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60代は学習適齢期

2012年度春季5級合格
石原三枝子
無職・京都府 

もう、30年以上も前から、姉は教育テレビのフランス語講座をよく見ていました。一緒に暮らす私も時々横から覗いていましたが、なにしろ基本を全く知らないので、「今日のスキットは面白かった」って言っても、ただそれだけです。そんな形のフランス語との付き合いが長く続いていたのですが、ついに決断したのです。心を入れ替えて本気で勉強しよう!!と。

2011年の春、ふと、目にとまった「京都外国語大学・生涯学習講座」のパンフレットにフランス語クラスがあり、アルファベの読み方から始まる入門クラスから受講しました。62歳にして初めてフランス語を一から順序立てて習うことになったのです。

年齢を重ねる間に身についた雑学が、授業で得た知識と結びついて、それらが体系化され理解が深まるのを実感できました。私の雑学フランス篇の始まりは、私が中学生の頃、大学生の従姉が「フランス語で『彼女』のこと『エル』って言うのえー」と教えてくれた事、そして高校生の時、フランス語で「どういたしまして」は「ドッヒャーン」だと誰かが言って、その音の印象が「言葉」とは思えなかった事(それが“De rien”だと気づいたのは最近です)など、他愛ないものでした。あれからン十年、書物や映画、それに何でもない日常生活からも、教わることが、たくさんあります。

受講して初めての冬休みに、問題集を探しに行った書店で手にしたのが仏検5級の問題集で、「仏検」の存在を認識した最初でもあります。はじめは、受験は念頭になかったのですが、問題を解くのが面白く、じゃあ試験も受けてみようと一念発起し、1冊の問題集を何度も繰り返して、確信をもって解答を導き出せるようにしました。その時、受験勉強という学習法が、自己の弱点を容易に気づかせてくれるものだと知りました。何を解決すれば前に進めるかが見えてくるのです。そうすることで試験のためだけではなく実力アップにも役立ちました。

私のフランス語学習まだ、スタート地点に立ったばかりです。この先、山あり谷ありの険しい道が待っていることでしょう。でも、60代は学習適齢期だと思っています。自分の時間がたっぷり持てるし、それに、気力、知力ともに充実して、やる気満々ですから。巷には、勉強大好きな60代が溢れています。私もこの貴重な時期に、様々な知識を吸収し、学び続けることが、先々の習慣になるようにと願っています。