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思わぬ喜び

2013年秋季準1級合格
笠井 絹子
東京都


フランス語の学習歴は15年になりますが、まさか自分がこんなに長くフランス語を続けるとは思っていませんでした。

フランス語との出会いは、大学での第ニ外国語の授業です。当時は試験のために基礎文法を覚えるのがやっとのレベルでした。

大学卒業後は日本語教師となり、日本での大学進学をめざす外国人に日本語を教えていましたが、片言しか話せなかったはずの学生が、みるみるうちに上達していく姿には本当に驚きました。そんな彼らを見て、私も外国で言語を習得したい!と強く思うようになりました。そこで選んだのが、かろうじて基礎をマスターしていたフランス語です。

渡仏して最初の数ヶ月は発音がまったく通じず、ホームステイ先のマダムに辞書を見せながらコミュニケーションをとる毎日でした。
それが時間とともに、まずフランス語が理解できるようになり、そして少しずつ話せるようになっていきました。

1年間の語学留学の後、縁があってまたフランスに戻り、映像翻訳の仕事に就くことができました。結局4年半もの間フランスで生活しましたが、自分のフランス語に自信をもつことはできませんでした。日常会話には困りませんが、きちんと体系的に上級レベルまで学習した経験はなく、時事ネタなどの話にはついていけませんでした。

帰国してからもなんとなくフランスの新聞を読んだりラジオを聞いたりしていましたが、仏検を受けようと思ったのは、この「なんとなく」続けてきたフランス語のレベルを客観的に知りたいと思ったからです。

学習方法としては、毎日フランス語の新聞を読み、日本とフランスの時事ネタをフランス語で理解できるように訓練したり、インターネットラジオを聞いて新聞で使われるような単語を耳からも覚えるようにしました。また、口頭試験直前には、フランス語学校で自分の「上品ではない」話し方を試験にふさわしい「正しい」フランス語に直してもらい、集中的に口頭表現を学習をしました。この面接練習のおかげで当日は緊張せずに話せたので、とても有効だったと思います。

その結果、試験に合格したことはもちろん嬉しかったのですが、いつの間にか以前よりもフランス語の理解力が上がっていたことに何よりも喜びを感じました。これはまったく期待していなかったことで(考えてみれば当然の結果なのですが)、試験勉強を通して日常的に役に立つ能力を身につけることができていたのです。

試験に合格するために勉強しましたが、その後に思わぬ喜びが待っていました。以前よりもさらに楽しくフランス語の文章を読み、ラジオを聞くことができるようになりました。そして自分のフランス語に少し自信が持てたように思います。

この試験の先にある可能性を励みに、次のステップを目指していきたいと思います。