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キャリア形成に役立ったフランス語

2005年春季2級合格
三浦 貴顕
UNHCR職員・コンゴ民主共和国

言語の習得って、大変ですよね。覚えられない、理解できない、話せない、と何だか挫折するためにわざわざ勉強をしているような気になります。しかし、細々と勉強を続けていたことが後に国際協力の仕事を得ることに役立った、という経験をお伝えしたいと思います。

私は大学の第二外国語としてフランス語を学びましたが、大学二年生の後期、フランス語の先生に「あなたは何の上に座っていますか?」とフランス語で聞かれ、いす( chaise )という基礎単語を知らずに答えられなかったので、恥ずかしい思いをしたことを20年近く経った今でもはっきりと覚えています。

皆さんの学習のモチベーションは何でしょうか。私の場合は旅行でした。大学の休みにモロッコやチュニジアの田舎を旅行して、乏しいフランス語力を可能な限り使うと、格段に旅行の楽しみが増えることが分かりました。ごく限られた言い回しと、数字と疑問文くらい使えれば、旅行には多少役立つので、旅行は手軽に学習の成果を感じられる方法だと思います。

もう一つのモチベーションは資格取得でした。就活準備等のために資格を取ろうと思い、大学3年生の時に仏検二級に合格しました。これはむしろこの文章を読まれない方にお伝えしたいことですが、仏検というマイルストーンがあったおかげで、フランス語の勉強にも積極的に取り組め、また客観的に自分の実力を確認できました。

フランス語は、国際協力に興味のある方にはとても重要な言語です。特にアフリカの仏語圏での仕事にはフランス語能力が必須です。私が国際協力の仕事のきっかけを得たのは、アフリカのコンゴ民主共和国の日本大使館で働く、外務省の専門調査員という仕事に応募した時のことですが、そのポストではフランス語力が重要な選考基準であるため、仏検取得等を通じて細々とフランス語の勉強を続けていなければ、開くことのできなかった扉だったと思います。その後、国際協力の仕事を続けることができ、今は再びコンゴ民主共和国のキンシャサで、国連難民高等弁務官事務所( UNHCR )の職員として難民や国内避難民の支援を実施しています。

業務で使えるレベルのフランス語力を持っている人は、日本ではもちろんのこと、世界全体でもある程度限られます。国際協力の分野では数年ごとに転職し続けることも多いのですが、フランス語ができることで、その後のキャリア形成を多少なりとも有利に進めることができたと思います。仕事をしながら新しい言語をゼロから習得するのはとても難しいので、仏検をマイルストーンにしながらフランス語を大学の時にやっておいてよかった、と思っています。