理事長からのご挨拶

2015年9月16日

今年6月に長谷川善一理事長の後を受けて理事長に就任しました。長谷川先生は11年の長きにわたり当協会の理事長として、協会運営の責任を担ってこられました。なかでも2011年の公益財団法人化の際には文部科学省での経験を生かされて内閣府と交渉を持たれ、速やかな新法人化を成し遂げられました。そのご尽力に対して心からのお礼を申し上げます。そしてここで特記したいのは、理事長のもと、仏検担当副理事長として比類のない実行力と深い洞察力をもって、仏検実行体制を率いてこられた故平野隆文氏への感謝の気持ちです。

さて、実用フランス語技能検定試験を主催するフランス語教育振興協会はその前身から数えるとすでに48年目を迎えています。その事業のありようは時代とともに少しずつ変わり、現在では英語一辺倒ではないグローバル化の推進が大切な務めとなっています。とりわけ2020年のオリンピック開催は英語以外の外国語を日本国内で盛り立てるよい機会になります。

私が理解する当協会の目標の一つは「日本人のfrancophoneを増やしていくこと」です。この場合の francophoneは「母語でなくても、必要な状況においてフランス語でコミュニケーションが取れる能力を持つ者」という意味です。そのために、当協会は設立以来つねに大学をはじめとする全国の教育機関と協力してフランス語教育の振興に力を注ぎ、また各地のフランス語教授法研究会やコンクールなどを支援してきました。34年の実績をもとに緻密な問題作成プログラムを作り上げ、全国規模な検定試験を実施して、フランス語修得の後押しをしています。

また今年6月には、フランス大使館/アンスティチュ・フランセと協定を結び、フランス政府公認の検定試験(DELF/DALF、TCF)と文部科学省後援の私どもの検定試験(DAPF)が相互に協力すること、両者が補完し合う関係にあることを確認しました。

当協会が発足以来願ってきたことですが、さらに多くの方々にフランス語の修得を通じて豊かな人生を送っていただきたいと祈念しています。どうか皆さまの変わらぬご支援とご鞭撻をお願いいたします。

公益財団法人フランス語教育振興協会
理事長 西澤 文昭

フランス大使館での調印式(左はフランス大使館文化参事官・アンスティチュ・フランセ日本代表Claire THUAUDET氏)