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フランス文学を原文で楽しみたい!

2012年秋季4級合格
奥泉 知佳
会社員・東京都


思えばフランスに興味を持ったのは、小学校高学年の時に読んだある本がきっかけでした。

日本人とフランス人のハーフである主人公が、自分のアイデンティティに悩み、また、他人と見た目が違うことによるいじめ、家族との別離などを経験し、さまざまな障害を乗り越えて成長していく物語で、私はその主人公の強さに憧れるのと同時に、本の中に描かれていたパリに強く心を惹かれました。

その後中学生になり、読書好きだった私は、ヴィクトール・ユゴー、サンテグジュペリなどフランス文学ばかりを好んで繰り返し読んでいることに気づき、いつしか「フランス語を学んで、原文でこの本を読んでみたい」と思うようになりました。

しかし、フランス語を学ぶ機会はなかなか訪れませんでした。憧れのパリに行くことも、やっと実現したのは社会人になって5年目になったとき、去年のことでした。

ついにパリに行けると決まった時、私は、夢と憧れの詰まったその旅を最高のものにしたいと思いました。なるべく現地の人とふれあい、現地の空気をできるだけたくさん吸い込みたいと思ったのです。そこから独学で仏検の勉強を始め、2か月後に5級、その半年後に4級を無事取得することができました。 

社会人になって新しいことを学ぶということは、時間の面でもいろいろと制約があり難しいことではありますが、心の中にひとつ新しい芽が生えたような、フレッシュな気持ちになれます。現在は3級取得に向けて勉強中ですが、目下の目標は2級を取得し、フランスに短期留学をすることです。最終的には大好きなフランス文学を、原文で楽しめるようになれれば・・・と夢見ています。

社会人になって数年経ち、弛んでいた私の心に、風を吹きこんでくれたフランス語。
本当にありがとう。 



【仏検事務局より】 このエッセイは2013年度4月にお寄せいただいたものです。掲載が遅くなりましたことをお詫び申し上げます。奥泉様はその後2013年度春季試験で3級に合格されました。おめでとうございました!