末に、私は「絶対 2 年後に会いに戻って来るよ!」と言い、2 年後の昨年の夏、私は本当に会いに戻りました!その時、留学時よりもフランス語を理解でき、会話できた事が本当に嬉しかったです!そして、久々にみんなに会えた喜びと以前よりも理解度が向上した自分に驚きました。短い日数でしたが、毎日親しい友人らと再会し、非常に濃厚な時間を過ごすことができました。その時、私は「幸せだ」と心から感じました。

留学で後悔する点はありました。それは語学力があまり向上出来なかった点です。ですが、留学とは語学が全てではないのです。異文化を直に体験のできるものであると言えるでしょう。私にとって「フランス語」とは、そんな貴重なものを経験させてくれ、そして大切な人達との架け橋となる重要な存在と言えます。