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偶然に身を任せ

2020年秋季準1級合格・日仏会館賞
橋爪 健
大学生・埼玉県

僕の言語との関係が深まったのは高校二年生の夏でした。(英語ですが)当時、学校主催のスピーチコンテストがあり、それに参加するか迷っていました。参加申し込み締め切り日の放課後、「やっぱり自分には合わないから参加しないでいいか」と思いながら廊下をぶらついていたら偶然ポジティブな友達に会い、その10分後には参加の申し込みを済ませていました。今振り返ってみると、心の中では参加したかったけど誰かに背中を押してもらうのを待っていたんだと思います。スピーチコンテスト以降は学校の授業を通り越した英語、ひいては言語全般に少しずつのめり込むようになりました。もしあの時友達に会っていなかったら人生は違ったものになっていたかもしれないと時々想像します。また、運が良かったとも思います。

フランス語に出会った経緯も偶然でした。大学に入る際に言語を1つ選ばなければなりませんでしたが、言語学を勉強したかった僕には特定の勉強したい言語がありませんでした。スペイン語は先生が厳しいと言われていたので避け、ロシアは寒いので避け、、、ととにかく面倒を避けていたら最後にドイツ語とフランス語が残りました。どうしてフランス語を選んだのかは正確には覚えていませんが、おそらくフランスの方がおしゃれなイメージがあったという大したことのない理由だったと思います。ただ今となっては、偶然フランスにおしゃれなイメージがあって、それを理由に選んだ自分に感謝しています。フランス語は、ずっと前から勉強していた英語と違って、言語化するのが難しいですが体にすっと染み込んでくる感覚があるのです。人にはそれぞれ向き不向きのある言語があり、偶然選んだフランス語は自分に向いている言語だったのでしょう。また、フランス語には包容力があります。バイト先でフランス語圏の方が来た時に、カタコトでもフランス語で話しかけてみればほとんどの人が喜んでくれたり(逆に全く関心を示さないマダムにも会いましたが)、大学で一緒に勉強している友達も生き急いでいる人が少なくてのびのび学べます。

そして2020年。僕は2020年の秋からフランスに留学する予定でしたが、留学する年と疫病の流行が偶然重なり、あっさり中止になりました。中止の連絡が来てからはオンライン授業ということもありとても腑抜けた日々を過ごしていましたが、このままではすぐに就活が始まってしまうと危機感を感じ、とりあえず自分のフランス語力を証明できる資格が欲しいと思い仏検の受験を決めました。一次試験は無事に通過したものの問題は二次試験。会話能力もそうですが何よりも問題が難しかったです。対策として聞き始めたフランスのニュースは仏検が終わった今でも日課です。大学の先生や語学塾の先生の協力のおかげでなんとか二次試験にも合格でき、なおかつ成績優秀者に選んでいただき、フランス語を始めてからのふわふわした3年弱が認められた気がしました。何も問題がなく留学に行けていたら仏検に出会うこともなかったかもしれないし、二次試験のように難しい問いについて議論するということもなかったでしょう。

今後は、周りの協力もあり再び留学のチャンスをもらえました。フランスに行っても、自分の意志や考えと共に僕をここまで運んでくれた偶然に身を任せながら生きていきます。