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日本とフランス語圏の架け橋に

2015年度春季1級合格
渡邊 暁洋
会社員(三菱商事株式会社)・東京都


父親の仕事の関係で2度フランスへ引越し、合計約9年間パリに住んでいました。
フランス語は、フランス滞在中現地校に通っていたお蔭で身に付きました。

現地校での日々は、今振り返ると非常に貴重な体験ばかりでした。

ビュッフェ形式の給食、ルーヴル美術館での模写授業、表現力と感性を養う目的で行われるthéâtre 試験(有名な演劇等の一部を家で暗記し、後日クラスの前でジェスチャー等を織り交ぜつつ暗唱するもの)、異性の友達と交わす bise(右・左と2~4回互いの頬を合わせる挨拶)etc… 他にも沢山ありますが、現地校に通って一番良かったのは、「自分が日本人である」ということに誇りを持つようになったことだと思います。

いくら “人種の坩堝” と呼ばれるパリでも、外国人は異なる扱いを受けることがあります。しかし、最先端テクノロジーやMANGA等といった切り口で日本に興味を持ってくれる人も多く、そのお蔭で私はそういった扱いを受けても、日本という国や自分が日本人であることに対して嫌悪感を抱かずにいられました。

また、遠足の際に敢えておにぎりを持参したり、学校のプリントで折り紙を作って友人にプレゼントしたりといった自分の行動をきっかけに、日本文化に興味を持ち始めてくれた友人が沢山いたことも強く印象に残っています。

このような経験があって、私は自分のルーツに誇りを持つことができ、将来は日本人として世界を相手にできるような仕事がしたいと思うようになりました。

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私が仏検を意識し始めたのは大学2年生頃。就職活動を意識し始めたことがきっかけです。

語学はあくまでツールでしかないということは承知の上で、それでもフランス語を自分の一つのアピールポイントにしたいという気持ちがあり、それを企業に客観的に伝える最も確実な指標は仏検1級であると考えました。

正直、最初は自信に満ち溢れていましたが、試しに購入した参考書を開いた途端、強い焦燥感に駆られたのを覚えています。仏検1級は、名詞化の設問や多義語の設問をはじめとして、非常に高度な語彙力が求められますが、まさに当時の私にはこの語彙力が決定的に欠けていました。

そこで、私が合格に向けて実践した勉強法は主に以下の3つです。

・入手可能な参考書や過去問を全て解く。
・フランス語の類語辞典(dictionnaire des synonymes)を一通り読み、知らない単語があればその都度ネット上で例文を探す。
・大学が購読していたLe Monde紙を読み、気になった記事をノートに書き写す(同じ内容が日本の新聞にも載っている場合は、内容を見比べて両者の着眼点の違いを考察することも興味深かったです)。

とはいえ、正直、”仏検1級” を持っているだけでは就職活動は上手く行かないと感じました。これは他の語学でも言えることだと思いますが、前述の通り、語学はあくまでツールでしかなく、肝心なのは「そのツールを使って今後自分は何がしたいのか」ということだと思います。

しかしながら、仏検1級という目標に向かって自分なりに試行錯誤した経験は、就職活動に於いて大きな糧となり、選考に挑む際の“自信”に繋がったと思います。そういった意味で、就職活動に備えて仏検を目指すことは、個人的に非常にオススメです。なにより、仏検1級に向って勉強する中で出会った単語や言い回しが沢山あり、以前よりもフランス語を好きになりました。

今後の展望としては、仕事でフランス語圏へ行き、日本とその国の架け橋になること。

正直フランスに戻りたい気持ちはありますが、それよりも今は、西アフリカ諸国に魅力を感じます。未だ日本という国があまり浸透していないような場所で、日本のプレゼンスを高められるような存在になりたいと思っています。それが、かつて私が現地校で感じた“日本ブランド”を確立してこられた先人達や、私にフランス語を教えて下さった先生方や友人への恩返しに繋がると考えているからです。