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仏検1級合格…そして、世界へ

2014年春季1級合格・エールフランス特別賞
森永 佳奈
(フランス語通訳・フランス語講師)


2014年度仏検成績優秀者表彰式にてフランス語との出会いは大学1年の春。鉛筆を転がして適当に選んだ第2外国語、それがフランス語でした。出会いは全くの偶然でしたが、フランス語の美しさにあっという間に魅了されました。その後仏文科に進み、大学を卒業する頃にはフランス語通訳の職に就きたいと考えるようになっていました。しかし通訳を目指すにあたって、フランス語圏滞在歴が短いことが私にとって最大のコンプレックスでした。そこでフランス語力の向上と自信を得るために掲げた目標が仏検1級でした。

仏検に特化した勉強を行った期間は約4ヶ月です。学校には通わず、自習室に通って毎日ひたすらフランス語を学びました。この間は毎朝NHKのフランス語ニュースを聞くことから始めました。その日のニュースの中で最も意味が取りにくかった、もしくはわからない単語や表現が多く含まれていた記事を一つだけ選び、できるだけ毎日ディクテーションしました。そしてもう一つ私が重要視したのが名詞化です。これはフランス語を書いたり話したりする際の基礎となりますから、仏検合格後のことも考えて必死に習得しました。わずか4ヶ月の受験生活でしたが、集中的にフランス語を学んだこの期間は、私にとってとても貴重な時間でした。この時の努力がなければ、私のフランス語力は今日の向上を見なかったと思います。

仏検合格を機に、周りの景色が少しずつですが、着実に変わる手応えを感じてきました。在ベルギー大使公邸での交流会諸先輩方の豊富な経験を伺うことのできる仏検一級合格者の会「ALFI」との出会いや、「若手フランス語圏フォーラム」派遣プログラムへの参加はその中でも特に大きなものでした。この派遣プログラムは、日本政府と日本フランコフォニー推進評議会が民間交流を通じて日本の魅力を世界に発信するために行っている事業です。私は6人の仲間と共にフランス4都市、そしてベルギーのリエージュで行われた『若手フランス語圏フォーラム』へ派遣されました。
TV5モンドによるインタビューを受ける筆者派遣期間中は様々な国・地域のフランス語話者と出会い、フランス語でプレゼンを行うなど、それぞれの文化や価値観を共有しながら、貴重な時間を過ごすことができました。また海外メディアのインタビューやフランス、ベルギー各地の日本語学習者、両国の政府関係者の方々との交流を通じて、フランス語力も向上したと思いますし、世界のフランス語圏を相手に仕事をする上でも、今後の課題や改善点を体得することができました。

 このように、仏検が私に与えてくれたものはここに書ききれないほどありますが、その中でも一番大きなものは大切な仲間、素敵な人々に出会うきっかけをくれたことだと思います。これからもさらに努力を重ね、フランス語・日本語を通して世界に貢献するという夢を現実のものにしていきたいと思っています。

   在日ジブチ大使、ケベック州駐日代表、日本国首相官邸参事官補佐、仲間たちと