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フランス語が私にもたらしてくれたもの

2013年秋季3級合格
小林 咲
学生(アンスティチュ・フランセ東京)・埼玉県


フランス語を話せるようになりたい、フランスをもっと知りたいという思いを持つようになったのは、遡ること私が物心ついた頃からあったような気がします。 

私が生まれる前、父の仕事の関係で両親と5つ離れた姉はフランスに住んでいたことがあり、私も小さいころからフランスの話を聞いたり、日本に来られる父の知り合いのフランス人の方と幾度か会う機会を通し、私にとってフランスは遠いようで近い、何だか特別な…そういう存在だったような気がします。私が小学生の頃、父に初めてフランス語の小さな辞書を買ってもらったことを思い出します。 

そんなフランスへの思いを持ちながら、語学学校でフランス語を学び始め、全くの初心者だった私は、フランス語で行われる授業の中で先生が話されていること、質問の内容も分からないことばかりで、「本当に理解できるようになるのか…」と思う日々でした。ですが、気持ちの中には、幼少のころからあった「フランス語を話せるようになりたい、フランスの事をたくさん知りたい!」という強い思いが変わらずあり、学校に入った初めての夏に、手探りでしたが今まで勉強したことを全て復習し、必死に机に向かいました。すると徐々にですが、以前とは違うものを感じることができるようになりました。それは先生の話すフランス語が以前に比べて理解できるようになり、自分が話したいことも少しずつ表現できるようになったということです。

それは私にとって何より嬉しいことで、「次も、もっとフランス語で先生と話せるようになりたい!もっとフランス語を通してフランスを知りたい!」という思いが強くなりました。その思いは今でも私の原動力になっています。

私の通う語学学校には様々な目標を持って来られる方が沢山いらっしゃいます。日本の大学からフランスの理系屈指の学校へ進む人、バレエ留学、音楽の留学、子育てを終えられて夢を叶えるためフランスへ渡った方、また、日本にて、フランス語の仕事に就くために努力をされている方。それぞれの環境の中で、目標の実現に向かい自分を信じて前に進んでゆく方々との出逢いは、私の人生の指針になったといっても過言ではりません。私がフランス語を始めたころから受け持ってくださっているフランス人の先生との出逢いも同じく、大きなものでした。時には厳しく、時には温かく、私のフランスへの想いや、上達したいという気持ちを応援してくださり、その先生から一から教えて頂けたことは、とても幸運なことだったと思います。感謝の気持ちでいっぱいです。

そして、昨年の秋、長年の夢だったフランスに初めて行くこととなりました。そこでも私は大切なものにたくさん出逢うことが出来ました。今まで学んだことを自分から発信して通じたときの喜び、日本とはまた違った独特の空気感や空の色、何よりずっと自分が行きたいと願っていた場所に実際に自分が立っているということが、言葉には出来ない喜びと感動でした。フランスが益々大切な存在になりました。「フランス語を学ぶ」という一つの枠組みから一歩出てみると、そこには新しい価値観や多くの発見があるということも知りました。

幼いころから憧れていたフランス、そしてフランス語は、今は「憧れ」ではなく明確な「目標」へと変わり、実際に言葉で表現することが出来る喜び、また、学ぶ事を通して出逢った多くの人や価値観は私にとってかけがえのない宝物となっています。

フランス語との出逢いは私に大きな目標をもたらしてくれました。夢に向かってこれからも努力していきたいと思います。