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西部・中部アフリカ諸国とのコミュニケーションのために

2025年春季4級合格
A.N.
公務員・奈良県

 2025年、日本は大阪・関西万博の開催でおおいに盛り上がりましたが、私のフランス語学習は、その準備段階でスタートしました。
当時、万博の主催者団体に派遣され、米州各国の万博参加を支援していたのですが、開幕が近づいた2023年からは、アフリカの国々や島しょ国が多く参加するコモンズパビリオン(共同館)を担当することになりました。

 そこでぶち当たったのがコミュニケーションの壁。それまで担当していた米州の国々とは、スペイン語が公用語であっても英語で連絡が取れていたのですが、新たに担当した西部・中部アフリカの国々からは、英語のメールになかなか返事がいただけない。お国柄か、担当者の問題なのかわからないものの、とにかくメールチェックしてもらわないと、出展準備が進まない。

 そこで私は、作成した英語文を翻訳ソフトでフランス語に変換し、参考訳として添えてメール発信するようにし始めましたが、時々パラグラフごと欠落して翻訳されていることもある様子、ただそれさえもフランス語知識ゼロなので確信が持てない。
担当国が来日したときのコミュニケーションも一苦労でした。ある時、トーゴの担当者と翻訳機を使って打ち合わせをしようとすると、彼女の質問が「私の上に乗って私を殺して」と変換表示されたときには、意味不明すぎて途方にくれました。

 そんなこんなで、ビジネスフランス語は無理にしても、せめて簡単な挨拶や、英語⇔フランス語の翻訳ソフトのおおまかなチェックくらいはできなければ、というややネガティブなモチベーションから、私はオンラインのフランス語講座を受講しはじめました。
結局、数か月後に私は派遣を解かれ元の職場に戻ったため、アフリカ諸国とのコミュニケーションの機会はなくなりましたが、この間、多くの国際機関で英語だけでなくフランス語も使われていることを知ったこともあり、ゆるゆると学習を継続し、4級に合格することができました。

 さて後日、私が担当していたアフリカ諸国を引き継いでくれた後輩にコミュニケーションの状況を聞くと、「英語でやっていますよ」と即答してくれました。そうか、実は彼らは英語もちゃんとできたんだ。やや拍子抜けですが、できないふりをしてくれた(?)おかげで私はフランス語学習をスタートできたので、西部・中部アフリカ諸国の友人たちには感謝です!