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終わりのない旅

2021年度秋季準1級合格
小牧 眞子
学生(立教大学)・埼玉県

高校1年生から始めたフランス語の学習は今年で7年目になります。これまでの6年間、フランス語は私に数えきれない素敵な出会いをもたらしてくれました。

高校時代に訪れたフランス語圏のニューカレドニアで出会った友人たちとは、5年が経った現在も頻繁に連絡を取り合っています。彼ら/彼女らとコミュニケーションを取り続けるうちに、会話において自然な言い回しやよく使われる表現を少しずつ覚えていきました。また大学では、フランス語で書かれた記事を読んだり、フランス語で論評を書いたりする授業の積極的な履修を通して、書き言葉に好まれるフォーマルなフランス語を学びました。熱心な先生方のご指導には、心から感謝しています。

外国語の学習において私が大切だと思うことは、「盗む」ことです。生の言語に触れ、出会ったなかから気に入った表現を自分のものにしていくことで、場面ごとに相応しい言葉を選んで使えるようになると考えています。

また外国語を学ぶことの楽しさは、その言語が、話される国や地域の文化と切り離せないところにもあります。つまり、新しい言語を学ぶことは、異なる価値観に触れる機会でもあるわけです。それは自分に、それまでになかった新しいものの見方や考え方をもたらしてくれます。これまでを振り返ると、改めて自分が非常に恵まれた環境でフランス語を学べていたことに気づきます。

当然、フランス語の学習を続けるなかで期待するような伸びが感じられず、苦しい思いをした時期がこれまでに何度もありました。でもそれは、自分がフランス語と真剣に向き合っていたがゆえの悩みでもあった、と今は思います。 真面目に勉強しているからこそ次から次へとわからないことにぶつかっていく。それが苦しくて必死になって勉強を続けることで力が伸びていく。その繰り返しだ、といつか高校時代の恩師に教わりました。

フランス語検定準1級の合格という目標もまた、フランス語学習のモチベーションを高く保つことに繋がりました。 受検にあたっては、書店にて『完全予想仏検準1級』の「筆記問題編」及び「書き取り問題・聞き取り問題編」の2つのテキストを購入し、1次試験の約2ヶ月前に取り組みはじめました。テキストの問題すべてに目を通せるように試験日から逆算して1日の勉強量を決めました。検定に向けた勉強は、私の課題のひとつだった「語彙を増やす」ための絶好の機会となりました。

準1級獲得後の春は、大学の長期休暇を利用して南フランスのニースに約1ヶ月間、滞在しました。コロナ禍の海外渡航には不安もありましたが、待ち望んでいた留学であっただけに新しい出会いや発見への期待が膨らんでいました。 準1級の2次試験対策として、フランス・フランス語圏に関わりのあるニュースに目を通す習慣をつけていたことで、現地では、度々取り上げられたコロナ対策や大統領選挙といった話題にもついていくことができ、周りと深い意見交換ができました。 今後フランス語検定を受験する人にとっても、試験に至るまでの過程がフランス語の実力を伸ばす機会になればよいと思います。

言語の学習に終わりはありません。私が自分の語学力に満足し、自信を持てる日はきっとこの先も来ないと思います。しかしこれまでの6年間にフランス語の学習を通して学んできたことや出会ってきた人たち一人一人との思い出はすべて私の財産で、これらの「経験」には堂々と胸を張ることができます。この先もフランス語を通してどんな経験ができるのか、今からとても楽しみです。