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再びアフリカへ

2016年度春季1級合格
井上 龍
国連難民高等弁務官事務所・ ケニア

青年海外協力隊として、当時まだ準仏語圏であったルワンダ共和国へ派遣されたのをきっかけに、フランス語を勉強するようになりました。当初、フランス語のリエゾンや数の数え方(80のことを4×20と表す等)に触れた頃は、「不思議なコトバだなぁ」と感じたことを、今でもよく覚えています。

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ルワンダから帰国した後も、会社員として勤めるかたわら、国際機関に入り込むことを念頭にフランス語の学習はコツコツ続けていました。そんな中、学習のペースメーカーとして、仏検は恰好の試験制度でした。そしてこの度、仏検1級合格とほぼ同時期に国際機関への転職も叶い、現在はケニアでIT技術者として勤務しています。

私が地道に続けた勉強法は、インターネットでニュースを視聴、要点を5W1Hでメモし、関連記事を読んで答え合わせをするというものです。最初はスピードが速すぎて着いていけなかったニュースも、1年、2年と経つにつれ、聞き取れるようになっていっただけでなく、時事用語にも慣れることができました。

またとにかく語彙数を増やすため、フランス語の問題集をゲーム感覚で解けるスマホのアプリを自作し、通勤電車の中や、ちょっとした待ち時間にひたすら解くといったことも続けていました。

ただ、私は仕事の関係上、教室に通う時間的余裕がなかったため、フランス語を喋る機会がほとんどないのが大きな課題でした。もちろん、普段の仕事でフランス語を使用する機会は皆無。そこで喋る練習として、視聴したニュースの要点メモを基に、ニュースの内容を口頭で説明する訓練を繰り返しました(自宅の一室で1人フランス語を話している姿は、傍から見るとかなり滑稽でしたが)。

語学の学習は、楽器の練習と非常に似ていると感じます。ある日を境に飛躍的に力が伸びることはなく、毎日ちょっとずつしか上達しません。成果がなかなか見えない中、フランス語学習のモチベーションを保つのは本当に大変です。特に私のように、普段の仕事や生活において、フランス語がまったく不要な環境にいる場合は尚更です。

それでも私が地道に学習を続けることができたのは、仏検が目標達成に向けたマイルストーンの役割を果たしてくれたからです。着実に前進していることを、少しでも実感できた仏検の存在には、とても感謝しています。