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ずっと友達とおしゃべりをしていたいから

2012年秋季準1級合格
杉本 花野
カフェ勤務・静岡県

わたしは、2000年に1年間パリで、2004年から11年までの7年間を南仏のマルセイユで過ごしました。元々日本でパティシエとして働いていたこともあり、一度本場の生活が見てみたいと思ったのが最初の渡仏で、その時に語学学校に通ったり、製菓のスタージュを経験したりして、「フランスできちんと仕事をして生活してみたい」と思うようになりました。

2004年に再びフランスに渡ってから、語学学校に行く傍ら、アルバイトをしていましたが、その時に「フランスできちんと働くためには資格を取った方がいい」と当時のパトロンから進言され、CAPという職業能力試験を受けることにしました。

通常は職業訓練校のような所に通っているフランス人の若者が受けるテストなのですが、わたしは自由参加枠に願書を出しました。科目は、衛生や労働法、実技といったものがメインですが、初めての受験ということで、国語(フランス語)、算数、歴史などの一般教養もありました。

まだ当時はフランス語もそれほど上達していなかったのですが、たまたま通っていた語学学校が、私立の普通の学校と提携をしていたことから、フランス人の中学校3年生のクラスを聴講させてもらえることになりました。30歳を過ぎてから、15歳くらいの生徒に混じって勉強をした体験は、大変でしたが楽しくもありました。フランス語も、外国人が語学学校で習うものとはやはり違って、いろんな文学の抜粋を読んだり、自分で文章を考えたりというものが多く、とても勉強になりました。周りの生徒達や先生方も応援をしてくれて、無事試験に合格、翌年にはパンのCAPも取得しました。

その後、2011年に結婚を機に帰国するまでの間に、現地でも多くの人と知り合い、親友と呼べる友達も出来ました。

日本に戻ってから、一番心配だったのが、また友達と会った時に普通におしゃべりが出来ないくらいフランス語を忘れてしまったらどうしよう…ということでした。実際、1ヶ月話さないだけでも、言葉に詰まったりすることもあったので、帰ってきてからどうやったら忘れずにいられるのか、と考えた時に、仏検の受験を思いつきました。

最初は2級を受けたのですが、それまでもう何年も読み書きの練習や文法から遠ざかっていたので、問題集を解きながら、いかに自分が忘れていたかを思い知りました。それでも2級の際に表彰をして頂いて、準1級の問題集を送って頂いたので、これは続けなくてはと思い、また準1級の勉強をしました。

前述したように、わたしのフランス語は、基本的には中学校3年生程度かそれ以下、日常会話程度というレベルなので、準1級に出てくる単語も、普段使っていなくて知らないものもあり、苦戦しました。

この度、また準1級で表彰をして頂いたことで、また次の1級に向けて頑張らなくてはと思っています。今度友達に会った時には、「日本に帰ってからさらにフランス語が上手になってる!」って思ってもらえるくらいになれたらいいなと思います。